法律の穴埋め問題と事例問題の攻略!

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こんにちは、四谷学院の野本です。

保育士試験において、法律の穴埋め問題と事例問題は、避けては通れないやっかいな問題です。
今日は、この2つの問題の攻略について解説します。

法律の穴埋め問題と事例問題の共通点

法律の穴埋め問題の対策方法といえば、法律の条文を一字一句覚えることが一般的です。
一方、事例問題は、実際の現場でよくみるケースを法律やガイドラインにない言葉で理解するという力が求められるので、対策方法としては、色々なケースを知る、過去問題を解く、といったことが一般的でしょう。

いずれにせよ、受験生の頭を悩ます問題です。

一見、真逆の対策が必要に思える2つの問題。しかし、実は問われている内容は同じなんです。
このことに気がつくと、対策がグッと楽になります。

出題例

※平成29年筆記試験(前期)「保育原理」科目

問2 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(2)「保育の方法」の一部である。(A)~(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

・ 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが( A )を持って活動できるよう、子どもの主体としての( B )を受け止めること。
・ 一人一人の保護者の状況やその( C )を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。

(答え) A安心感と信頼感  B思いや願い  C意向

※平成29年筆記試験(前期)「保育原理」科目

問17 次の保育所での0歳児クラス(9月)の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
Nちゃん(10 か月)は活発で、ハイハイやつたい歩きであちこちへ行きたがる。あるとき、転んだはずみにすり傷を負った。担当保育士はNちゃんの保護者にお詫びを伝えたところ、Nちゃんの保護者は、これ以上Nちゃんにけがをさせないよう、保育士のそばにおき、目を離さないことを強く求めてきた。

【設問】
その後の対応として、「保育所保育指針」第5章「健康及び安全」、第6章「保護者に対する支援」に照らし、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 保護者の意向に沿って、Nちゃんがやりたいことであっても、けがにつながりそうなことは一切させないと担当保育士が保護者に伝える。
B 担当保育士が、保護者から家庭での様子を聞いて保護者の思いを十分に受け止める。
C 保育室の環境の見直しや改善を行っていくことについて保育士間で話し合う。
D 保護者会などで、子どもの発達特性と保育所で起こりやすいけがとの関わりについて施設長が伝える。

(答え) A× B○ C○ D○

2つ問題のポイントになっていることは、以下のことです。

・子どもが主体的に行動できる環境を整えてあげること
・保護者の思いを受け止めて、必要に応じて支援態勢を整えること

改正された「児童福祉法」にも明記されたように、「児童の最善の利益」が優先されるため、子どもが主体的に活動できることが何よりも大切です。
そのためには、保育所という空間が、設備的にも人間的にも信頼のおける環境でなければなりません。

その信頼は、子どもの保護者にも共有できるものでなければなりません。保護者にもそれぞれの思いがありますから、頭ごなしにその思いを否定するのではなく、ともに考えて、納得できる形で保育を進めていく必要があります。

このような視点で見ると、問2の内容を具体的に示したのが問17、逆に問17を簡潔にまとめた内容が問2ということになりますね。

暗記だけでは太刀打ちできない

四谷学院では、「丸暗記」はすすめません。
なぜなら、保育の現場に出たときに「本当に使える知識」にならないからです。

保育士試験でも、「受験生の誰もが初めて見る資料」「誰が知っているんだ?という内容」が毎年のように出題されています。受験生に意地悪をしているわけではないんです。
知識そのものではなくて、「内容をしっかり理解していますか?」と確認するための試験だからです。

「内容の理解」そして「学習効率」、あなたが両方を求めるのであれば、四谷学院保育士講座の受講を検討してみる価値があると思います。
詳しくはホームページをご覧ください。

四谷学院保育士試験対策講座