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こんにちは、四谷学院の夏目です。

2013年、DSM(精神障害の診断・統計マニュアル)が最新版「DSM-5」に改訂されましたね。
前回から実に19年ぶりの改訂でしたから、これまでの精神医療の実際を反映して、色々な点が変更になりました。

精神障害の診断・統計マニュアルDSMが最新版「DSM-5」に改訂!いったい何が変わったのか?

中でも大きな変更は、より柔軟に疾患を捉えるために、「スペクトラム」という概念が導入されたことです。
この記事では「スペクトラム」という概念について解説します。

スペクトラムとは

「スペクトラム」は、発達障害に関心のある方であれば、耳にしたことがあるかも知れませんね。
英語で「連続体」という意味で、疾患の一つひとつが連続してつながっているものという捉え方です。

DSM-5からは、自閉症や統合失調症において、スペクトラムの概念が導入されています。
前の版であるDSM-Ⅳにおいて、統合失調症や自閉症に関連して挙げられていた疾患についてこのような指摘がありました。
「従来、信じられていたほどには疾患の一つひとつが独立していないのでは?」

この指摘がなされたことが、スペクトラムの導入の背景としてあります。

スペクトラムが導入による変化

「スペクトラム」という概念が導入されたことにより、精神疾患をより柔軟に把握することができるようになったといわれています。
その一方で、疾患の範囲が広がることで、過剰診断などのリスクもあり、現場では「むやみに疾患を作り出さないよう注意して運用すべき」との指摘がなされていることも、押さえておくとよいでしょう。

(参考)DSM-5改訂について

DSM-5では「多軸評定システムの廃止」「疾患の名称や分類の変更」など、「スペクトラム」概念の導入意外にも、さまざまな点が変更されています。
興味がある方は、以下にある臨床家向けのDSM-5の解説本を読んでみるとよいでしょう。

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