こんにちは、四谷学院の谷村です。
試験が終わると、自己採点を終えた受験生から、試験の手ごたえや今後の対策について、たくさんの相談メールが寄せられます。
その中でも、目立つのが、こうしたご相談や悲痛な叫びや悔しさなんです。
こうした声はもう何年もの間、一貫して届いています。
もしかすると、この記事にたどり着いたみなさんも、同じような悩みをお持ちなのではないでしょうか?
そこで今回は、ニコイチ科目、「教育原理・社会的養護」の攻略法を解説します。
目次
苦手意識をもつ理由
「教育原理・社会的養護」は、ほかの科目と異なり、各10問のセットで1科目です。そのため1問の価値が高いということや、2分野を同時に6割以上得点しないと合格にならないということで「間違えられない!」というプレッシャーが大きい科目です。
このような科目の特徴が、受験生が大きな不安を感じてしまう理由の1つとなっています。
また、この科目の特徴としては、「通知」や「法令」からの出題が多いということも挙げられます。
確かに、試験で初めて見ると動揺してしまいますよね?
でも、動揺はマイナス要素でしかありません。
まずは「見たことがないものが出るのは当たり前」と開き直り、落ち着いて問題文を読むことが大切です。落ち着くと、勉強した基礎的な知識を、あなたの頭の中の引き出しから取り出せるはずですよ。
そ・こ・で・・・・
あなたの頭の引き出しに、基礎的な知識をきっちり、整理して詰め込んでおくことが大事になってくるんです。
試験までに必ずチェックすべき資料は?
ここでは、「しっかりと読み込んでおくと安心」という法令や資料をピックアップしてご紹介します。
これらはぜひとも、優先的にチェックしてみてくださいね。
「日本国憲法」
第26条は、「教育原理」で頻出です。
ほかの条文も出題され得るので、ついでに第13、19、23、25、27条あたりも見ておきましょう。「教育原理」以外の科目の学習にも役に立ちます。
「教育基本法」
「教育」の「基本」となる「法」ですから、こちらも絶対おさえておきましょう。特に、教育全般について述べられた前文、第1~4条、保育士にもかかわりの深い第10、11条は重要です。短いので、全文に目を通しておきましょう。
「学校教育法」
「教育」といえば「学校」。ということで、こちらも一通りざっと目を通しましょう。保育士試験では、高等学校や大学についての細かな出題は考えにくいので、読み込まなくても大丈夫です。
やはり、保育士にも関わりの深い幼稚園について定めた第3章(第22~28条)が狙い目です。次いで、第1章総則や、第8章特別支援教育(第72~82条)にも注目しておくと、理想的です。
四谷学院保育士講座の『資料集』では、読んでおきたい部分を掲載しています。関連資料を読破する!となると時間はいくらあっても足りません。『資料集』は効率的な学習を目指すあなたの強い味方となるはずです。
「幼稚園教育要領」
幼稚園と保育所との共通点と相違点の概要を確認した上で、目を通しましょう。
幼稚園は学校の1つであり、「教育」を行うところですね。一方、保育所は「児童福祉施設」です。
保育所→こども家庭庁、そして幼稚園→文科省というように管轄が異なります。
なお、幼保連携型認定こども園は、「教育・保育」で、こども家庭庁の管轄です。
こういったことを踏まえて「幼稚園教育要領」の全体的な構成を押さえるとともに、どの部分が「保育所保育指針」と共通しているか、どの部分が「幼稚園教育要領」に固有か(特に平成29年の改訂で新しく追加された前文は要チェック)ということを確認してみましょう。
共通点は「保育原理」科目でしっかりと学習するとして、「幼稚園教育要領」に固有の部分は、力を入れて読んでおきましょう。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」
「社会的養護」で頻出 かつ 受験生が恐れおののくのがコレ(笑)。
最近は、法律名を出さずに、規定されていることを押さえているかどうかを問うような出題が多いと感じます。
「社会的養護」に限らず、保育士試験対策として絶対避けては通れませんが、最近は、配置基準などの細かい数値はあまり問われなくなっているので、各施設に特有の職員名などに注目しておさえておきましょう。
オススメは、e-Gov法令サイトで条文を表示して、例えば「児童生活支援員」などの言葉で検索をかけてみることです。
すると、どの施設に配置されるか、その施設に固有かどうかを手早く確認することができますよ。
また、「児童福祉法」上の定義と合わせて、施設の基本的な特徴が押さえられていれば、最近よく出題される児童福祉施設のガイドラインや運営指針等に関する問題を解く上でのヒントにもなります。
「社会的養護育の推進に向けて」
意外に重要なのが「社会的養育の推進に向けて」という資料です。法律に比べて読みやすい資料です。
社会的養護に関する重要事項が山盛りなので、テキストの内容がある程度理解できたら、知識の整理のためにぜひ目を通しておきましょう。表やグラフを読み取る力を養うこともできます。
四谷学院では『資料集』にも抜粋していますが、原典もぜひ見ておくことをオススメします。
ちなみに、もともとは「社会的養護の課題と将来像の実現に向けて」でしたが、「社会的養護の推進に向けて」に改称し、現在は「社会的養育の推進に向けて」という名称になっています。
「児童養護施設入所児童等調査結果」
5年ごとに更新される、社会的養護の実態をまとめた資料です。
現在の最新版はこちらです。
・児童養護施設入所児童等調査の結果(令和5年2月1日現在)
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/8aba23f3-abb8-4f95-8202-f0fd487fbe16/5c104d63/20240229_policies_shakaiteki-yougo_86.pdf
まず、要点をまとめたところをざっと読みます。調査結果として「数字」が出ていますから、どこが最大か、増加傾向か・減少傾向かに注目します。そして、具体的にイメージをふくらませて「理解」しようとすることがポイントです。
例えばどの施設にはどのくらいの年齢層の子どもが多いか、どの施設に児童虐待を受けた経験のある子どもが多いか、障がい児の割合はどの程度か、どういう理由で措置されたかといった数値から、その施設の特徴を読み取っていきましょう。
「児童福祉法」の各施設・事業の定義や、「設備運営基準」など、セットでイメージをふくらませておきましょう。
四谷学院保育士講座の『資料集』では、一覧表にして要点をまとめています。ちょっと迷ってしまう部分なので、代わりに整理してあります。こちらを活用して時間をかけずにサクッと勉強してほしいと思います。
暗記よりも理解が必要
「教育原理・社会的養護」は2つで1科目とカウントされるいわゆるニコイチ科目。
どの科目にも共通して言えることではありますが、「教育原理・社会的養護」は特に暗記よりも理解が必要な科目です。
保育士試験の鬼門!?
「教育原理・社会的養護」科目は、実は、保育士試験の鬼門とも言われているんです。
毎回、「ニコイチ科目で泣かされました。。」という声が寄せられますが、実際、試験の難度が上がっているのかというと・・・
私たち四谷学院では、特に社会的養護は「むしろカンタンになったのでは?」と感じています。
というのも
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以前は知識がなければ答えられない問題の割合が多かったのですが、最近では、ぱっと見は難しそうでも、理解ができていれば正解を導ける問題になっているんです。
「理解が重要!」という学習方針で正しく勉強すれば、難しいことはありません。
「教育原理」についても、確かに人名や学説名など、知識がそのまま問われているものもありますが、試験全体を難しく見せる目くらましだと考えてください。
ごく基本的なことをしっかりとおさえた上で、「理解」で解ける問題にひるまずに立ち向かえば、十分に合格点に達することができます。
受講生のみなさんは、以下の記事も参考に、対策をしてくださいね!
あれこれとたくさんの本を買い込むのではなく、「これ」と思う教材に何度も繰り返し取り組むことが、合格への近道です。
合格のためには、『資料集』の読み込みとともにテキストの深い理解が大切です。
四谷学院では、保育士試験の出題を徹底的に分析しています。
そして、カリキュラムや教材をブラッシュアップしています。だから最新の出題傾向にあった学習が可能なんです。
オリジナルテキストやパソコンで学習できる演習トレーニングについて、くわしくはホームページをご覧ください。
無料で資料もお届けしています。
このブログは、四谷学院の保育士講座スタッフが書いています。
四谷学院は通信講座ですが、あなた専門のサポートスタッフ『担任の先生』がつくようになっています。それが、私たちです。保育士試験についての専門知識はもちろん、どうしたら迷いなく勉強できるか日々考えているプロフェッショナル集団です。