前の記事 » 
次の記事 » 

教師・カウンセラーが協力!学校におけるコンサルテーション

  公開日:2018/04/17
最終更新日:2020/05/08

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院です。
このページでは、学校における「コンサルテーション」について解説します。

コンサルテーションとは

もともと「consultation」には、相談や協議という意味があります。
専門用語としてのコンサルテーションは、異なる領域の専門家同士が助け合うことで、問題に対してより多角的に取り組むことを目指します。

学校におけるコンサルテーションであれば、
(1)学校に勤務しているスクールカウンセラーが行う
(2)学外機関からカウンセラーを呼ぶ
といった形で、連携が行われることになります。

それぞれ簡単な例を挙げてみましょう。

学校でのコンサルテーションの例

学校に勤務しているスクールカウンセラーが行うコンサルテーション

事例:
学校に全く来なくなってしまった生徒がいる。
担任の教師が保護者に電話をして、生徒の家での様子を聞くと、「夜眠れない」と訴えており、昼夜逆転してしまっている様子である。
担任教師は、その生徒に対して今後どのようにアプローチしたらいいか困っている状況である。

→→→ 担任教師に対し、スクールカウンセラー同席で保護者と面談することを提案。

スクールカウンセラーが保護者と面談したところ、生徒本人には不眠に加えて意欲の低下など抑うつ症状があるようだった。
面談後、スクールカウンセラーは担任教師と話し合いを行った。
スクールカウンセラーからは医療機関と連携することを提案し、投薬のメリット・デメリットを説明した。
担任教師からは、学校とつながりを続けるために定期的にプリントを届けに行くなどのアプローチの提案があった。

その後、保護者・担任教師・スクールカウンセラーの三者で、再度面談を行い、上記の2つを並行して行うことを保護者と話し合った。

学外機関からカウンセラーを呼ぶコンサルテーション

事例:
授業中立ち歩いたり、授業に関係ない質問をするなど、“授業の邪魔”とも受け取れる行動をする児童がいる。
授業がまともに進まずに、担任教師も非常に困っている。

→→→ 学校長が自治体の教育相談センターのカウンセラーの巡回相談を依頼。

派遣されたカウンセラーが、実際の授業を見学し、その後に保護者・担任教師・スクールカウンセラーとともにケース会議を行った。
カウンセラーからは、刺激に反応しやすい児童であると考えられること、そのために座席を変える・掲示物を減らすなど、刺激を減らすことで児童の反応をおさえる工夫を提案があった。
また、保護者も児童について悩んでいる様子があることから、教育相談センターへの来室を保護者へ促すこととなった。

外部のカウンセラーを依頼するということは、手続きなど多少ハードルが高くなります。そのため、学校に勤務するスクールカウンセラーがコンサルテーションを行う場合の方が多くなります。
カウンセラーに拒否的な教師も存在しますが、カウンセラーが日常的に教師とコミュニケーションを取っていくことで、関わる機会を探っていくこととなります。
意見が異なることもありますが、その中で落としどころを探していくこともカウンセラーの力量となります。


 

 

前の記事 » 
次の記事 » 

 

  臨床心理士資格 心理学キーワード 心理学コラム+(プラス)  

 

感想をお寄せください

個別のお返事はいたしかねますが、いただいたコメントは全て拝見しております。いただいた内容はメルマガやブログでご紹介させていただくことがございます。掲載不可の場合はその旨をご記入ください。
お問い合わせはお電話(0120-428022)、またはホームページから承っております。

このページの先頭へ