こんにちは、四谷学院の石田です。
令和2年後期保育士試験が無事に終わりました。ご受験された方、コロナ禍にあり、通常試験以上にピリピリした雰囲気だったと思います。
しかも今年は、実技試験は1分野のみ!!!造形にかける思いもひとしおだったのではないでしょうか?
本当にお疲れ様でした。
この記事では、実技試験のうち、唯一、事前に課題が公表されず、当日いきなりに発表される「造形分野」の課題について解説します。
保育士試験の実技分野の選択で「造形」を検討されている方は、選択するかどうかあるいは練習の進め方などの参考にしていただけると嬉しいです。
目次
当日出題された造形表現の問題文は以下のとおりです。
【事例】
H保育所の5歳児クラスの子どもたちは、保育士の読む紙芝居を見ようと集まってきました。保育士からの声かけに、子どもたちはどんなお話が始まるかワクワクしています。
【条件】
1.紙芝居を見ようと集まっている子どもの様子を描くこと。
2.保育室の様子がわかるように描くこと。
3.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。
今回は紙芝居を見る様子がテーマでした。
「紙芝居を見ているところ」ではなく、「紙芝居を見ようと集まっている子ども」の様子というところがポイントです。
事例には「保育士からの声かけ」「子どもたちはどんなお話が始まるかワクワクしています」という文章があるので、まだ紙芝居は始まっていません。
子どもの年齢は5歳
今回は「5歳児クラス」という指定がされました。
例年の様子を考えると、「赤ちゃん」「幼児」「小学生」くらいの区分ができていれば問題ないと思われます。子どもの年齢の描き分けは、それほど厳密ではなく、例年通りと考えてよいでしょう。
5歳となると、話のストーリーもよく理解できるようになってきますから、「紙芝居」に対するモチベーションもかなり高くなります。
紙芝居を見る・・・準備をする様子上でも述べた通り、事例には「保育士からの声かけ」「子どもたちはどんなお話が始まるかワクワクしています」という文章があります。
さらに条件には、「紙芝居を見ようと集まっている子ども」の様子とあります。
今回は、「紙芝居を見ているところ」ではなく、その前の準備段階を描くことが求められています。
しっかり読み取れたでしょうか?
実は過去にも、「劇発表」の準備や練習でのやりとり」(平成23年)、「お昼寝の準備」(平成24年)が出題されました。
かなり前の出題ですから、「あ、前にもあったね」と思われた方は少なかったと思います。私達にしてみれば、今回久々の「準備シリーズ」の出題でした。
ここで問題になってくるのは、
「紙芝居を見ているところを描いてしまった!!」
「え?紙芝居が始まる前?そんなこと書いてあったっけ?」
というケースです。
実は「劇発表の準備」「お昼寝の準備」の造形試験でも同じようなうっかりさんの受験生がいらっしゃいました。
「劇発表の様子を描いてしまった」
「目をつぶって寝ている子どもを描いてしまった」
などなど。
もう、これは不合格だ…とがっかりしてご報告をくださったのですが、
結論から言えば・・・
それでも合格しました。
もちろん試験に「絶対」はありません。
しかし、ほかの条件はしっかり満たしていて、時間内に描き終わったし、ちゃんと色も塗れた、ということであれば、それほど心配しなくていいでしょう。
今回は、具体的に保育士の活動も指定されていました。「保育士からの声かけに、子どもたちはどんなお話が始まるかワクワクしています。」この前半の部分ですね。
例えば、口開けて何か言っている、手をあげて注意を集めている、など、子どもとのかかわり方が分かるように描けるとよいでしょう。
毎回「何らかの形で子どもにかかわっている様子」を描くことが試験では求められますが、今回はより具体的な行動を描くように指定がありました。
とはいえ、子どもたちから少し離れて立っている様子であっても、ニコニコしながら眺めているだけでも、なんとなくやりとりが想像できる絵が描けてれば致命的な失敗ではないと思われます。
場所は「保育室内」
「保育室の様子がわかるように描くこと。」
という条件がありました。
事例には、季節の指定はありません。「紙芝居を見ようと集まっている子どもの様子」がテーマです。
以下のようなことが、背景のポイントとなるでしょう。
- 建物の外ではなく、「中」である
- 子どもたちが遊ぶのに適切な場所である
- 保育園らしい装飾やインテリア
- 昼間でも夜でも可
背景にも、保育士としてのちょっとした配慮が表現できていると、高得点が狙えるでしょう。
子どもは3人以上人数指定は、例年通りでした。子ども3名、保育士1名を描けば、条件を満たすことができます。
前回と同様に、わかりやすい条件設定でした。
実技試験結果通知書(合格通知書・一部科目合格通知書)は令和3年1月14日(木)~1月20日(水)の期間に郵送されます。
今回はコロナ禍での保育士試験ということで、「マスクを描くべきか」というご質問もいただきました。
実際の現場ではマスクはもちろん、消毒や換気など、配慮しながらの保育が行われ、子どもたちを守ってくださっています。
終息が見えない中での保育士試験で、出題テーマに関する影響も予想は難しいと言えます。
こうした現代社会の中、人間がコントロールできなものへの畏怖やそうしたものへの理解への重要性の高まりが指摘されています。
そうした意味で、季節や自然を表現する課題が、増えていくと予想されます。
地球の環境問題については、子どものころから高い意識と正しい知識が求められています。
四谷学院では、保育士さん向けの「こども環境管理士資格対策講座」を開講しています。
保育士が身につけるべきスキル・知識の1つとしては「環境」は無視できません。自然の大切さについて正しい知識を身につけ、子どもたちに汚い地球ではなく、きれいな地球を残してあげたいと思います。
ぜひこの機会に「こども環境管理士」についても知っていただきたいと思います。
詳しくはホームページをチェックしてみてくださいね。
四谷学院では、保育士試験の「実技試験」にも力を入れています。
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このブログは、四谷学院の保育士講座スタッフが書いています。
四谷学院は通信講座ですが、あなた専門のサポートスタッフ『担任の先生』がつくようになっています。それが、私たちです。保育士試験についての専門知識はもちろん、どうしたら迷いなく勉強できるか日々考えているプロフェッショナル集団です。