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こんにちは、四谷学院の夏目です。

私たちは日常的に、「コンプレックス」という言葉を使います。

[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=””] わたし、自分の鼻がコンプレックスなのよ [/speech_bubble] [speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=””] 英語を話すことにコンプレックスがあって、積極的に話しかけられない[/speech_bubble]  

例えばこんな使い方をしますよね。
ごく普通の言葉のように使っていますが・・・
実は、、、「コンプレックス」とは、精神分析における専門用語なんです。

心理学事典で調べると?

では、心理学の専門辞典で「コンプレックス」の定義を確認してみましょう。

「無意識下にある、自我を脅かすような心的内容が一定の情動を中心に絡みあって構成されるまとまり」
心理学辞典(有斐閣)より

いかがでしょう?
これだけだと、今ひとつピンとこない、という方も多いのではないでしょうか?

コンプレックスの本来の意味は・・・

では、今度は心理学ではなく英語の辞書で調べてみましょう。
このように書かれています。

complex
○形容詞
1複合の、いくつかの部分から成る、合成の
2複雑な、入り組んだ

○名詞
1複合体、合成物
2(建物などの)集合体。 工場団地、コンビナート
3【精神分析】 コンプレックス、複合

なんとなく見えてきましたね?
ポイントは「複合」とか「まとまった」とかいう部分です。
つまり、コンプレックスとは、感情の「複合体」と言えるものです。

もう少し、噛み砕いた表現にしてみましょう。

(例)
なんとなくはっきりわからない、扱いにくい、制御しきれない気持ちがある。
どうもこれは、過去のショックな出来事や経験(トラウマ体験とか)が原因にあるみたい。

いかがですか?
少しわかりやすくなりましたか?

アドラーの劣等コンプレックス

精神分析においては、特にエディプス・コンプレックスが強調されましたが、その他にも色々なコンプレックスが提唱されました。

そして、アドラーが「人格心理学」のなかで劣等コンプレックスを強調したところ、これが日本人にとって、なじみやすい理論でした。
そこで、本来のコンプレックスとは異なった理解である「コンプレックス=劣等感」の図式が広まったと考えられています。

アドラーの個人心理学、「劣等コンプレックス」とは何か?

コンプレックスの本来の意味:まとめ

「コンプレックス」そのものは、精神分析の概念です。精神分析以外の領域では、あまり用いられない言葉です。

精神分析の文献を読んでいるとき、「コンプレックス」という言葉の意味として、
「ああ、劣等感みたいなものね」としか理解ができていないと・・・
「??あれ??」
と感じることが出てきます。

そもそもは複合的な感情のことを示しているんだということを知っていると、グッと理解が深まりますね。

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