こんにちは、四谷学院の野本です。
今回は「保育実習理論」科目問1<伴奏問題>のポイントを解説します。
平成24年から毎回出題されていますが、苦手な方が多い「音楽のルール」に関する問題。いわゆる「楽典」と呼ばれるこの分野。「全部捨てたい!」という声も聞こえます。受講生のみなさからもご質問も少なくないんです。
しかし、ルールを理解できれば確実な得点源になりますよ。
目次
出題される楽譜の種類
「保育実習理論」科目の1問目は、出題形式が少しずつ変わってきてはいますが、基本的な考え方は同じです。
保育士試験の伴奏に関する問題でこれまでに出題された曲は、平成26年の再試験を除いて、ハ長調(♯や♭などの符号が付かないもの)ばかりです。
曲に伴奏を付けるときには、コード(和音)の知識が必要になってきます。
それほど複雑なものは出題されませんから、心配いりません。
たとえ少し難しいものが出題されたとしても、和音の基本に沿って考えるのが基本となります。
コードの確認
テキストでは音名を英語(C音、D音、E音…)や日本語(ハ音、ニ音、ホ音…)で説明しますが、ここではよりなじみがあるイタリア語の音名(ド、レ、ミ…)を使います。
それぞれアルファベット順&いろは順です。
まずはこれだけ覚えましょう。
問1では、主なコードが出題されています。
試験では直接コード名を問うわけではありませんから、
「あ、だいたいこんな感じね」
と思う程度でOKです。
コード一覧を再度確認して、“音と音の間が何度離れているか”など、「和音の基本」をしっかり復習しましょう。
解法の手順
具体的に問1の解き方について説明します。
【手順1】楽譜の「調」を確認
調号の種類、数でその楽譜の調がある程度分かります。
さらに、よく出題されるハ長調の曲の場合は、主音である「ハ音」つまり「ド」と同じ音を根音とするCコード(ドミソ)が、曲の最初と最後に用いられることが一般的です。
楽譜の冒頭が掲載されることが多いので、最初の音に注目しましょう。
「長調の曲は主音を根音としたコードで、始まり終わることがほとんど」
【手順2】伴奏の選択肢に注目
伴奏を見ると、ある程度コードを判断することができます。
この伴奏は、バラバラにはなっていますが、「ド」と「ミ」と「ソ」の音で成り立っているので「Cコード」と考えます。
「ハ長調の楽譜だから、Cコードは最初か最後にくる可能性が高い」と考え、選択肢を絞り込めます。
伴奏部分は<ヘ音記号の楽譜>になっています。
メロディーのト音記号の楽譜とは音符の位置が違っています。
「楽譜が正確に読み取れること」は音楽分野の問題の大前提ですからこれだけはしっかりとマスターしておきましょう。
【手順3】メロディーと同じ音を含む伴奏に注目
たとえば、過去にこんな問題が出題されました。
「ソシファ」の3音から成る伴奏が示され、それがふさわしい小節を選ばせる、というような問題です。
答えは、「レーソソ」というメロディーの部分。
「えっ! “レ”なんて伴奏にないし、わかるはずないよー」
と思ったあなたは、「和音の基本」の復習が必要です。
「G7(ソシレファ)の伴奏でレが省略されている」
このことを読み取れないと、正解にたどりつけない問題でした。
「和音の基本」を理解してさらに応用できることが、問1克服の決め手です。
メロディーで使われている音と同じ音を含むコードが多い
【手順4】コード・チェンジのタイミングに注目
極端に思い切って言ってしまえば、ハ長調の曲なら曲を通してずっとCコードの伴奏でも良いんです。
しかし、曲を展開して表情を持たせるためにコードを途中で変えることがほとんど。
その主なタイミングは、<小節の最初か、真ん中>です。
これまで使ったコードに含まれない音がメロディに登場したとき、新しい音が含まれる別のコードも同時に登場します。これをコード・チェンジといいます。
次の曲は、ハ長調の楽譜ではありませんが、ちょうど赤い線のところがコード・チェンジのタイミングというわけです。
どのコードを選ぶかは、【手順3】で説明した考え方でOKです。
「解答の選択肢に何があるか」
「次の小節の伴奏との組み合わせ(展開)はどうか」
の2つを見直す。
複数の小節の伴奏を複数の候補の中から選ぶ形式の出題の場合、★ポイント3★の方法が有効です。
覚えておきましょう。
おススメの練習方法
伴奏問題は、頭の中で想像するだけではわかりにくいので、実際にピアノを弾いて試してみるのが効果的です。最近では、スマホで、無料のキーボードアプリもありますので、ぜひ学習の合間に試してみてくださいね。
例外はもちろんあるのですが、今回解説した基本的な考え方で保育士試験の伴奏問題はクリアできます。
保育士になって、子どもたちといっしょに歌の練習をする自分の姿を想像して、楽しみながら学習しましょう。
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