こんにちは、四谷学院の土田です。
「大人の文房具」と言われて思いつくのは、万年筆ではないでしょうか?
「何万円もする高級品」
「作家や年配の人が使うイメージ」
「子どもには扱いが難しい」
こんな印象があるかもしれませんね。
しかし、「万年筆」は今、見直されています。
万年筆は書き味が違う
万年筆は、実はものすごーく書きやすいんです。
一度これを味わうと、ボールペンではモノ足りないと感じるくらいです。
かく言う私も、インクの色違い、線の太さが異なる万年筆を3本持っています。「大事な書類」は、これで書きます。
万年筆の頭脳「ペン先」
万年筆の特徴は、「ペン先」にあります。「万年筆の頭脳」とも呼ばれています。
ほかのペンと違うところは・・・先が割れていますよね?
先端はペンポイントといって、大きさや形状で字幅が決まってきます。ボールペンは構造上、紙にある程度の力で押し付けないとインクが出てきません。えんぴつも、手の力が弱いと濃くはっきりした字は書けません。しかし、万年筆は弱い筆圧でもインクが出るようにつくられています。
一方で、筆圧を強くかけすぎてペン先が想定以上に開くと、かえってインクが出なくなる、という優れものなんです。
書きやすさのヒミツがここに詰まっています。
万年筆には正しい持ち方がある
えんぴつやボールペンと違って、万年筆は「向き」があります。
ウラ向きにしてしまうと、うまくインクが出てきません。ペン先が、紙と水平に接するようにするときれいに書けます。
あまり見ない「万年筆のウラ」がこちら。
櫛溝(くしみぞ)というインクの調整機能がついています。
(セーラー万年筆の仕組みより)
https://sailor.co.jp/topics/fountain-pen-structure/
育つ筆記具
長く使っていると、万年筆の「持ち方」が決まってきます。いつも同じ場所を同じ方向から握って使うことになるので、書き手のもち癖・書き癖がついてくるのです。
書き続けることで、どんどん書きやすく育つ筆記具というわけですね。
「父の万年筆を譲ってもらったけど、書き癖がついているから書きにくいんだよね~」
なんて話も出てきますが、これはボールペンやサインペンにはないお話ですね。
子ども用の万年筆がある
万年筆は、ヨーロッパで生まれました。英語では「フォウンテン・ペン」(噴水のようにインクが流れる)と言います。
ドイツでは日本とは違い、えんぴつで書く前に、万年筆で書き方をきちんと教えるそうです。
その後、正しい書き方を身につけ、えんぴつやボールペンを使うようになります。
「え?子どもが万年筆!?」
びっくりしませんか。
インクが漏れることもあるし、ペン先がデリケート。
「それなのに、子どもが使いこなせるの?」と私も意外に思いました。
しかし、万年筆の頭脳であるペン先が優れた機能ため、手の力がまだ弱い子どもでも、万年筆だときちんと書けるんです。
それに、万年筆をあえて使わせることで、「筆記具はていねいに扱うものである」という考え方が身につきます。
さらに大人になってから、本格的な万年筆への以降がスムーズにいく、というヨーロッパならではの文化です。
もちろん、子ども用の万年筆には色々な工夫がなされています。
・正しく指の位置への誘導のためグリップにくぼみがある
・クリップはついておらず、筆入れに入れやすい
・インク残量が透けて見える
・ペン先はスチールで低価格
・色や形がかわいい
インクの色が楽しめる
万年筆のインクは、黒や青だけではありません。
たとえば、日本を代表する万年筆メーカー「セーラー」さんには、四季をイメージした「SHIKIORI」というシリーズがあります。
このシリーズの万年筆には、風情のある「色の名前」がついています。
たとえば、「夏」は「うちみず」という涼やかなブルー。インクの色も「藤姿」「蒼天」など、夏のイメージが広がるネーミングと色ですね。
まとめ:万年筆の楽しみ方
「万年筆?え?なんだか、ハードル高い・・・」と思っていた方には、意外な「万年筆のお話」だったかもしれません。
カジュアルに使える万年筆も多く店頭に見られます。そのほかにも「日本語を書くのに適している万年筆」などもあるんですよ。また、万年筆には革製品などと同じように育てる楽しみや、インクの色を選ぶ楽しみもあります。
ぜひ、普段使いに万年筆を取り入れてみてはいかがでしょうか?字を書くことがより楽しくなりますよ。
通信講座できれいな字を身につけましょう。字を書くことが楽しくなります。
詳しくは、ホームページをご覧ください。