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債権法改正のポイント〔第04回〕~債務不履行の改正を押さえよう~

  公開日:2020/02/04

※この記事は約4分で読めます。

こんにちは。四谷学院宅建講座の甲斐です。
債権法改正のポイントの第4回は「債務不履行」についての改正を見ていきます。
特に債務不履行を理由とする契約解除の要件が変わっていることが重要です。

原始的不能の契約が有効と扱われることになりました

原始的不能とは、契約締結時に、すでに契約に基づく債務を履行することができない状況にある場合のことです。

たとえば、建物の売買契約を締結したけれども、その建物が前日に火災で焼失していた場合です。この場合、契約締結時に、すでに買主が売主に対して、建物の引渡債務を履行することができない状況にありますので、買主の建物引渡債務が原始的不能にあたります。従来は、原始的不能の契約は、当然に無効であると扱われてきました。
しかし、債権法改正によって、原始的不能の契約は、当然に無効ではなく、債務不履行のうち履行不能にあたると扱うことにしました(412条の2第2項)。
つまり、原始的不能の契約も、契約としては有効に存在していることになります。

債務不履行による契約解除の要件として債務者の帰責事由が不要となりました

債務者が債務不履行に陥った場合、債権者は、契約解除および債務者に対する損害賠償請求を行うことができます。従来は、契約解除および損害賠償請求ともに、債務者に帰責事由(責めに帰すべき事由)があること、つまり債務者の帰責事由の存在が要件の一つとなっていました。
しかし、債権法改正によって、契約解除をする場合には、債務者の帰責事由の存在を不要としました。これは、契約解除を契約の拘束力から債権者を解放する手段として考え、債務者の帰責事由は不要にしたといわれています。

債権者としては、債務者が債務不履行に陥った場合、債務者に帰責事由がなくても、契約解除を行うことができます。
その一方で、損害賠償請求は債務者の責任を追及する手段と考えて、従来どおり、債務者の帰責事由の存在を要件の一つとして残しています(415条1項ただし書)。

なお、契約解除をする場合には、債権者に帰責事由が存在しないこと、つまり債権者の帰責事由の不存在が要件として加えられたこともポイントです(543条)。これは、帰責事由のある債権者に対して、契約の拘束力からの一方的な解放を認めるのは妥当でない、という考えからです。

賠償額の予定に関する条文の削除と法定利率の変更も押さえておこう

債権法改正によって、賠償額の予定については、民法420条1項の後半部分が削除されたことを押さえておけばよいでしょう。

民法420条1項
当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。

法定利率については、年5%から年3%へと引き下げられたことがポイントです(404条2項)。

さらに、3年ごとに法定利率を変更させる場合があるものとしました(402条3項)。これを変動制といいます。

なお、法定利率の変動にあたっての基準を押さえておく必要はありません。法定利率の変動は1%単位で行われること(404条4項)を押さえておけばよいでしょう。

民法404条2項
法定利率は、年三パーセントとする。
民法404条3項
前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。

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