令和5年前期保育士実技試験「造形」テーマは「雨の日の外遊び」課題の分析 合格のポイントを解説します!

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令和6年前期保育士実技試験「造形」テーマは「空き箱や廃材を使った遊び」課題の分析 合格のポイントを解説します!
こんにちは、四谷学院の石田です。令和6年前期保育士試験が終わりましたね。受験された皆さん、本当にお疲れ様でした。造形分野の令和6年前期の課題は、「空き箱や廃材を使った遊び」でしたね。保育士試験の実技の中で「造形」だけが、当日でないと具体的な...


こんにちは、四谷学院の石田です。
令和5年前期保育士試験が終わりました。受験された皆さん、本当にお疲れ様でした。

造形分野の令和5年前期の課題は、雨の日の外遊びでしたね。
保育士試験の実技の内「造形」だけは、当日に具体的な課題が発表され、しかも予想するのは難しい!ですから練習をたくさん積んでいたとしても不安要素を完全に払拭することが難しい試験と言えるでしょう。
「音楽」「言語」は、課題があらかじめ発表されているとはいえ、面接官の前で、子どもを想定しつつ制限時間のある中で緊張しながら発表しなければならないので、どの実技試験においてもそれなりエネルギーが必要ですね。

この記事で、今回の「造形」試験を振り返るとともに、これから保育士試験を目指す方の効率的な練習を考える上で、役立てていただければと思っています。
では早速いきましょう!

令和5年前期造形の課題は「雨の日の外遊び」

当日出題された造形表現の問題文は以下のとおりです。

【事例】を読み、次の3つの<条件>をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。

【事例】
S保育所の4歳児クラスの子どもたちは、雨の日の園庭で傘をさしたり、長靴やレインウェアを身に付けたりして遊んでいます。
保育士は、水たまりで遊ぶ子どもや、空き容器に雨水を溜めたり、雨音を聴いたりする子どもをそばで見守りながら遊びに加わっています。

<条件>
1.事例に書かれている保育の様子がわかるように描くこと。
2.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
3.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

課題のポイント

今回は雨の日の外遊びがテーマでした。
子ども同士や保育士とのやり取りなど、ストーリー設定は特にありませんでした。季節の指定はありませんが「雨の日の外遊び」ということは、寒い時期、ドシャ降りの雨の中で外遊びをさせるということは考えにくく、どちらかというと暖かい季節に小雨の中で外遊びをしているといった状況がイメージできるのではないでしょうか。多くの人が様子をイメージしやすいような情景がテーマになっています。

子どもの年齢は4歳

今回は「4歳児クラス」という指定がされました。
描くのが幼児という点では、ほぼ例年通りと考えてよいでしょう。ただ、令和4年の後期試験の3歳児という設定よりは、複雑な活動や共同遊びなど、友達と協力し合うことができるようになりますのでそういったことを表現できるとより良いでしょう。

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雨の日の外遊びの様子

事例をもう一度見てみましょう。
赤字部分に注目してください。

S保育所の4歳児クラスの子どもたちは、雨の日の園庭で傘をさしたり、長靴やレインウェアを身に付けたりして遊んでいます。
保育士は、水たまりで遊ぶ子どもや、空き容器に雨水を溜めたり、雨音を聴いたりする子どもをそばで見守りながら遊びに加わっています。

子どもの服装

最初に注意すべき点は、「雨の日の園庭で傘をさしたり、長靴やレインウェアを身に付けたりして遊んでいます」という部分です。

  • 傘をさしている子ども
  • 長靴を履いている子ども
  • レインウェアを身に付けている子ども

が必ず登場しないといけないということです。
傘、長靴、レインウェアといった雨具が条件で、1人が傘をさして長靴も履いているといったように、2つ以上の条件を兼ね備えた表現の仕方も考えられます。
条件をクリアすることを意識しつつ、雨なので子ども全員に長靴を履かせたとしても、単調さが出ないように傘をさしている子どもにはレインウェアを身に付けさせない、レインウェアを着ている子どもには傘を持たせないなど、変化を付けるということが大切です。

遊びの様子

次に注意すべき点は、「水たまりで遊ぶ子どもや、空き容器に雨水を溜めたり、雨音を聴いたりする子ども」という部分です。
子どもは3名以上描かないといけないことが条件としてあります。

  • 水たまりで遊ぶ子ども
  • 空き容器に雨水を溜める子ども
  • 雨音を聴く子ども

指示通り一人ずつそのまま描くと、人数の条件はクリアすることになります。指示以外に子どもがしゃがんで横を向いていたり、前を向いていたり、立って空を見上げていたりといった、顔や身体の向きに変化を持たせたりすると画面に動きが出てきます。
その他にも

  • 水たまりを長靴で踏んづけてニコニコと笑顔になっている
  • 雨水の溜まった容器(水槽など)を一生懸命持ち上げている
  • 目を閉じて神妙に雨音を聴いている

など表情に変化を付けると、子どもの遊びの場面らしさが増すとともに、単調さもなくなります。その際、傘やレインウェアで顔や表情が隠れてしまうことは望ましいことではありません。

雨が降っている様子

雨の降っている様子をどのように表現したらいいのか迷われた方も多いのではないでしょうか。雨の描き方についてですが、しずくのような形をたくさん描いてしまったのでは、幼児の表現のようになってしまうので、ここは直線で表現した方がいいでしょう。傘やレインウェアが雨で濡れているところも表現できればリアリティも増してきます。

保育士の様子


今回は、保育士の様子については、
保育士は、そばで見守りながら遊びに加わっています
と書かれていました。

例えば、子どもと一緒にスコップで砂を掘っている、水たまりの中に子どもと一緒に長靴で入っている、雨水が溜まった容器を子どもと一緒に持ってあげている、雨音を聴いている子どもの肩にそっと手を置いている‥‥などなど、色々な表現があるでしょう。

保育士を表現する際には「そばで見守る」と書かれていますが、「遊びに加わっています」とも記されてあるので、ニコニコと微笑みながら子どもたちに目線を向けつつ(見守る)、「何らかの形で子どもの遊びにかかわっている様子」を描く(遊びに加わる)ことができると良いでしょう。
今回も、保育士の動きについては比較的自由度の高い指定でした。

子どもは3人以上

[条件]には
子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
とあります。
人数指定は、例年通りでした。子ども3名、保育士1名を描けば、条件を満たすことができます。
前回と同様に、わかりやすい条件設定でした。

場所は「園庭」

「雨の日の園庭」という条件がありました。
事例には、季節の指定はありませんが、雨の日に園庭で外遊びをしているわけですから、当然、傘をさしたり、レインウェアを身に付けていたりしていたとしても濡れてしまうかもしれません。
濡れてしまっても大丈夫ということから考えると、暖かい季節であることが想像できます。とはいえ、服装は、半袖でも長袖でもかまいません。
ただ、必ず1人はレインウェアを着た子どもを描くことが必要になってきます。

以下のようなことが、背景のポイントとなるでしょう。

  • 建物の中ではなく「外」の園庭である
  • 子どもたちが遊ぶのに適切な場所である(砂場、水たまりなど)
  • 保育園の園庭にありそうな遊具
  • 暖かい季節の昼間
  • 雨が降っている
  • 水たまりができている

背景には、鉄棒やブランコなどの遊具、水道の蛇口といった手洗い場、花壇、もしくは園舎の一部などを描くことができれば園庭らしさが増してきますね。

合格通知の日程

実技試験結果通知書(合格通知書・一部科目合格通知書)は令和5年8月4日(金)~8月13日(日)の期間に発表されます。
※オンラインにより受験申請した方については通知書の郵送はされません。マイページで確認する形式です。忘れずマイページで確認をしましょう。

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子どもの遊びが出題されています

今回は雨の日の遊びについて出題されました。
天災も多い日本ですが、だからこそ子どもたちに自然について知ってもらうことはとても大切ですね。
自然について学ぶ大切な機会でもあり、特に5領域の「環境」に関連が深い部分です。

子どもの遊びについては、今後の注目です!!

少しだけ実務的なお話をすると、実際には、雨の日は室内で遊ぶことが多いですよね。
室内遊びといえば「お絵描きや積み木遊び」というのを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実は手押し車や風船バレー等、室内でも身体を動かせる遊びはあります。
そしてこのような運動は実は、発達においてもとても重要な役割を果たします。

四谷学院では、保育士さん向けの発達障害児支援士資格認定講座を開講しています。
この講座は、保育士が身につけるべきスキル・知識の1つとして必須ともいうべき発達支援について学んでいきます。
ぜひこの機会に発達障害児支援士についても知っていただけると嬉しいです。
特に発達障害児支援士資格を取得した方向けの専門支援士では、児童発達支援の知識、子ども・保護者への対応について、「ことば」「運動」を二本柱として、さらなる専門性を深めていくことができます。
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