保育士試験対策として学ぶSDGsとESD

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こんにちは、四谷学院の野本です。

さて、最近テレビや新聞、本屋やスーパーなどいたるところで「SDGs」という文字を見かけますよね。
保育士試験でも見かけるようになってきましたが、「SDGs」とは何かについて「ESD」との違いという視点で、保育士試験対策と絡めて説明させていただきます。

SDGsとは?

SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読みます。
これは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとったもので
日本語では「持続可能な開発目標」と訳します。

なぜ「持続可能な開発目標」という考え方が必要なのか

そもそも、どうして持続可能な開発目標が必要なのでしょう。
どれだけ人類が開発を進めても地球に資源は無限にあり、環境に影響を与えないのであれば何も気にせず開発ができます。
しかし、そういうわけではありません。資源は有限ですし、これまでの開発によって地球温暖化が進み、開発されている地域とそうでない地域での格差も生じています。
限りある資源を利用しながらもよりよい世界をしていくためには、「持続可能な開発目標」という考え方が必要ということです。

キーワードは地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」

このSDGsは、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」がキーワードです。
持続可能な開発ができて、発展したとして、貧富の差ができたり、その発展の利益を受けられない人がいては意味がありません。そのための「誰一人取り残さない(leave no one behind)」なのですね。

・17ゴール・169ターゲット

「持続可能な開発」を「誰一人取り残さない」でするために、SDGsは17のゴール(目標)・169のターゲットから構成されています。


このロゴを一度は目にしたことがある方も多いでしょう。
17の目標を見ていただくと気候変動や、海洋資源、陸上資源という環境的なもの以外にも、ジェンダーや不平等についての目標もあります。誰一人取り残さないがキーワードであることを感じられますね。

「教育」の目標は4番目

そして、このSDGsの中でも「教育」の目標が4番目にあります。
「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」
とされています。ちょっと保育士試験対策らしくなってきましたね。
「教育」において日本では「平和と成長のための学びの戦略」を発表しました。
この戦略では基本原則として
①包摂的かつ公正な質の高い学びに向けた教育協力
②産業・科学技術人材育成と社会経済開発の基盤づくりのための教育協力
③国際的・地域的な教育協力ネットワークの構築と拡大
が挙げられており、学び合いを通じた質の高い教育の実現を目指しています。

SDGsとESD


さて、もう一つ。保育士試験対策として見かけるワードとして
「ESD(Education for Sustainable Development)持続可能な開発のための教育」があります。
これはどういったものでしょうか?

ESDは日本が提唱した考え方

ESDは、2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で日本が提唱した考え方でSDGsの採択よりも前に掲げられていました。

「持続可能な開発のための教育」とは何?なぜ必要なのか

一言でいうと持続可能な社会の創り手を育む教育を行います。
みんなが「誰かがやってくれればいいでしょ!」という考え方で生活していると、資源は枯れてしまいますね。ですので一人ひとりが「今後の地球のことを考えて、むやみやたらに開発して資源を使い尽くすのではなくて、次世代のことをもっと考えて開発していきましょう」と考えることが必要なわけですが、こういう考え方というのは自然にできるようになるものではありません。
そのため、教育によって少しずつ伝えていく必要があるのです。

文部科学省のESDに関するページがわかりやすいので良ければこちらも参考にしてみてください。


▼文部科学省
持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)
http://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm
▼ESDを分かりやすく説明するストーリーブックをダウンロード
https://www.mext.go.jp/esd-jpnatcom/pdf/ESDQUESTstorybook.pdf


ESDとSDGsの関係は?

お伝えした通り、ESDはSDGsの採択よりも前に掲げられていました。ではSDGsが掲げられてすたれてしまった考えであるかというとそうではなくESDは、SDGsの17の目標・169ターゲットのうち、目標4「教育」のターゲット4.7に位置付けられました。

4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

まとめ


SDGsとESDについてお伝えしました。
考え方の根底にある
・より良い世界を目指していきたいけれど地球は無限に開発できるわけではないこと
・そういった考え方は勝手に身につくものではないこと
をしっかりと押さえておきましょう。
学習を機に自分たちの生活内容を振り返ってみてもよいですね。

おまけ:四谷学院の取り組み

SDGsの「教育」の目標の中に、すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育というのがありましたが
四谷学院では、お子様向けの療育プログラムである55レッスン、指導者向けの発達障害児支援士資格認定講座などを通して発達障がいのある子どもたちへの学習支援や発達支援を行っています。
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/blogs/sdgs55lessonlst/

まずは保育士資格取得を目標に!だと思うのですが、資格取得後、こういった発達支援の分野に目を向けていただけると私たちとしてもうれしいです。