ビオトープって何?子どもたちが自然を身近に感じるには

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こんにちは、四谷学院の野本です。
いきなりですが、質問です。
「園庭ビオトープ」って聞いたことがありますか?

保育園や幼稚園にビオトープをつくって、子どもたちが自然とふれ合う機会を増やそうとするものです。

● ビオトープ(BIOTOP)とは
野生の生きものの生息空間のことを言います。
「BIO:生きもの」「TOP:場所」という意味からなるドイツ語です。
ドイツは環境教育の先進国の1つです。

この記事では、園庭ビオトープについて紹介します。

自然とふれ合うことの大切さ

保育士試験の出題項目のなかでも、特に重要とされる「保育所保育指針」。その名の通り、保育所における保育のガイドラインとなっています。
また、同じく小さな子どもたちを預かる幼稚園でも「幼稚園教育要領」というガイドラインがあります。こちらも保育士試験では頻出。

両方に子どもの保育環境に関する記述があります。

【保育所保育指針解説書】
第1章3-(3)「保育の環境」
・保育環境をいかに構成していくかが保育の質にかかわる。
・子どもが思わず触りたくなるような、動かしてみたくなるような、関わりたくなるような魅力ある環境を構成することが重要である。
(以上、抜粋)

幼稚園教育要領解説
第1章第1節-2
・この時期(幼児期)にどのような環境下で生活し、その環境にどのように関わったかが将来にわたる発達や人間としての生き方に重要な意味をもつ。
・自分から興味をもって環境に関わることによって様々な活動を展開し、充実感や満足感を味わうという体験が重視されなければならない。
(以上、抜粋)

子どもたちは、虫や鳥といった小さな生きものに興味をもちます。きれいな花、大きな葉っぱ、松ぼっくりやドングリなどは、子ども達の宝物になります。お日様のひかりや雨、雪、あるいはカミナリなど、子どもたちは興味しんしんですよね。

こういった身近な自然は、子どもたちの「育ち」や「学び」に欠かすことのできない重要な「環境」の一部。自然を相手にした遊びのなかで、子どもたちの五感が刺激され、豊かな感性が育まれるのです。

しかし、日本ではどんどん森林、草地、池、小川、浜辺などが、少なくなってきました。まだ自然が身近にあったとしても、それが「大切なもの」としてとらえられない場合もあります。

現代の日本では、子どもたちが日常的に自然や生きものとふれあうために、おとなたちが「環境を整える・用意する」ということが重要になってきています。

園庭ビオトープはどこにでもつくれる

「自然のおもしろさ、すばらしさに触れさせたい!」
と考えたとき、山や海に出かければよいでしょうか?

いいえ、違います。

住んでいるところを離れて、わざわざ自然に触れ合うために外出するのでは、「身近なもの」「日常的なもの」として自然を感じることができません。遊園地やイベントなどのレジャーの一部になってしまうのです。

自然はまだまだ、私たちの身近にあります。それに気付かないだけ。
気が付く機会・考える機会として「ビオトープ」をつくってみましょう。
園庭や家庭でも、手軽にビオトープをつくることができるんですよ。

ビオトープとは、生きものが暮らす場所です。
必ず水辺をつくらなければいけないとか、大きくなければいけないとか、決まりはありません。

たとえば、壁につる性の植物をはわせて、壁面ビオトープをつくることができます。グリーンカーテンのようなイメージですね。ベランダや駐車場の脇などのちょっとしたスペースでもビオトープはつくれます。ほかにも「花壇の近くに、あえて草刈をしないスペースを設ける」というだけでも、地域に住む生き物を観察することのできるコーナーになりますよ。
※本来の自然という意味で、その地域にもともとある植物(在来種)を植えましょう。

都会のど真ん中にもビオトープ!

最近では、日本テレビで「新宿にビオトープをつくる」というテレビ番組をやっています。TOKIOの皆さんが、東京都新宿区のど真ん中にあるビルの屋上に、ビオトープをつくるんです。在来種や外来種(危険生物)の問題にもふれ、なかなかおもしろいな、と思いながら見ています。

園庭ビオトープを学ぶには

保育士さんや幼稚園の先生、あるいはそのタマゴたちにオススメなのが、「こども環境管理士」という資格です。自然環境やエコに興味があるけれど、ちゃんと学んだことはない、という方の導入としても最適です。
さらに本格的にビオトープをつくってみたいという方には、「ビオトープ管理士」という資格もあります。

保育士・幼稚園教諭の資格をさらにバージョンアップ!
くわしくはホームページをご覧ください。