保育士試験対策やりがちな失敗を防ぐ10のチェックリスト

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こんにちは。四谷学院の野本です。
本日は、自宅での保育士試験対策においてやりがちない失敗を防ぐために「10のチェックリスト」を公開します。
独学なのか、通学なのか、通信講座なのか……どうやって勉強するか悩んでいる方はぜひこのチェックリストに従って「こういう勉強法」になってしまわないか?のチェックをしましょう。

保育士試験やりがち失敗10のチェックリスト

というわけでチェックリストはこちら。

  • 「年だから」「勉強が苦手だったから」保育士試験なんて無理かもしれない、という不安がある
  • ゆとりをもって、1年以上先の試験を目指す
  • 毎日2時間、机に向かって勉強しようとする
  • 過去問から手をつける
  • テキストの赤文字だけ覚える
  • キレイなノートや暗記カードを作ろうとする
  • 練習問題を解きっぱなし(問題を解く時間が、解説を読む時間や復習時間より長い)
  • 答えを覚えたら意味がないと思って次々新しい問題集に手を出す
  • 難しい問題を「暗記」で克服しようとする
  • わかるまでトコトン突き詰めようとする

これら10項目にあてはまってしまっている人は、一度勉強方法を見直してみてください。
とはいえ・・・

え、なんでこれがダメなの?
という項目がきっと含まれているはず。実際「ほかの試験勉強ならそれで問題なし!」というような学習法もあります。
では、何で保育士試験対策において私たちがこれを「失敗」としたのか、項目ごとに説明します。

チェックリストの10項目はなぜ失敗なのか

「年だから」「勉強が苦手だったから」保育士試験なんて無理かもしれない、という不安がある

試験本番で一番大事なのは何か? と聞かれたら私は「自信」と答えます。
どんなに勉強して知識をつけていても、試験本番の緊張と雰囲気に負けて「自分は合格できないかもしれない」と不安になってしまうと、実力が発揮できず「後から考えたらわかったのに、二択で悩んで別の答えを選んでしまった……」というようなことが起こりえます。実際によく聞くお声でもあります。
100%やり切った!という気持ちで試験に臨めたら最高ですよね。でも、できる人は少ないと思います。100%なんて言い切れなくてかまいません。「6割なら取れるくらいは頑張った!」とそれまでの取り組みを「自信」にして試験に臨めたらバッチリです。そのためには普段の学習で「手ごたえを得る」経験を積み重ねておくことが重要です。「知識が曖昧なまま難しい問題をたくさんやる」「とりあえず書いてあることを覚える」勉強だと、つまらなくて頭に残らず焦るばかりです。これでは「基礎を積み重ねられている!」という実感を得られず、「自信」はつきません。
難しい問題や手あたり次第にいろんな難易度の問題を解くのではなく「基礎から」。そして一気にたくさんではなく「コツコツスモールステップで」。そんな風に学習を進められる教材なら、「ここはわかった!」という手ごたえが得られ、自信に繋がっていくでしょう。

ゆとりをもって、1年以上先の試験を目指す

「1年以上先の試験じゃないと、受験は厳しいかな。」そんなご相談をよくいただきます。
もちろん、忙しさやスケジュールの関係でどうしても!という場合に計画的に早めに学習を始めるのは問題ありません。
ただ「なんとなく自分にはそれくらいかかりそうだから、ゆっくり勉強していこうかな」という気持ちで1年以上先を考えておられるのであれば、絶対に短期合格を目指した方が良いです。
理由としては以下2点です。

・科目数が多いので時間をかければかけるほど最初にやった内容を忘れる
・年1行われる法改正への対策の必要性が高まる

保育士試験は8科目(教育原理・社会的養護をそれぞれ1科目カウントすると9科目)ある上に、範囲も広いので時間をかけて……と思いがちですが、かければかけるほど復習にかかる時間が増えますし、何より科目間重複もあるので「社会的養護」でやった内容が「子ども家庭福祉」でも出てくるというようなことがあります。
また、保育士試験対策上避けては通れない法改正対策も、受験が先になればなるほど確認事項が通常増えていきます。
四谷学院の標準学習期間は8か月ですが実際一発合格される方は4~6か月くらいがボリュームゾーンな印象です。
効率よく勉強して短期合格をぜひ目指しましょう!

四谷学院保育士試験対策講座

毎日2時間、机に向かって勉強しようとする

これはですね、失敗リストに入れましたができるなら勉強方法として悪いわけではありません。
ただできるならというのがミソなんです。
というのも、大人の勉強は多くの場合勉強だけしていればいいわけではありません。仕事だったり家事だったり育児だったりとやることがたくさん。
そんな中で「毎日2時間机に向かわなきゃ」と思うだけで腰が重くて結局勉強しないままだらだらしてしまって、やる気を失うというのがありがちパターンなのです。
そのため、忙しい社会人の勉強方法の成功パターンは隙間時間活用。これにつきます。
例えば通勤電車の中、病院の待合室、子どもを寝かしつけたベッドの中……などが四谷学院の受講生の方が勉強していた時間です。
ちりも積もれば山となる、で隙間時間15分であってもそれを1日3回取れれば45分勉強時間を確保できるわけです。
ただ、教材にも、隙間時間の勉強に向いてるものとそうでないものがありますから教材選びの時はそのあたりも気にしましょう。1回の範囲がなるべく細かく分かれていたり、スマートフォンだったりで勉強できると忙しい社会人の隙間時間活用に向くでしょう。

過去問から手をつける


「試験対策は、過去問対策が命!」というのはいろいろな試験で聞くことがあるかもしれませんね。
もちろん、このやり方で合格できる人もいることはいます。
ところが、できない人も結構いるのです。
なぜか。
まず、手始めに過去問題を解いてみて、生じる感想はだいたいの場合以下です。

とりあえず「できない問題がたくさんある」ことは、わかったぞ(少し自信喪失・・・)。
資料問題が多いと感じたけれど、これって傾向なのかな?うーん。よくわからない。

これらを克服するために、できなかった問題を何度も繰り返すというのがパターンなのですが結果として
・答えを覚えたから、まったく同じ問題が出たら正解できると思うけど・・・
・合格するには、こんなに細かいことを覚えないといけないのかー。心が折れそうだ・・・
となるわけです。
保育士試験は過去問と全く同じ問題が出る可能性がかなり低いですし、
最初から細部にこだわると試験対策が苦痛すぎて続けられません。
というわけで過去問題は試験直前に数回分取り組めばOKです。
そして取り組む際は以下を目的として取り組みましょう。
過去問題を解く目的は2つです。

1.試験の出題形式に慣れる
2.自分の弱点を見つける

詳しくは以下ブログ記事もご確認ください。

直前期に必見!必見!過去問題の正しい使い方
こんにちは、四谷学院の石田です。試験勉強といえば、「過去問題対策」が欠かせませんよね。しかし、残念ながら過去問題を正しく、そして100%活用できている方は、とっても少ないのです。この記事では、過去問題の正しい活用法をご紹介します。過去問題は...

テキストの赤文字だけ覚える

保育士試験は意外となじみのない単語が出てきますし似たような単語が出てきます。
例えば……
こども家庭センター、児童家庭支援センター、児童発達支援センター
それぞれ全部役割や対象が違います。
おそらくどのテキストでも赤字になっていると思うので、多くの人は「とりあえず赤字を英単語を覚えるような感じで、施設名と法令上の定義で暗記」という感じの勉強法になります。
でも、試験では「『児童家庭支援センター』について正しいものを答えなさい」という問題が出てくるわけです。
その時に、暗記した定義にあてはまらない選択肢があったら焦ってしまうんです。
もちろんそれぞれのセンターの役割や定義を押さえておくのは大切ですが、それを文字として暗記するのは絶対ダメ。
実際の利用者や利用シーンをイメージして頭に残しておきましょう。
皆さん、保育所と言われたらなんとなくそこを利用する子どもや保護者のイメージがつく方がほとんどかと思いますが、こども家庭センター、児童家庭支援センター、児童発達支援センターも保育所同様、実際に存在する施設なわけです。
保育士試験で勉強する施設や制度は実運用されている内容がほとんどです。
そこで、実際の自分の住んでる地域の「児童家庭支援センター」ってどこにあるんだろう?と調べてみると、あ、こういうときに利用できるのね、と印象に残ります。そうすると試験で見たことがない選択肢が出てきても「こういうシーンで利用するものだったからたぶんこれは正解だな」というように推測ができるようになります。これができると、暗記をぐっと減らして試験に合格ができます。

キレイなノートや暗記カードを作ろうとする


これも試験勉強あるあるですね。キレイなノートや暗記カード作成についてはこれもきちんと見直しができるなら作成するのも勉強法の一つです。
ただ、だいたいの場合は

・そもそもまとめるのにものすごく時間がかかる
・まとめ終わったら満足して見直さない

というパターンで結局勉強した内容があまり頭に入っていない人が多いです。
上記の理由で四谷学院ではノートに情報をまとめることを推奨していません。
テキストに線を引いたりしるしをつけたりはもちろんするといいと思いますが、それをわざわざ自分でまとめ直すのであれば、その時間を1問でも多く問題演習に使ってほしいです。
四谷学院の場合はテキストの内容をコンパクトにまとめた「どこでもチェックBOOK」という冊子を準備しています。
まとめたい内容はそもそも最初からまとまっているのでここに「これも追加しておきたい!」というようなものがあったら書きこんだり、付箋を貼ったりすることをお勧めしています。
まとめもゼロから自分でやるより人にやってもらったものを活用した方が圧倒的に早いし、試験本番で役に立つまとめになりますです。

練習問題を解きっぱなし(問題を解く時間が、解説を読む時間や復習時間より長い)

最初にお伝えしておくと練習問題を解くのは大事です。保育士試験対策をするなら、過去問題以外の問題集は絶対準備したほうがいいです。
そのくらい問題演習は大切です。ただ、問題解いて成績に一喜一憂して終わりというのは絶対やめてください。
過去問題を解く目的でも書きましたが、問題演習も同じ。演習は自分の弱点を見つけるためにやります。問題を解いて終わり、というのは、せっかく弱点がわかったのにそれを放置するようなものです。もったいない。
しっかりと解説を読んで復習をしましょう。そういう意味で解説が丁寧な問題集があると理想です。四谷学院はとにかく問題演習とその復習を大事にしてほしいので、問題演習ソフト演習トレーニングは問題数にも解説にもかなりこだわっています。

四谷学院保育士試験対策講座

答えを覚えたら意味がないと思って次々新しい問題集に手を出す

これは、気持ちとしてとても良くわかります。復習をしてきちんと勉強すると、ある意味英単語の暗記みたいな感じで「あ、この問題は答えこれだったな」とわかるようになっていきますよね。
そもそもやり直してみると「間違えた問題をまた間違う」というのはありがちです。答えを覚えているというのも、ちゃんと繰り返して勉強したからこそで、勉強方法としてはあってます。
じゃあそこで新しい問題集へと進む前に「なんでその答えになるか自分で説明」してみてください。「えっ、答えはわかるけど、なんでかと言われるとうまく説明できないな……」と戸惑ってしまう問題がたくさんあるはずです。これが見落としがちなポイント。自分で説明できたらその問題は「理解できている」ということです。できなければ、再度解説を読んで自分で説明できるように理解を深めていきましょう。
これをするとそこそこ学習時間がかかるので新しい問題集に手を出す時間は無くなりますが大丈夫です。
問題が理解できていて、解説も自分にできるレベルであれば、かなりその科目の内容を理解できている証拠。このレベルになれば、新しい問題集を解いても学びはほとんど増えないと思います。つまり新しい問題集をやる意味がなくなってしまうのです。
「なんでその答えになるのか」説明ができるレベルになってもさらに時間があるなら、特に苦手な科目のテキストをもう一度重点的に復習したり、法令の復習などに時間を割くと万全でしょう。

難しい問題を「暗記」で克服しようとする

失敗4つ目のテキスト赤字「暗記」と同じですが、問題演習をしている中で難しいものはとりあえず答えを覚えてしまおう!とするのはNGです。
試験によっては過去問を暗記しておけば、だいたい合格できるというようなものもありますが、
保育士試験は過去問題と全く同じような出題がされることというのが稀です。
なので難しい問題を「暗記」しても聞かれ方の角度が違うから答えられない……となってしまうわけです。

ではどうすればいいかというとまず「その難しい問題は解けたほうがいい問題なのか」を考えます。
次の失敗10で説明しますが、解けなくてもいい問題もあります。解けなくていいならそもそも暗記しなくていいです。その暗記するための時間を他に使ってください。
解けたほうがいい問題を「難しい」と感じる場合は、暗記ではなく「なぜその答えになるのか」という考え方の道筋をしっかり確認し、考え方の道筋が理解できるまで解説を読んだり、質問したりして疑問を解消しましょう。

難しい問題は、ようは伸びしろです。復習をしてしっかりと自分のものにしてください。
復習の仕方は以下記事も、ご覧くださいね。

保育士試験合格に近づく一問一答活用法
皆さんこんにちは。四谷学院の石田です。さて保育士試験に限らず、試験勉強というのはインプットだけでなくアウトプットが重要ですね。だからこそ、四谷学院では演習トレーニングという問題演習ソフトを提供しています。受講生ではない方でも、市販の一問一答...

わかるまでトコトン突き詰めようとする


これも、場合によっては必要です。わかるまでトコトン突き詰めたほうがいい場面もあります。
ただ、保育士試験には毎年、私からすれば「それは解けなくてもいいよ」というような「捨て問題」があります。こういう「捨て問題」のために細かいところを躍起になって突き詰めた結果、試験本番で基礎的な問題で取りこぼし、不合格……という悲しいことが起こります。真面目に勉強している人こそ陥りがちな罠です。
失敗3つ目にも書きましたが、社会人の勉強時間は限られています。だからこそ時間の使い方はものすごく大事で「絶対押さえておいた方がいいところ」にきっちり時間を割くことが必要です。
四谷学院でも受講生からの質問を受け付けていますが、試験で出なさそうな内容だと「そこは試験の重要度高くないので追究しなくていいですよ」と回答することが結構あります。
保育士試験は範囲が広いですので、同じ時間を使うなら、それよりももっと勉強してほしいことがたくさんあるからです。
このように「突き詰めない」線引きも大切なのです。

まとめ:失敗しないために

以上10の失敗を紹介しました。
たいへん長くなりましたがここまで読んでくださいましてありがとうございます。
失敗をしないためには自分のことを客観的に見るのが大切です。
是非ご自身の学習状況と照らし合わせてみていただければと思います。
もちろんですが、四谷学院ではこれらの失敗をさせない教材づくりを心がけています。
学習の流れに乗っていけば自然と正しい勉強ができるようになっているイメージです。
短期でスパッと効率よく合格されたい人はぜひご検討くださいね!

四谷学院保育士試験対策講座