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債権法改正のポイント〔第10回〕~相殺の改正を押さえよう~

  公開日:2020/06/15

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは。四谷学院宅建講座の甲斐です。
債権法改正のポイントの第10回は「相殺」を扱います。

不法行為債権を受働債権(自分が相手方に対して負担している債務)とする相殺禁止に関する改正が特に重要です。

不法行為債権を受働債権とする相殺禁止の内容が細かくなりました

債権法改正で、不法行為債権を受働債権とする相殺禁止について、以下のように民法509条の内容が細かくなりました。

①の場合は、生命身体の侵害以外の悪意による不法行為に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺を禁止するものです。

たとえば、悪意による物損事故を起こした加害者による相殺が禁止されます。
しかし、同じ物損事故であっても悪意によらない加害者による相殺は禁止されません。

これに対し、②の場合は、生命身体の侵害による損害賠償請求権を受働債権とする相殺を禁止するものです。

①の場合と異なるのは、
・生命身体の侵害による場合に限定される
・悪意による場合に限定されない
・不法行為に基づく場合に限定されない(債務不履行に基づく場合も含まれる)
という3点です。

差押えを受けた債権を受働債権とする相殺禁止が条文に追加されました

債権法改正前において、受働債権の差押え後に取得した自働債権(自分が相手方に対して有している債権)による相殺は禁止されていたのに対し、受働債権の差押え前に取得した自働債権による相殺は禁止されないと扱われていました。
債権法改正によって、この取扱いが民法511条1項で明文化されました。

民法511条1項
差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。

たとえば、A(第三債務者)がB(債務者)から借金をしていたところ、C(差押債権者)が、自己のBに対する貸金債権をBが弁済しないため、BのAに対する貸金債権を差し押さえたとします。
この場合、Aとしては、Cの差押えよりも前に、Bに対して売買代金債権を取得していたのであれば、C の差押えがあった後でも、AのBに対する売買代金債権を自働債権とし、BのAに対する貸金債権を受働債権とする相殺ができます。

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