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苦手な人・嫌いな人は自分の「投影」かも

  公開日:2018/05/01
最終更新日:2024/03/11

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院です。

今回は、「防衛機制」について解説します。

防衛機制とは

「防衛機制」は、自我の防御機能です。
「投影」を例にとって、どういう仕組みで自我の防衛が行われるのかを見ていきましょう。

投影とは

投影とは、「本来は自分の欲求であるものを、他者が持っているものと捉える」ということです。

自覚がある?ない?

防衛機制は、基本的に自分が気付かない領域、いわゆる「無意識による機能」なのです。
無意識は、精神分析学では「超自我」または「イド」ということになりますね。

防衛機制が無意識つまり、自覚なく行われます。

「投影」の例

「投影」について、具体的な例を挙げて説明しましょう。

Aさんの話です。会社の同僚にB君という人がいます。B君はいつもニコニコしており、優秀で、社内でも人気があります。
しかし・・・Aさんはこんな風に感じていました。
「他の人に比べて、B君は自分に冷たい気がする」
「B君は、自分よりほかの人の仕事を優先しがちだ」
そしてAさんは「自分はB君から嫌われている」という思いを持つようになりました。

さて・・・実際はそうではありませんでした。
実は、AさんがB君を嫌っていたのです。

つまり、Aさんは「私はB君のことを嫌いだ」という自分の抑圧された感情を、「相手の感情」としてみていました。
これが「投影」です。

「投影」の過程

このとき、何が起こっているのか、もう少し詳しく解説します。

「自分はB君のことが嫌い(イド)」なのに、B君は優秀だし人気のある人だから「B君を嫌ってはいけない(超自我)」と、無意識下でせめぎあいがあります。
すると「B君を嫌っている私」は、自我を脅かすことになります。

そこで、「嫌っている」という思いを他者に投影する=他者のものにします。
つまり「私の方こそが、B君から嫌われている」と思うことで、自分を守っているわけです。

このような葛藤を覚えるような出来事に遭遇した時、このメカニズムは基本的に意識の外側で行われるので、そのプロセスに気づかないわけです。

こうしたプロセスは、近年では、認知行動療法において、スキーマや認知のフィルターといった概念で説明されます。

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