保育士試験の形式について マークシート式の活用法 

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こんにちは、四谷学院の野本です。

保育士試験はマークシート形式の試験ですが、
ただの1問1答のマーク式ではありません。

「解答の組み合わせを選ぶ」という形が多く、試験としては珍しいかもしれませんね。

実は・・・出題形式の特性を知ることで、
「困ったときの神頼み」を減らせます。

この記事では、保育士試験の出題形式について解説します。

「一つ選びなさい」はチャンス

まずはじめに・・・
試験対策の学習で重要になるのは、「知識」「理解力」そして「解答力」です。

出題形式を知ることは「解答力」を磨くことにつながります。
ある年の問題を見てみましょう。

平成28年後期「教育原理」

問1 次の文は、「日本国憲法」の一部である。誤ったものを一つ選びなさい。

1 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
2 学問の自由は、これを保障する。
3 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
4 すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
5 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

正解:4

実は、4だけ「教育基本法」の条文が紛れ込んでいます。
「教育原理」科目対策としては、「教育基本法」と「学校教育法」の読み込みがおすすめですが、
このような問題が出されたときに自信を持って判断するためにも役立ちますね。

さて、これは1から順番にチェックして「これは正しい」「これはこの部分が違う」と判断して、誤った文章を1つ選ぶいわゆる〇×問題です。
しかし…
問題は「誤ったものを一つ選びなさい。」
ということは、
「答えが×のものが1つありますよ」という意味で
言い換えれば
「正解になるものが一つだけわかっていれば得点することができる」
ということですね。
ぐっとハードルが低くなりますね。
つまり、「一つ選びなさい」は、チャンスだととらえましょう!

組み合わせ問題

次の問題を見てみましょう。

平成28年後期「社会的養護」

問6 次の文は、入所型の児童福祉施設における子どもの養育・支援に関する記録についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 施設は集団生活が基本であり、集団における関わりの状況が重要なため、子ども一人一人の記録の必要はなく、生活集団ごとの様子について記録する。

B 施設は多職種の職員によってチームで児童の支援を行っているため、必要に応じて記録を共有する。

C 日々の記録は、支援計画が適切に取り組まれ、その結果効果がみられたかを確認する資料となる。

D 記録内容について職員間でばらつきが生じないように、施設内で共通の記録様式を用いるなど工夫する必要がある。

(組み合わせ)
 A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × × ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

正解:3

これは、保育士試験の特性がよく分かる問題です。

断言調にご用心

まず、Aの文章で、
「子ども一人一人の記録の必要はなく」
という断言調の表現に「???」と引っかかるべきです。

「保育指針」に「一人一人」という言葉が何回登場するか知っていますか?
答えは35回です。

個を大切にして、一人一人と丁寧に向き合うという保育の基本が押さえられていれば、
この文章が不適切であることはすぐに見抜けるはずですし、見抜けないと困ります。

〇×の組み合わせに注目

もちろん、A~Dの設問すべてについて、○×の判断ができればベストです。
しかし、どーしても分からない、迷うものも出てきますよね?

ということで。
たとえば、Aはぜったい「×」と自信をもって言えたとして、組み合わせの「Aの答えだけ」に着目してみてください。

正解は3.4.5のどれかだということがわかりますね。

しかも、Cが×なら、答えは自動的に「4」です。
    Dが×なら、答えは自動的に「5」です。
    それ以外ならば、答えは自動的に「3」です。

つまり、A~Cのすべての正誤が判断できなくても、
組み合わせをヒントに正解を絞り込むことができるというわけです。
これは、限られた時間を有効に使うための
効率の良い方法です。

テクニックを上手に使おう

いかがでしょうか?
○×の組み合わせを選ぶパターンをはじめとした保育士試験の問題は、非常にたくさんヒントが隠れているんです。

もしも見覚えのない内容だったら、とりあえず深呼吸をして問題文をじっくり読んでみましょう。

「必ず~である」などの限定的な表現には疑いを持ったほうがいいですし、
持っている知識を応用したり常識的に考えるだけで正誤の判断ができる場合も多いものです。

それが「一つ選びなさい」という問題であれば、ひょっとしたら正解の一つだけ知っているかもしれません。
決して逃げ腰にはならないで向き合いましょう!

もしもあなたの答えに自信がもてない場合は、組み合わせに着目しましょう。
「よし!大丈夫」「あれ?矛盾するぞ?」と、最終的な結論を出すときにぜひ使ってみてくださいね。

なお、試験はマークシートです。
1つずれてしまうと・・・悲劇です。
その後ろがぜーんぶ間違ったマークになってしまいます。

迷ったときも「とりあえず何かマークしておく」ことをおススメします。

問題の方に大きくしるしをつけておいて、最後の問題まですべて解き終わってから、じっくり見直しを行ってくださいね。

保育士試験マークシートの攻略:まとめ

くり返しますが、試験対策の学習で重要になるのは、
「知識」「理解力」そして「解答力」です。
「知識」「理解力」がなければ、いくらテクニックを学んでもうまく使えません。

しっかり勉強をして、基本的な知識を身につけつつ、理解を深め、いざ迷ったときにも正解を絞り込めるよう、
今回ご紹介したマークシート式問題のテクニックを身につけておきましょう。

こちらの記事もぜひご覧くださいね。

保育士試験の形式について マークシート式の活用法 第2弾
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