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平成30年度宅建試験で出題される法改正 ~ 建物状況調査(インスペクション)

  公開日:2018/05/31
最終更新日:2020/07/13

※この記事は約5分で読めます。

こんにちは、四谷学院通信講座の甲斐です。
本年度(平成30年度)の宅建試験は「平成30年(2018年)4月1日」の時点で施行されている法令が出題されます。
そこで、この日までに施行された法改正のうち、宅建試験対策として押さえておくべき事項を見ていきます。
今回は、宅建業法改正である「建物状況調査(インスペクション)」についてです。

建物状況調査(インスペクション)とは何か

建物状況調査(インスペクション)とは、既存建物(中古建物)の状況の調査のことで、国土交通大臣の講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施するものをいいます。
具体的には、以下の2つの部分について調査します。

(1) 既存建物の構造耐力上主要な部分(建物の自重・積載荷重、積雪・風圧・土圧・水圧、地震その他の振動・衝撃を支えるもの → 基礎、壁、柱、筋かい、土台など)
(2) 既存建物の雨水の浸入を防止する部分(建物の屋根・外壁、開口部の戸、排水管など)

既存建物(中古建物)の取引(売買・交換・貸借)に際して、建物状況調査を実施する義務はありせん(任意)。
宅建業者に対して義務付けているのは、建物状況調査に関する記載や説明であるというのがポイントです。

また、建物状況調査に関する記載や説明の対象となる「既存建物」は、現段階では「宅建業法施行規則」の定めによって、人の居住の用に供する既存建物、つまり既存住宅(中古住宅)に限定しています
したがって、人の居住の用に供する中古の家屋、アパート、マンションなどは、建物状況調査に関する記載や説明の対象に含まれますが、事務所・店舗は対象外です。
(今後の宅建業法施行規則の改正で、事務所・店舗も対象に含まれる余地は残されています。)

建物状況調査については3つの場面がある

宅建業法は、既存建物(既存住宅)の取引に関する「媒介契約書」「重要事項説明」「37条書面」という3つの場面で、宅建業者に対して、建物状況調査に関する記載や説明を義務付けています

上記のとおり、建物状況調査に関する記載や説明の対象は既存住宅に限定されています。
つまり、宅建業法が定める建物状況調査に関する記載や説明の義務は、既存住宅の取引においてのみ生じます
したがって、中古の事務所・店舗の取引では、建物状況調査に関する記載や説明の義務が課されていません。

3つの場面を具体的に見ていこう

それでは、宅建業法が定めている3つの場面を確認しておきましょう。

受講生の方には、法改正に関する詳細な情報をインターネット「受講生専用ページ」にてお伝えしています。
本日の学習前にぜひチェックしておきましょう。
四谷学院宅建講座 受講生専用ページ 

媒介契約書への記載

既存建物(既存住宅)の売買・交換の媒介契約を締結した場合に、依頼者に交付する媒介契約書に「媒介契約の締結時に建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を記載することが義務付けられました。
なお、宅建業法上の媒介契約書について、貸借の媒介の場合はその作成が義務付けられていないというのは頻出事項ですね。

重要事項説明と35条書面への記載

既存建物(既存住宅)の取引について、下記の(1)(2)の事項が、重要事項説明の対象に含まれました。
これに対応して、(1)(2)の事項を35条書面(重要事項説明書)に記載することも義務付けられました。

(1) 建物状況調査の実施の有無および実施している場合の結果の概要
建物状況調査(実施後1年を経過していないものに限る)を実施しているか否かが重要事項説明の対象に追加されました。
さらに、過去1年以内に建物状況調査を実施していれば、その結果の概要(調査対象部位ごとの劣化事象等の有無など)も重要事項説明の対象に含まれます。

(2) 設計図書等の保存状況
設計図書等(建物の建築や維持保全の状況に関する書類)の保存状況として、設計図書等の保存の有無や保存されている場合の保存先などが重要事項説明の対象に追加されました。
なお、(2)の事項については、貸借の場合は重要事項説明の対象外となります。35条書面への記載も不要です。

37条書面への記載

既存建物(既存住宅)の取引について、37条書面に「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」を記載することが義務付けられました。
建物状況調査の結果の概要を重要事項として説明した場合は、結果の概要を37 条書面に記載して、確認した事項を「有」とします。
一方、建物状況調査の結果の概要を重要事項として説明しなかった場合は、確認した事項を「無」として記載します。
なお、「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」については、貸借の場合は37条書面への記載が不要です

建物状況調査(インスペクション)についてのまとめ

建物状況調査(インスペクション)に関する記載や説明は、貸借の場合に義務付けられない場面が出てくるのがポイントです。
建物状況調査が導入された平成30年度以降、宅建試験では頻出ですから、しっかりと整理しておきましょう。

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