保育士として働きたい!気になるお給料は?残業は?求人は今「売り手市場」

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こんにちは、四谷学院です。
今、「保育士」というお仕事が注目、見直されています。

保育士のお仕事について、解説していきます。

保育士求人が増える背景には「待機児童問題」


「待機児童問題」は、今や社会全体の大問題です。
入所の競争激化のウラには、「保育士の人材確保の壁」があります。

保育園に入れたい保護者がいる、子どもたちがいる。
子どもを預けるところがないと、仕事ができない。復職できない。
しかし



保育園に空きがない!
保育士さんが足りない!

そういう状況なのです。

待機児童問題の現状

厚生労働省の発表によると、2017年4月1日時点での全国の待機児童数は2万6,081人。
前年比2,528人増となっています。

実は、保育所等の定員は前の年より10万人も増加しています。
保育所等を利用する児童の数も、前の年に比べて8万8,000人増えています。
それでも、現状は、待機児童数はゼロどころか昨年より多くなっているのです。

・保育士の補充が間に合わない
・保育施設の建設が間に合わない
・保育所に適した土地・物件が確保できない

などなど、受け皿整備の遅れが指摘されています。

安倍首相は、解決しない「待機児童問題」について
「2020年度末までに32万人分の受け皿整備を進める」と表明しています。

保育士の確保状況

保育園のお仕事は、誰でも簡単にできるような仕事ではありません。
大切な子どもの命を預かり、成長をフォローする「保育のプロ」が保育士です。
尊敬に値する専門職です。

しかも、現在保育園業界は「売り手市場」。
「保育士確保の競争も激化!」という新聞記事やニュースを目にした方も多いのではないでしょうか?

保育士として働くことが目標だったり、別のお仕事からの転職を考えていたりする方は、今がチャンスなのです。
保育士の有効求人倍率は、毎年1月頃がピークになります。
平成26年12月から平成27年2月の期間では、有効求人倍率が2倍を超えました。
全国でもっとも保育士の有効求人倍率の高い東京都では、5倍を超える状況となっています。

今後も、例年よりも高い水準になることが予想されています。

「平成27年 各都道府県別有効求人倍率」を見てみる
都道府県 有効求人倍率
全国 1.93
北海道 1.30
青森県 1.77
岩手県 1.38
宮城県 1.87
秋田県 1.96
山形県 1.69
福島県 1.61
茨城県 2.36
栃木県 2.32
群馬県 0.92
埼玉県 2.63
千葉県 2.11
東京都 5.39
神奈川県 2.66
新潟県 1.50
富山県 1.97
石川県 1.53
福井県 1.76
山梨県 0.89
長野県 1.10
岐阜県 1.15
静岡県 1.40
愛知県 1.00
三重県 1.00
滋賀県 1.87
京都府 1.34
大阪府 1.74
兵庫県 1.26
奈良県 1.39
和歌山県 2.33
鳥取県 2.31
島根県 1.26
岡山県 1.30
広島県 3.27
山口県 0.88
徳島県 2.09
香川県 1.16
愛媛県 1.27
高知県 1.11
福岡県 1.20
佐賀県 1.06
長崎県 1.34
熊本県 1.39
大分県 1.30
宮崎県 1.67
鹿児島県 0.99
沖縄県 2.08

※出典:職業安定業務統計より

保育士は専門性の高い仕事です

保育士さんのイメージはどういったものでしょうか?
「誰でもできるカンタンな仕事」
「子どもと遊んでいるだけ」
とんでもない誤解です!

保育士は、「保育のプロフェッショナル」です。
近年、都市化・核家族化が進み、子育ての相談先が少なくなっているといわれています。
また、インターネットの広がりによって情報は増えたけれど、多すぎてかえって不安をあおってしまう・・・という状況も指摘されています。

保育士さんは、お子様そして保護者のもっとも身近な保育のプロなのです。
実際にお子様の様子を見て、保護者の話を聞き、適切にアドバイスすることも保育士の大事な役割です。

最近では、さまざまな施策を大アピール。優秀な保育士の確保に乗り出しています。
今後、保育士の処遇は、さらに改善されていくことが期待されています。

東京都では「とうきょうホイクマン」に保育士資格をもつ吉本芸人ランパンプス(※)の2人を任命し、保育の仕事の魅力を世の中に伝えています。

保育士資格を取得した芸人さんが活躍!ランパンプスの「とうきょうホイクマン」
こんにちは、四谷学院の石田です。保育の仕事の魅力を世の中に伝えるため、吉本芸人ランパンプスさんは、今日もがんばっています!テレビ朝日「東京サイト」がその活動に密着しました。四谷学院で勉強して、保育士試験に一発合格した寺内さん。子育て支援員研...

資格手当て等で給与を上乗せ

公立保育園と私立保育園の格差を埋める目的で、私立保育園の保育士給与を月3万円程度上乗せする施策があります。また、家賃補助として毎月最大8万円が支給されることも。さらに就業準備として30万円程度を給付するケースもあります。
転職サイトを利用する場合も、「就職お祝い金」がもらえたりと、経済的な支援が準備されています。

短時間勤務もOK!

保育園で、もっとも忙しい時間帯はいつだと思いますか?
そうです。
「朝」「夕方」です。
登園・降園ラッシュで、保育園がもっとも混雑する時間。
この時間帯に、短時間保育としてサポートに入るという働き方が歓迎されています。

短時間のシフト制勤務導入のメリットは、混雑時のフォローを行えるというだけではありません。一旦、退職した保育士が「保育所に復帰しやすくなる」というメリットにもなっているんです。
子育て中でも「保育士」として活躍しやすい環境といえるでしょう。

また、資格はあるけど実務経験ゼロ、という方の場合も、短時間ではたらいて少しずつ慣れることができますね。「いきなりフルタイムでは不安」という方でも、ステップアップできるんです。

未経験者もOK

短時間保育士と同様、現場未経験の方でも安心して働けるよう、研修制度も充実しています。

「資格は取ったけれど、実際に保育士として働いたことがない。」
「子育ての経験はあるけれど、ほかの子ども達とうまくやれるかしら?」

そんな不安を払拭してくれますよ。

就業前だけでなく、就業後にも受けることのできる無料のセミナーや研修が準備されています。
横浜市では、「よこはま保育士☆就労キャンペーン」を実施。施設の見学や就職面接会、就職支援講座も行っています。

とくに、資格はあるけれど保育士としては働いていない「潜在保育士」に対する施策が増えています。その経験を活かし保育現場で活躍していただくよう、神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の各首長の連名で復帰を呼びかける「四県市共同メッセージ」が発信されました。

「保育士」らしいフォローも!

子どもが熱を出して突然休み
学校を休むので、自分も仕事を休まなければいけない

小さなお子さんをお持ちの家庭であれば、めずらしくないことです。

「預ければいいのに…と言われる。会社の理解が得られない」
「小さな子どもがいるから、と責任ある仕事を任せてもらえない」

などなど、子育て中のキャリアには色々な課題があります。

その点、職場が保育園なら心配は要りません。
なぜなら、そんなことはよく分かっているからです。

育児中の親にとって、保育園は最大の味方であるべきです。そして、保育士さんが育児中であれば、職場である保育園はよき理解者です。

保育士として活躍するママ・パパが育児をしやすい環境をつくることを、保育園が率先してやっていこうという動きですね。
保育所は「産休育休がとりやすい」職場を目指しています。

周りも育児中・育児経験者の保育士が多ければ、遠慮なく相談もできますね。
なお、自分の子どもも自分の勤める園に通わせることができるようになりました!

「残業が多い!休憩が取れない!」を改善

保育園の1日を見てみましょう。

いかがでしょう?
そう・・・忙しいのです。
イベントがあれば、さらに忙しくなります。

園では子ども達のフォローに終始して、「お便り」や「掲示物」を作成する時間がない。
子ども一人ひとりの「連絡帳」を手書きするので、お昼ご飯を食べるヒマもない。

だから、体調を崩してしまったり、
家に帰ってから一人で季節の飾りを折り紙やノリを使って黙々と作成する・・・
そういう保育士さんもいるのは事実です。

しかし、「それはよくない!」という声があるのも事実。
園での保育士の働き方が、変わりつつあるのです。

保育日誌や連絡帳のデジタル化も、少しずつ進んでいます。
また、壁面装飾など慣例となっている一方で、手間のかかる業務の見直しなど、保育士の働き方もみなおされています。

これはほかの会社やお店でも同じことですね。
残業しないで上手に帰れる保育園もモチロンあります。
「保育士だから残業がある」「保育士だから持ち帰り仕事も当然」というワケではありません。

保育士は専門職です!

ほかの仕事もそうですが、保育士の仕事もハードです。

子どもたちはエネルギーの塊ですから、飛んだりはねたり走ったり、ひと時もじっとしていません。
一緒になって走り回っていたら、腰が痛い・・・なんてことも。笑

しかし、保育の仕事は身体だけハードなわけではありません。
小さな子どもたちに細やかなフォローをしたり、保護者とお話したりと、精神的な面でもとてもパワーが必要なんです。
(ゲームで言えば体力ゲージのほかに、マジックポイントも必要、って感じです)

もしも、保育士の募集要項に

「簡単な仕事です」
「誰でもできます」
「子どもが好きな方なら問題なし!」
という言葉が踊っていたら、それは要注意です!保育士という仕事を十分に理解できていない園かもしれません。

くり返して言います。
保育士はハードなお仕事です。
大切な子どもたちの命を預かり、成長に立ち会う保育士という仕事。ハードでないわけがありません。

しかし、その分やりがいは満点!
「先生、だいすき!」
子ども達の笑顔に思わずにっこり。疲れも吹き飛びます。

国家資格である「保育士」資格をもつ、保育のプロ。堂々と胸を張って働けます。

保育士の平均給与は?

「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均給与は約21万円、年間賞与は約60万円です。
地域や勤める会社の制度などによって、若干の差が出てきます。また、公立の保育園に勤める保育士は、40代50代になってくると給与が増えるため、年収に大きな差が出てきます。
全体と比較すると、平均的な給与と言えます。

保育士の仕事:まとめ

もしあなたが、
「子どもために何かしてあげたい!」
「だれかの成長にかかわる仕事がしたい!」

こう思っているなら、保育士は適職かもしれません。
誰かに必要とされたい、そう考えるひとであれば、喜びにあふれた毎日を過ごすことができるでしょう。

四谷学院は、保育士を目指すあなたを応援します!

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