こんにちは、四谷学院の夏目です。
今回は、「防衛機制」について解説します。
防衛機制とは
「防衛機制」は、自我の防御機能です。
「投影」を例にとって、どういう仕組みで自我の防衛が行われるのかを見ていきましょう。
投影とは
投影とは、「本来は自分の欲求であるものを、他者が持っているものと捉える」ということです。
自覚がある?ない?
防衛機制は、基本的に自分が気付かない領域、いわゆる「無意識による機能」なのです。
無意識は、精神分析学では「超自我」または「イド」ということになりますね。
防衛機制が無意識つまり、自覚なく行われます。
「投影」の例
「投影」について、具体的な例を挙げて説明しましょう。
しかし・・・Aさんはこんな風に感じていました。
「他の人に比べて、B君は自分に冷たい気がする」
「B君は、自分よりほかの人の仕事を優先しがちだ」
そしてAさんは「自分はB君から嫌われている」という思いを持つようになりました。
さて・・・実際はそうではありませんでした。
実は、AさんがB君を嫌っていたのです。
つまり、Aさんは「私はB君のことを嫌いだ」という自分の抑圧された感情を、「相手の感情」としてみていました。
これが「投影」です。
「投影」の過程
このとき、何が起こっているのか、もう少し詳しく解説します。
「自分はB君のことが嫌い(イド)」なのに、B君は優秀だし人気のある人だから「B君を嫌ってはいけない(超自我)」と、無意識下でせめぎあいがあります。
すると「B君を嫌っている私」は、自我を脅かすことになります。
そこで、「嫌っている」という思いを他者に投影する=他者のものにします。
つまり「私の方こそが、B君から嫌われている」と思うことで、自分を守っているわけです。
このような葛藤を覚えるような出来事に遭遇した時、このメカニズムは基本的に意識の外側で行われるので、そのプロセスに気づかないわけです。
こうしたプロセスは、近年では、認知行動療法において、スキーマや認知のフィルターといった概念で説明されます。
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