【最新版】実技試験造形科目 過去問題徹底分析で合格を目指す!

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こんにちは、四谷学院の石田です。

実技試験で「造形」分野を選んだ場合、多くの方が、「何を練習したらいいか」ということに迷っていらっしゃいます。絵画の練習経験がある方は、ごく一部ですよね?

そこで、今回は過去の出題内容を確認しつつ、試験に合格するためにはどんな練習が必要かということをお話していきます。

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求められる力は?

最近の出題傾向としては、【事例】を読んでイメージを膨らませ、絵画作品を仕上げるというタイプの出題になっています。

※実技試験概要より

求められる力:
保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物等の描写や色使いなど)ができること。
●表現に関する問題文と条件を当日に提示する。
●当日示される問題文で設定された一場面を、条件を満たして表現すること。

注意1: 当日の持ち物(試験中、机上に置けるもの)
①鉛筆またはシャープペンシル(HB ~2B)
②色鉛筆(12~24色程度)
※1 クレヨン・パス・マーカーペン等の使用は不可とします。
※2 水溶性色鉛筆の使用も可ですが、水分を塗布することは不可とします。
※3 摩擦熱で消える色鉛筆の使用は不可とします。
※4 色鉛筆ケース(筆箱等)を机上におくことは可とします。
※5 携帯用鉛筆削りを会場内に持ち込むことは可としますが、試験時間中に使用する場合は、試験監督員の了解を得てから使用してください。
※6 受験者の間での用具の貸し借りは認めませんので、忘れないように注意してください。
③消しゴム
④腕時計(アラーム等の音がならないもので、計算機、電話等の通信機能のついていないものに限ります。置時計不可)
上記①~④において、「人物の形をしたイラスト入りのもの」は机上に置けません。(使用不可。)

注意2: 試験時間は45分です。
注意3: 解答用紙の大きさはA4判ですが、絵を描く枠の大きさは縦横19cmとします。(紙の種類は試験の当日に提示します。)

出題傾向の変化

平成24年度実技試験

求められる力や当日の【事例】なし
保育所(園)での子どもたちと保育士との活動の一場面を表現する。
(当日)
保育所(園)での子どもたちと保育士との活動の一場面を、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内(20cm×20cmの枠)に表現しなさい。

平成30年度実技試験

求められる力:保育士として必要な造形表現(情景及び人物等を豊かにイメージした描写や色使いなど)ができること。
(当日)
【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

事例を読んで描くというスタイルに変更となりました。

平成31年度実技試験

求められる力:保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物等の描写や色使いなど)ができること。
(当日)
【事例】を読み、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

「保育の状況をイメージした」という言葉が追加されました。

その後はこの出題傾向が続いています。

出題例を見てみよう

以前の出題とは変わってきていますから、ここでは新傾向の出題について取り上げましょう。
造形の試験では、試験当日に詳細なテーマや条件が示されます。過去の出題例を見ていきましょう。

試験日 テーマ 指定人数 場所 表現の条件
令和5年後期 クレヨン遊び 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと・枠内全体を、色鉛筆で着彩すること
令和5年前期 雨の日の外遊び 子ども3名以上保育士1名以上 園庭 【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと・枠内全体を、色鉛筆で着彩すること
令和4年後期 豆まき 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと・枠内全体を、色鉛筆で着彩すること
令和4年前期 フィンガー・ペインティング 子ども3名以上保育士1名以上 園庭 フィンガー・ペインティングで楽しく遊んでいる様子
令和3年後期 色水遊び 子ども3名以上保育士1名以上 園庭 容器を使って、色水遊びを楽しんでいる様子
令和3年前期 砂遊び 子ども3名以上保育士1名以上 園庭 シャベルやスコップなどの道具を使って、砂遊びを楽しんでいる様子
令和2年後期 紙芝居 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 紙芝居を見ようと集まっている子どもの様子
令和2年前期 牛乳パックのおもちゃ遊び 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 牛乳パックの形を活かした手作りおもちゃ
令和元年後期 粘土遊び 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 好きな動物で粘土遊び
平成31年前期 花や野菜のお世話 子ども3名以上保育士1名以上 園庭 季節や園庭の様子
平成30年前期 お誕生会 子ども2名以上保育士1名以上 保育室 お祝いの様子
平成30年

沖縄県再試験

影踏み鬼 子ども3名以上保育士1名以上 園庭
平成30年後期 折り紙 子ども3名以上保育士1名以上 保育所のホール 紙飛行機を折る、飛ばす
平成29年前期 給食の時間 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 「給食の準備」「食事中」「片付け」から選択
平成29年後期 落ち葉遊び 子ども2名以上保育士1名以上 園庭か保育室
平成28年前期 水たまり遊び 子ども3名以上保育士1名以上 園庭
平成28年後期 おゆうぎ会 子ども3名以上保育士1名以上 保育室 3人の子どもが輪になっている様子

当日発表の詳しい条件

令和5年後期試験では以下のような出題でした。

<当日提示>前期試験
【事例】を読み、次の3つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。
【事例】
N保育所の2歳児クラスの子どもたちが、保育室の床の上に広げられた模造紙に、クレヨンで自由に線を描いたり色を塗ったりしています。
保育士は、そばで子どもたちのつぶやきを聴きながら見守っています。

<条件>
1.【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと。
2.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
3.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

条件を満たすのが必須

条件としては、主に「テーマ」「背景」「人物」「彩色」の4つが挙げられます。
過去の出題内容を見ながら、傾向を確認しましょう。

テーマ

保育園での生活は、非常に多岐にわたります。
朝から夕方、あるいは夜まで保育は行われますし、季節ごとの行事もたくさんありますね。

「どんな様子を書いているのか」「何をしているのか」
絵画を見た人が、すぐにわかるような作品に仕上げましょう。

小物や人物の服装にも工夫ができるといいですね。

背景

テーマに応じて、保育室内、園庭、そして園の外も出題されています。

「保育室内しか描けない」となってしまうと、その年のテーマに対応できない可能性が高くなります。
保育園外の場面も、必ず練習しておきましょう。

背景はテーマを伝えるための重要なポイントになります。
別に「水たまりを表現すること」など、条件が加えられることがありますので、
問題文をよく読んで、条件を満たす絵画作品にしましょう。

人物

人物は絵の「メイン」です。子どもと保育士の関わり方に注意しながら構図を考えましょう。
保育士はその活動の中でどんな役割をするのか・・・そう考えると、「棒立ち」ではいけない、ということはピンとくるかと思います。
目線、ポーズ、子どもとのやり取りなど、テーマにふさわしい関わり方ができているか、ということがポイントになるでしょう。

毎年とてもたくさんいただくご質問に「制限時間と子どもの人数」があります。
制限時間があるため、始めのうちは、子ども1名と保育士1名を描くのが精一杯かもしれません。
しかし、過去の試験では「子ども4名以上、保育士1名以上」が指定されたことがあります。頻度からいえば「子ども3名以上、保育士1名以上」になる可能性が高いのですが、もしかするとあなたが受験する年に「合計5名」が指定されるかもしれません。少しずつ慣れて、時間内に最低4名を描けるようにしましょう。急げば5人描ける、くらいのレベルまでもっていけると安心です。

なお、「後ろ向き」「足元だけ」など描いた場合には、1人にカウントされない可能性があります。
全身が枠外に収まるように配置するのがよいでしょう。

指定人数を大きく上回る必要はありませんので、制限人数を満たすことを目指しましょう。
また、子どもと保育士以外にも、お年寄りや動物なども一度描いておくと安心ですね。

彩色

絵画作品は色を塗って仕上げますが、色えんぴつで色をつけることが毎年共通です。
色えんぴつによっては、描き易さにかなり違いがありますから、できるだけ描き心地がよく、発色がよいものを選びましょう。
選び方によって、制作時間が大きく短縮できる場合もありますよ。

受講生の皆様には、受講生専用ページにて色鉛筆の選び方動画を公開していますので是非ご覧ください!

なお、水彩色鉛筆の使用は認められていますが、水を塗布することは試験ではNGです。
そのほか、クレヨンやマーカーなども使ってはいけません。

「造形分野」試験問題の分析:まとめ

いかがでしたか?
どんな出題がされているのか、ご理解いただけたと思います。あとは練習をするだけですね。
こうした過去問題の分析や、試験の意図を検討するようなことは、なかなか自分だけでは対応が難しいかと思います。

四谷学院通信講座は「実技試験対策」に力を入れています。
動画での描き方の説明、合格者の作品紹介など、ご自宅で実技試験対策ができます。質問はいつでも送っていただけますので、気になることは遠慮なくお問い合わせくださいね。