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芸術療法(アートセラピー)の実践者は芸術家?!

  公開日:2018/03/01
最終更新日:2020/05/08

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院の夏目です。

臨床心理士を目指して勉強中の「心理学入門講座」の受講生の方からご質問をいただきました。
今回は、そのご質問と回答をご紹介します。

Q.芸術的スキルがないと芸術療法は実践できないか?

芸術療法は、絵画や音楽など、芸術的な技能がないと実施できないものでしょうか。
テキストには
「欧米では、音楽療法士は心理学の知識に加えて、相応の音楽的技術が要求される」
というような記述があります。

実際に、日本で芸術療法を実施している人たちは、芸術的な技能をどう習得したのか、教えてください。

ちなみに・・・私はピアノを習っていたことはありますが、プロではありません。
指定大学院で指導を受けることができるのでしょうか?

A.場合によっては芸術療法を実践できます

セラピストが、その該当する芸術に一定の技術や知識を保有していることは、もちろん必要です。
正確には、その技術が秀でているからこその「芸術療法」と言えます。

しかし、芸術療法も多岐にわたります。
セラピーの用い方によっては、必ずしもそうではない場合もあり得ます。

絵画療法の場合

絵画療法は、クライエントに絵画を描いてもらいます。
そのため、セラピストが上手に絵を描ける必要はないでしょう。
必要な画材などを準備し、描き易い雰囲気づくりや信頼関係をつくっていきます。

箱庭療法の場合

箱庭づくりに取り立てて専門的な技術は必要ではありません。
箱庭療法用に、箱庭キットが市販されています。

音楽療法の場合

音楽療法は、「音楽を鑑賞すること」を音楽療法と呼称することもあります。この場合はCDなどの音源でもいいわけです。
一方、本格的な音楽療法では、セラピストがその場のクライエントの雰囲気に合わせて演奏したり、即興で作曲をして演奏したりととても高度な技術が必要です。

音楽療法は、音楽を専門とする人の専門技能として教育を受け、「音楽療法士」となることがほとんどです。

セラピストとして重要なこと

絵画を描くことや箱庭をつくるという行動に対しての「動機づけ」や「ファシリテート(促すこと)」、そしてクライエントが絵を描いたのであれば作品に対しての「分析」は必要です。そのための力量は、必須となります。

もしも、「芸術療法を専門としたい!」ということであれば、臨床心理士として基礎教育を修了した後で、ご自身で音楽学校や絵画学校などに通うなどして技術を身につける必要があると思われます。
臨床心理士指定大学院のみで指導を受けて芸術療法の専門家となるのは、かなりハードルが高いといえるでしょう。

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気になることは遠慮なくご質問ください。

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