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債権法改正のポイント〔第03回〕~時効の改正を押さえよう~

  公開日:2020/01/15
最終更新日:2024/03/11

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは。四谷学院宅建講座の甲斐です。

宅建試験の合格を目指して、引き続き学習を頑張っていきましょう!

債権法改正のポイントの第3回は「時効」についての改正を見ていきます。
特に時効の停止・中断の制度が大きく変わっています。

債権の消滅時効に5年・20年の期間が追加

債権の消滅時効期間については、以下の図のとおり「5年」「20年」の消滅時効期間が追加されたことが重要です。

特に「権利を行使できるのを債権者が知った時から5年」(166条1項2号)が追加されたことで、債権の消滅時効期間は、事実上5年になったともいわれています。
 


 

時効の停止・中断が時効の完成猶予・更新に変更

従来は、時効の完成を先延ばしすることを時効の停止、時効期間をゼロに戻して再び進行させることを時効の中断と規定していました。

しかし、時効の「停止」「中断」の意味が、本来の日本語の意味に合っていないのではないか?といわれていました。

債権法改正によって、時効の完成を先延ばしすることを時効の完成猶予、時効期間をゼロに戻して再び進行させることを時効の更新と名称を変更しました。
その上で、下表のように、時効の完成猶予が生じる事由と時効の更新が生じる事由を整理しました。
従来の時効の停止・中断とは異なり、同じ事由であっても時効の完成猶予が生じる場面と、時効の更新が生じる場面があることがポイントです。
 


 

時効の完成猶予・更新のうちまず押さえておきたい事由

時効の完成猶予・更新のうち、宅建試験対策として、まず押さえておきたいものは、①裁判上の請求等(147条)、②催告(151条)、③承認(152条)です。
これら3つについて、簡単に見ておきましょう。

1.裁判上の請求等

裁判上の請求等の代表例は、裁判上の請求をすること、つまり裁判所に対して「訴えの提起」をすることです。
訴えの提起をすると、その手続中は時効の完成が引き延ばされます(完成猶予)。
その後、勝訴判決を得た場合など権利の確定によって裁判が終了すると、時効期間がゼロに戻って再び進行を始めます(更新)。
反対に、権利の未確定(敗訴判決になった場合など)によって裁判が終了すると、その時から6カ月は時効の完成が引き延ばされます(完成猶予)。この6カ月のうちに、時効の完成猶予・更新に該当する事由を生じさせないと、時効が完成します。
 

 

2.催告

催告とは、裁判所を利用しない方法で、債務者に対して履行を請求することです。
催告をすると、その時から6カ月は時効の完成が引き延ばされます(完成猶予)。
この6カ月のうちに、時効の完成猶予・更新に該当する事由を生じさせないと、時効が完成します。

たとえば、下図のように「訴え提起した」(裁判上の請求をした)ことによって、時効の完成をさらに引き延ばす効果が生じます。
 

 

3.承認

承認とは、時効期間満了前に、債務者が権利を承認すること、つまり債務の存在を認めることです。
「借金を支払います」と述べて債務の存在を認めることだけでなく、借金の一部を弁済することも承認に該当します。
債務者が承認をすると、時効期間がゼロに戻って再び進行を始めます(更新)。
 

 

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