こんにちは。四谷学院の野本です。
新型コロナウイルスの影響で、消毒の種類や効果的な使い方について詳しくなったという方も多いのではないでしょうか?
この記事では、保育士試験でも出題される「保育所における感染症対策ガイドライン」に掲載の「消毒薬の種類と用途」について解説していきます。
目次
「保育所における感染症対策ガイドライン」とは
保育士試験「子どもの保健」科目の中に、「保育所における感染症対策ガイドライン」が載っています。
2009(平成21)年に、感染症ごとの特徴や対策、対応についてまとめた厚生労働省によるガイドラインです。感染症にかかった子どもが回復して、登園できるようになるまでの基準が感染症ごとに示されています。
感染症対策の強化や、保育士の活用しやすさなどの修正が加えられ、2018(平成30)年3月に5年ぶりに改訂されました。
「保育所における感染症対策ガイドライン」には、「消毒薬の種類と用途」も掲載されています。消毒関連の問題は、試験にもまれに出題されますが、出題有無にかかわらず、現場では非常に大事な知識となっていることが、今回実感できたかと思います。
しかし、勉強中の方は「色々種類があって区別がつかない」「イメージがつかない」という感想をもっていたかもしれませんね。
今、消毒液やアルコールの含まれたウエットティッシュなどが品薄になっていますから、
「え?これじゃダメなの?」「どう違うの?」と驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
ではさっそく、「消毒液の種類と用途」についてのイメージを具体的に落とし込んでいきましょう。
まずは手洗いをしよう!
はじめにお伝えしたいこと。
石けんやハンドソープを使った丁寧な手洗いで、ウイルスは十分に除去できます。
石鹸でよく洗ったあとは、消毒液を使う必要はありません。
アルコール消毒は新型コロナウイルスに効く?
まず、アルコール消毒液について。こちらは、手にシュッとして、手指消毒に使ったりしている人も多いのではないでしょうか。
「有効な病原体は、一般細菌(MRSA等)、結核菌、真菌、ウイルス(HIV を含む)等」とされています。このウイルスにコロナウイルスも含まれるわけですね。つまり、アルコール消毒は新型コロナ対策としても有効です。
ただし、アルコール消毒液については、ノロウイルス、ロタウイルス等消毒液の効きにくい病原体とされていますので要注意です。
塩素系消毒剤は新型コロナウイルスに効く?
そしてもう一つ、消毒として有効とされているのが、塩素系消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム等)です。ハイターやブリーチの商品名をご存じかもしれませんね。
厚生労働省ホームページで「感染防止対策チラシ」が公開されましたが、このページでは、コロナ関係だと「消毒用アルコール」「塩素系消毒剤」2つが消毒液として有効だと挙げられます。そして、塩素系消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム等)をつかった消毒液の作り方まで親切に表示されています。比較的私たちが入手しやすい身近な商品ですし、また注意書きも非常にわかりやすいページです。
▼厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000645359.pdf
※厚労省HPより
この「塩素系漂白剤」にあたるのが、まさに「塩素系消毒薬」ですね。
有効な病原体は、「全ての微生物(ノロウイルス、ロタウイルス等)」とされている優れものです。
厚生労働省が公開した「感染防止対策チラシ」を見ると、かなり薄めて使っても効果が高いことがわかります。さらに、「新型コロナウイルスだけでなく、ノロウイルスなどにも有効です。」と書かれています。
逆性せっけんは新型コロナウイルスに効く?
「保育所における感染症対策ガイドライン」にはもう一つ、消毒薬として挙げられているものがありました。何だったか覚えていますか? そうです。「第4級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム等)」でした。これは「逆性石けん」または「陽イオン界面活性剤」とも呼ばれます。「逆性せっけん」がなんとなく一番覚えやすいかもしれませんね。
「一般細菌(MRSA 等)、真菌」に有効ですが、「結核菌、大部分のウイルス」は効きにくい病原体として挙げられます。つまり、コロナウイルスには効きにくい!だから、今話題になっていないのです。
上記で少しイメージができたのではないでしょうか。
手洗いうがいはもちろん、消毒液を正しく使って身の回りや手指の消毒をしっかりして、私たちも感染を防ぎましょう!
現場で生かせる知識を!保育士試験受験予定のあなたへ
このブログでは、イメージしやすいようにざっくりと解説をしました。
「こういうことが書いてあるんだな」と事前に把握できていれば、ガイドライン本体にも目を通すときに難解な漢字やカタカナが並んでいても、頭に入ってきやすくなりますよ。
早速、「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版) 」P72も実際に目を通してみましょう!
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