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民法のマイナー分野を攻略しよう~占有の承継があった場合の取得時効

  公開日:2019/08/29

※この記事は約4分で読めます。

こんにちは、四谷学院宅建講座の甲斐です。
いよいよ本番の試験に向けて、学習に力が入ってくる頃であろうと思います。

今回は、2019年度の宅建試験に出題される可能性のある「マイナー分野」のうち、占有の承継と取得時効について解説します。

こちらの記事も参考にしてくださいね。

宅建合格の鍵?2019年度試験注目のマイナー分野

所有権の取得時効を確認しよう

取得時効とは、一定の期間が経過することで、所有権などの権利を取得する制度のことです。
取得時効については、以下の2つのパターンによる所有権の取得時効が頻出です。

(1) 20年間継続して、所有の意思をもって、平穏かつ公然と不動産を占有した者は、その所有権を取得する。
・・・長期取得時効

(2) 10年間継続して、所有の意思をもって、平穏かつ公然と不動産を占有した者は、その占有開始時に善意かつ無過失であったときは、その所有権を取得する。
・・・短期取得時効

(1)(2)両者の違いは、占有開始時に善意かつ無過失であった場合が、占有開始時に悪意または有過失であった場合よりも、短くなる点です。

占有の承継とはどのような問題なのか

所有権の取得時効に関する応用的事項として、占有の承継という問題があります。
占有の承継とは、所有の意思をもって不動産の占有を開始した者が、取得時効の完成前に、その不動産の占有を他人に譲り渡した(承継した)場合、取得時効がいつ成立するのか、という問題です。

このとき、占有を承継した他人は、①前の占有者の占有をあわせて主張することもできるし、②自分の占有だけを主張することもできます。
ただし、①を選択した場合は、前の占有者の善意・悪意や過失の有無もあわせて引き継ぐことになっています。

以上を前提に、悪意または有過失の占有者から占有を承継した場合と、善意かつ無過失の占有者から占有を承継した場合に分けて、検討してみましょう。

悪意または有過失の占有者から占有を承継した場合

Aは、所有の意思をもって、悪意により甲土地の占有を開始し、平穏かつ公然に8年間継続して占有しました。
その後、BがAから甲土地を譲り受けて、所有の意思をもって、善意かつ無過失により甲土地の占有を開始し、平穏かつ公然に占有を継続しています。

①の方法、つまり、前の占有者の占有をあわせて主張する方法をとると、BはAの悪意を引き継ぐため、あと12 年間占有を継続すれば甲土地を時効取得します。

②の方法、つまり、自分の占有だけを主張する方法をとると、BはAの悪意を引き継がないとともに善意かつ無過失なので、あと10 年間占有を継続すれば甲土地を時効取得します。
したがって、このケースでは、Bは②自分の占有だけを主張する方法を選択するのが有利です。

善意かつ無過失の占有者から占有を承継した場合

Aは、所有の意思をもって、善意かつ無過失により甲土地の占有を開始し、平穏かつ公然に8年間継続して占有しました。
その後、BがAから甲土地を譲り受けて、所有の意思をもって、悪意により甲土地の占有を開始し、平穏かつ公然に占有を継続しています。

①の方法、つまり、前の占有者の占有をあわせて主張する方法をとると、BはAの善意かつ無過失を引き継ぐため、あと2 年間占有を継続すれば甲土地を時効取得します。
これに対して、②の方法、つまり、自分の占有だけを主張する方法をとると、BはAの善意かつ無過失を引き継がない、かつ悪意によるので、あと20 年間占有を継続すれば甲土地を時効取得します。
したがって、このケースでは、Bは①前の占有者の占有をあわせて主張する方法を選択するのが圧倒的に有利です。

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