乳幼児の熱中症予防 塩分は必要?

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こんにちは、四谷学院の石田です。

保育士試験の勉強をしていると、今まで「ふうん・・・」となんとなく眺めていたニュースでも「あ!知ってる」「なぜだろう?」と目にとまることが増えてきます。
とくに子どもに関連するニュースに対してアンテナがひっかかることが増えてきませんか?

今日は、暑くなってくるとよく話題になる「熱中症」について「子どもに必要な塩分量」という視点で解説します。

塩分の取りすぎは子どもにも危険

「塩分の取りすぎは良くない」
というのをよく耳にされていると思います。

生活習慣病の予防という観点からも、「減塩」というのが昨今の日本の風潮ですよね。

幼い子どもの場合は、まだ腎臓の働きが成熟していないので、おとなのように余計な塩分を排出する機能も低く、おとな以上に配慮が必要です。

ためしに「離乳食」を食べてみると、ほとんど塩味がついていないんです。このことを覚えておくと、とてもイメージしやすいと思います。

たとえば1歳の女の子の場合、を考えてみましょう。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015)」によると、ナトリウムの食事摂取基準は、1日につき目標量で3.5g未満。つまり、1日小さじ1杯に満たない量でも十分なんです。本当に、ちょっぴりですね。

塩化ナトリウム中毒

以前、赤ちゃんが塩水をたくさん飲んだことで、「塩化ナトリウム中毒」で死亡させられたというニュースがありました。
「塩化ナトリウム中毒」というのは、食塩を一度に過剰摂取することで血液中のナトリウム濃度が上がり起こる中毒症状です。
おう吐や下痢、過呼吸、意識障害などが起き、今回のように死亡するケースもあります。食塩をそのまま摂取するよりも、水に溶けた状態で摂取するほうが一気に小腸に吸収されるため、より危険性が高くなります。

乳児の熱中症予防

一般に、熱中症予防のために塩分は必要といわれています。
しかし、特に乳幼児の場合、ミルクや母乳にも塩分は含まれているので、あえて別に塩分を与えなくてもよいのです。

「授乳・離乳の支援ガイド」にも、離乳食の開始時には調味料は不要、離乳の進行に応じて味付けをする場合にも、食品のもつ味を生かしながら薄味でおいしく調理するようにとあります。

熱中症の予防のためには、こまめな水分補給、風通しを良くする、直射日光を避けるなどして、乳幼児の安全を守ります。

基本的な知識の重要性

保育士試験には「保育の技術」だけれなく、法律や栄養、保健などについても出題されます。
保育士に栄養の知識が求められる理由が、こういった事例からも実感できるのではないでしょうか?
大切な子どもの命を預かる保育士として、基本的な知識をしっかりと身に付けていきましょう。

四谷学院では、丸暗記ではなく、知識の定着を目指します。保育士試験合格はもちろん、その先にある「保育士」として活躍を支援します。

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