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こんにちは、四谷学院の夏目です。

心理学のテキストで「学習」を扱う際に必ず登場するのが、「古典的条件づけ」と「オペラント条件づけ」です。
このページでは「古典的条件づけ」と「オペラント条件づけ」の違いについて解説します。

古典的条件付けとは

古典的条件付けとは、いわゆる「条件反射」です。

ある行動(反応)が刺激の対呈示(つい・ていじ)によって、受動的に学習されることを指します。

<対提示とは?>
対提示(つい・ていじ)とは、刺激Aと刺激Bを一組として、同時に出すことをいいます。
たとえば、「ベルを鳴らして、犬にエサを提示する手続き」という実験が有名です。(パブロフの犬)

オペラント条件付けとは

オペラント条件付けでは、ある行動が「強化」という機能によって能動的に学習されることを指します。

<オペラントとは?>
オペラントとは、もとは「operate(動作する)」という言葉から心理学者スキナーがつくった造語です。
オペラント条件づけは、「道具的条件づけ」「スキナー的条件づけ」とも言われます。

受動的か、能動的かで区別

古典的条件付けとオペラント条件付けの違いは、以下のように理解するとわかりやすくなるでしょう。

古典的条件づけ=「受動的」
オペラント条件付け=「能動的」

犬嫌いの例

例をあげてみましょう。

犬に吠えられる、犬に対して恐怖感を抱くようになるのは、条件反射です。つまり、古典的条件付けによるレスポンデント反応です。
一方、犬がいない道を通るようにするという「自発的行動」で、その恐怖感を回避すること(強化)は、オペラント条件付けによるオペラント行動と言えます。

連合学習と観察学習

さらに一歩進んで、「連合学習」と「観察学習」についても考えておきましょう。
「オペラント条件づけ」「古典的条件づけ」は、どちらも連合学習に含まれます。

連合学習は、簡単に言えば、2種(以上)の刺激の組合せ、つまり連合による学習といえるでしょう。

一方、観察学習は、観察によるものですから、自身が経験していなくても学習が成立することを指します。
観察~記憶という認知過程を重視することから、連合学習とは別のものに位置付けられます。

お小遣いの例

例をあげてみましょう。
兄がお使いをしたとき、親からお小遣いをもらっていました。
それを見た弟は、直接お小遣いをもらったわけではないにもかかわらず、自分もお使いをしたがるようになります。

ただし・・・
学習したことそのものは、モデルが強化されるプロセス(代理強化=兄がお小遣いをもらう)なので、認知的にオペラント条件付けによる報酬への期待(すなわち「お使い-お小遣い」という連合)を学習したことになります。
それが実際の行動に結びついて報酬をもらえば、観察学習もオペラント条件付けという見方もできるわけです。
ただ、厳密に「学習のプロセス」で考えると、観察学習は「認知」に焦点を当てた社会的学習であり、連合学習とは異なるといえます。

このあたりの分類は、なかなか難しいので混乱しがちです。いろいろな情報に触れ理解を深めていくとよいでしょう。

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