前の記事 » 
次の記事 » 

レッドリスト2019「絶滅危惧種」について知る

  公開日:2019/07/23

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院のこども環境管理士、林田です。

IUCN(国際自然保護連合)が「IUCN 絶滅危惧種レッドリスト」2019年の最新版を発表しました。

レッドリストとは?

レッドリストとは、国際自然保護連合が作成した絶滅のおそれのある国際的な野生生物のリストのことです。

日本の環境省も、日本に生息する野生生物のレッドリストを作成しています。
またレッドリストとは別に、レッドデータブックを編纂しています。
これは、レッドリストなどに基づいて生きものの生息状況などが取りまとめられた書物です。

▼環境省:いきものログ「レッドデータブック・レッドリスト」
https://ikilog.biodic.go.jp/Rdb/booklist

環境省レッドリスト 2019年の注目点

特別天然記念物トキは、ペリカン目トキ科トキ属に分類される鳥類で、「野生絶滅」とされてきました。
「トキは日本では絶滅した」
と覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、人工繁殖で野生復帰が進んだことで、絶滅の危険性が1ランク低い「絶滅危惧1A類」に変更されました。
「野生絶滅」から「絶滅危惧」へ見直すのは異例のことです。

 随時見直しの評価理由
佐渡島に生息していた最後の 5 羽を 1981 年に捕獲し野生絶滅(EW)した。2008 年から佐渡島で再導入が開始され、2018 年 10 月までに延べ 327 個体が放鳥された。2012 年以降、毎年、野生下で巣立ちが確認され、2012 年生まれの個体が成熟した 2014 年に初めて野生下の成熟個体が出現した。2015 年以降も野生下の成熟個体数は増加している。
2014 年に野生下の成熟個体が出現して以降、IUCN のダウンリストに必要な条件である、上位カテゴリー(野生絶滅(EW))の基準を満たさない状況を 5 年以上にわたって維持していることを踏まえ、トキの絶滅危惧カテゴリーを野生絶滅(EW)から絶滅危惧 IA 類(CR)に変更する随時見直しを行った。

存続を脅かす要因
河川開発(13) 湿地開発(15-1) 圃場整備(15-2) 農薬汚染(32) 感染症(33) 捕食(外来種によ
る)(52-3) 管理放棄(53) 近親交配(62)環境省レッドリスト2019補遺資料

「日本産のトキと、中国産のトキは別物では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、種類が同じでも生息地域が異なれば同じでないことがいいのですが、このトキに関しては遺伝学的な解析で「同一種」と認められたそうです。

トキは渡り鳥ではなく留鳥ですが、日本のほかにも、中国、韓国に生息しています。

IUCNレッドリスト

これまでのレッドリストでは、哺乳類や鳥類などはほぼ全種が調査対象となっています。
一方、魚類に関してはこれまでその危機もよく知られていませんでした。
今回のレッドリストでは、10万5,732種にのぼる野生生物の危機を検証し、魚類にも対象が広がりました。

その結果、淡水魚はの世界的に危機的状況が明らかになりました。特に深刻なのがメキシコ、そして日本です。

今回、レッドリストには日本の生きもの33種が加えられましたが、その多くが淡水魚です。
例えば、
九州北部の水田地帯にのみ分布する日本の固有種「アリアケスジシマドジョウ」
秋田県の田沢湖にのみ生息していた固有種「クニマス」。1940年代に絶滅したとされていましたが、山梨県の西湖で発見されました。

コチラもあわせてどうぞ
https://www.excite.co.jp/news/article/Itmedia_nl_20190722082/

子どもたちに、すばらしい自然を残していきたいと考える、すべての方に。

 

前の記事 » 
次の記事 » 

 

  環境を学ぶ  

 

感想をお寄せください

個別のお返事はいたしかねますが、いただいたコメントは全て拝見しております。いただいた内容はメルマガやブログでご紹介させていただくことがございます。掲載不可の場合はその旨をご記入ください。
お問い合わせはお電話(0120-428022)、またはホームページから承っております。

このページの先頭へ