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自然のもつ浄化能力とは?すでに限界を超えている?

  公開日:2020/01/30

※この記事は約4分で読めます。

釣り

こんにちは、四谷学院のこども環境管理士林田です。

日本人は昔から「水」の浄化作用を経験的に知っていたようです。
水に流してしまえば、過去のわだかまりはなかったことになりますよね。でも、現在は・・・?

この記事では「自然の浄化能力」について解説します。

自然の浄化能力とは?

自然の浄化能力は、英語で「Self-Purification 」と言います。
「purify」とは、日本語で「浄化する」という意味です。語源はpurus(純粋)とfacere(する)に由来しているそうです。
ある物質からほかの有害物質を除去するというニュアンスが近いようです。

 「自然の浄化能力」
自浄化作用とも呼ばれる大気や河川・湖沼、土壌などの汚染が自然の力で浄化される働きで、自然はそれぞれ固有の浄化能力を有している。主に、希釈、吸着、沈殿、分解などの物理的、化学的、生物的の作用による。

日本では、「三尺流れれば水清し」と昔から言われているとおり、水の流下に伴い汚濁物質濃度が減少し、溶存酸素(DO)が回復する河川の浄化能力が知られている。その他、湖沼のアシなどによる汚染の吸着除去、干潟の生物による水質浄化能力、樹木等による大気汚染の浄化能力、酸性雨に対する湖沼や土壌の緩衝、中和、回復能力なども知られている。EICネット 環境用語集

川や海、干潟などの水域や土壌内、あるいは大気などで浄化されます。
主に有機物(=汚濁物)の減少に対して「自浄作用」という言葉を使うことが多いようです。
ちなみに、「三尺流れれば水清し」の「三尺」は、90.9㎝ほどです。(意外と短いなと思いませんか?)

では、川の自浄作業を例にとって、詳しく見ていきましょう。

河川や海の自浄作用

希釈・沈殿

物理的作用として、川に汚染物質が流れ込む際に、大量の水によって希釈、濃度が薄まり、拡散されます。
また、汚染物質が水より重たい粒子である場合には、川底当に沈澱して、やはり水中の汚染物質の濃度は減少します。

吸着・凝集・酸化・還元

「酸化」「還元」「凝集」「吸着」などの作用は化学的作用と言えるでしょう。

海洋ゴミ、マイクロプラスティックは有害物質を吸着しやすいという特性がありましたね。こちらの記事も参照してみてください。

知って欲しい!海のゴミ問題「マイクロプラスチック」について

ただし、汚染されたマイクロプラスチックを魚が食べることで海水自体の汚染物質の濃度が減少するにはしますが、もちろん根本的な解決にはなっていません。
川の自浄作用には、ほかにも汚濁物質を無害な物に変化させる、沈澱しやすくする、水中に溶出しにくくする、などがあります。

生物的作用

主に、微生物による有機物の分解や、水生植物や藻類による窒素やリンの吸収などがあります。
以前、「赤潮」は水の富栄養化が主な原因と考えられていました。浄化作用を上回る有機物が水に含まれたためです。
しかし現在の赤潮の発生原因は変わってきているという指摘もあります。それは、河川の護岸工事によって微生物が減ってしまったため浄化作用が低下し、有機物を分解しきれず、海まで流れてしまい赤潮が発生する、とされています。

土壌汚染の広がり

土壌汚染は、製造工場や埋め立て地で起こる可能性が高く、目で見てすぐにはわからないこともあります。(テキストでも学びますね!)
なぜ目に見えないか?
工場等が理由で発生する有害物質は、地下水を経由して広がっていくためです。

直接飲用水として影響を受けるほか、その水を使った田畑でとれた農作物、汚染水が流れ込んだ河川や海などの魚介類が汚染物質が及びます。

自然の浄化能力の限界

川や海、土壌や森林など、自然には浄化能力があります。
しかし、もちろんその能力には限界があります。
自然のもつ浄化能力を強化し、補完していく環境づくりが、今後一層、必要となってきます。

産業の発展、人口の増加など、色々な要因があり、自然の浄化作用を大きく上回って人間が汚してきた地球。
そのツケをそろそろ払わなければならないと言う学者もいます。
元の状態を復元することは、現在では不可能な部分もあります。環境省をはじめ、自然浄化対策が行われています。
期待された効果があったもの、なかったものなど、様々な試みについて、ニュースなどもチェックしておくとよいでしょう。

子どもたちに、すばらしい自然を残していきたいと考える、すべての方に。

 

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