保育士資格試験対策「社会福祉」は難しい?合否を分けるモッタイナイ失敗を回避するために

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こんにちは。四谷学院の石田です。

本日は受験経験がある方、もしくはある程度学習をされた方向けの「社会福祉」のお話です。

「社会福祉」は難しくなった?

「社会福祉にどうしても合格できなくて、四谷学院に頼ろうかと思っています」

そんなご相談を受けることが増えてきました。

四谷学院は15年以上にわたって保育士試験講座を運営してきていますが、ここ数年、特に増えてきた気がします。

これは「社会福祉」の試験が難しくなったということなのでしょうか?

確かに、以前より事例問題が出にくくなって、社会福祉というより一般的な理念問題で、福祉制度を知らなくてもなんとなく解ける問題が出にくくなっている印象です。

でも、合格できない試験になったわけではないのです。

では何ができれば合格できるのでしょうか。

ここが合否を分ける?モッタイナイ失敗とは


「合格できない!」という人も、全然点数が取れないとは限りません。
50点とか、55点とか、非常に惜しい点数で落としているという相談がとても多いです。

難しいから合格できなくなったというより、合否を分ける問題で「モッタイナイ失敗」をしているのかもしれません。

では、モッタイナイ失敗とはどういうものでしょうか。
実際に例を見てみましょう。

次の問題に〇か×で答えてください。

「養護教諭は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。」

答えはどちらだと思いますか?



正解は×です。
この結論を出すのにどのように考えましたか?
「いやいや、養護教諭(保健室の先生)は関係ないから×じゃない?」
と思えたなら、ばっちりです。
「学校給食法」という法律に細かいこと(国や地方公共団体に推進の努力義務がある)が定められているのですが、これらを正確に知らなくても○×の判断はできます。

実は、「社会福祉」でも、同じような判断をさせる問題がよくあります。

ただし、表現が難しいのです。

福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)の実施主体は、地域包括支援センター及び福祉事務所と規定されている。

○か×どちらでしょうか?

急に難しくなりましたよね。
これを「保健室の先生は給食にあまり関係しないはず」と同じ感覚で捉えるには、「福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)」、「地域包括支援センター」、「福祉事務所」といった専門用語が“どういうものなのか”イメージできる必要があります。

ここがミソです。

勉強で大事なのは、
どういうイメージのものなのかであって、
事業名や施設名を暗記することではありません。

また、
だいたいのイメージでいいのであって、
一言一句正確に覚えることではありません。

学校給食の問題も、難しいことを聞いているわけではないのですが、
「養護教諭」という正式名称を暗記していても、
保健室の先生のイメージがなかったら判断できないかもしれませんよね。

それと同じで、社会福祉に出てくる事業名や機関名も、
せっかく覚えてもイメージができないと
「そんなに難しい問題じゃないはずなのに、間違える」

これがモッタイナイ失敗です。

ちなみにこの問題の正解は×です。
福祉サービス利用援助事業の実施主体は(都道府県)社会福祉協議会です。
少し詳しく解説していきますね。

福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)


「福祉サービス利用援助事業」とは認知症高齢者や、知的障がい者、精神障がい者など、判断能力が十分でない人を対象として、その意思決定を支える制度です。
平たく言うと、「日常的にお金の管理ができるか心配」という人に、買い物やATM、役所などに付き添ってくれるようなサービスです。

社会福祉協議会


社会福祉協議会というのは、すごく昔からある民間組織で、ボランティアの育成や、上記の付き添いのような福祉サービスを実際に担う役割をしています。とても規模の大きな組織で、住民に身近な市町村社会福祉協議会、そして都道府県レベルで支援する都道府県社会福祉協議会、さらに中央組織である全国社会福祉協議会があります。
今回の「福祉サービス利用援助事業」は実際の付き添いとなる人を選ぶことも含まれるので、相談の窓口は身近な“市町村”の社会福祉協議会でやっているのですが、お金の管理のような重要なこともあるので、“都道府県”の社会福祉協議会が実施主体となっています。

地域包括支援センター


これに対して、「地域包括支援センター」は、もともと主に高齢者介護について、「介護が必要になったら施設に入らないといけないかな?住みなれたこの場所で介護を受けながら生活できるんだろうか」といった不安にこたえられるよう、介護予防から実際に介護が必要になった時のあれこれまで相談するためにできた窓口です。市役所や老人ホーム、前述の社会福祉協議会などがセンターとして相談に応じています。

福祉事務所


「福祉事務所」は、実際に施設の利用や生活保護などが必要になった時に、その申し込みなどの事務を請け負ってくれるところです。多くの場合、役所の窓口がその役割を担って対応しています。

こうした「福祉サービス利用援助事業」「社会福祉協議会」「地域包括支援センター」「福祉事務所」が何をやっているところなのか、全くイメージできないまま覚えるというのは、似ているものが出てきたときに混乱しますし、そもそも覚えきれないことも多いでしょう。
でも、今回の問題であれば、「福祉サービス利用援助事業」にお年寄りなどの買い物に付き添うといったサービスイメージが伴っていれば、介護相談や入所などの手続きの窓口である「地域包括支援センター」や「福祉事務所」が主体というのは違和感が持てるようになるのです。

冒頭で触れたように、
事例問題や全然勉強していなくても感覚で解ける問題が出にくくなったことで、
こうしたモッタイナイ失敗をし、
非常に惜しい不合格に終わってしまう人が増えてしまったのかもしれない、
と四谷学院では感じています。

どうやったら問題が解ける?

事業や機関のイメージを膨らませる

イメージできないのはモッタイナイ、とは言いましたが、
幅広い分野の事業名や機関名がたくさん出てくるのが「社会福祉」。
そのため、イメージしようと思ってもよくわからないことが多いのです。

たとえば

社会福祉協議会
社会福祉法人
福祉事務所

いずれもよく出てくる機関ですが、違いはわかりますか?

「頑張っているのに社会福祉に不合格」で四谷学院を受講したという方と質問のやり取りをすると、
「確かに聞いたことがあるけど、違いはわからないです
という反応をされる方がしばしばいます。
中には「社会福祉協議会と社会福祉法人は同じものだと思ってました…!」とズバリおっしゃる方もいます。

一方、合格される方からは「社会福祉の勉強を通じて、今まで意識してなかった社会のことがよくわかるようになった気がします」といった声がしばしば聞かれます。

「社会福祉法人か~。うちの子が通ってた保育園は、社会福祉法人がやってたわ」とか
「社会福祉協議会ってよく知らなかったんけど、勉強した後、市の広報見てたら載ってて、意外と近所にあってびっくりした。ボランティアの育成とかしてた!」
といった感じで、身の回りの制度や場所のイメージと結びつけているんですね。

四谷学院の教材は試験問題では難しい聞かれ方をしても対応できるよう、
試験に出るような表記や問われ方をしています。
これでだいぶ合格点は突破しやすくなるのですが、それでも足りないならイメージの補強が必要です。

合格する方の感触に近づくために、
演習トレーニングには【学習のコツ】として、アドバイスを盛り込んでいます。
受講されている方にはぜひご活用いただきたいポイントです。

わからないところを具体的に質問する

あとは、演習トレーニングでわからなかったところを
「解説にこう書いてあるのを、自分はこう理解していて、そうしたら***という疑問がわきました」といったように具体的に質問していただくのもとっても有効です。

その分野に精通した担任がチームになって支えますので、ぜひ質問制度は活用してくださいね。

結果、独学で苦労されて残り数科目で合格された方からも
「演習トレーニングが本当に良かった!」
「先生のおかげで合格しました」
「こんなにスムーズに合格できるなら最初から四谷学院で勉強すればよかったです」
という嬉しいお声を毎年のようにいただけています。

とてもうれしいことです。
特に「社会福祉」に合格できるということは、それだけ広い視点で社会の福祉サービスを理解したということです。
保育士試験で学ぶ内容が実生活でも役に立つことを「社会福祉」では特に実感できます。
社会福祉に苦しんでいる方は、ぜひ「四谷学院」の講座で上記の機能をフル活用して、資格はもちろん、役に立つ知識を手に入れていただきたいと願っています!

法改正対応も安心!四谷学院保育士試験対策講座