こんにちは、四谷学院通信講座の甲斐です。

今回は、これから宅建試験の学習をする方に向けて、宅建試験で出題される法令を確認したいと思います。
学習を進めていくにあたって、力の入れどころを把握するヒントになるはずです。

宅建試験の主な出題内容は7つです

宅建試験ではどのような法令が出題されることになっているのか、普段の学習の中ではあまり気にしないかもしれませんが、宅建試験の全体像を確認する意味で、出題内容(出題範囲)をチェックしておきましょう。

宅地建物取引業法施行規則第8条によると、宅建試験の出題内容は、おおむね次の7つです。

1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
(問49~50 / 2問)
2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること
(問1~14 / 14問)
3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること
(問15~22)
4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること
(問23~24 / 2問)
5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
(問46~48 / 3問)
6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること
(問25 / 1問)
7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること
(問26~45 / 20問)

7つの出題内容のポイント

では、7つの出題内容(出題範囲)について、一つずつチェックしていきましょう。

四谷学院の受講生の方へ
それぞれの出題内容を四谷学院の教材3分野のどこで学ぶかは< >で示しています。

土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること

<3.法令上の制限・税・その他STEP27・28>

たとえば、土砂災害の危険性が高い土地、耐震性を持っている建築物の構造などが出題されます。出題数は、土地について1問、建物について1問です。
最初は取っ付きにくいですが、問題練習などで慣れれば得点しやすい分野です。

土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること

<2.権利関係 上巻 / 権利関係 下巻>

いわゆる「権利関係」といわれる分野で、出題数は14問です。
不動産の所有権・抵当権などの権利や、不動産の売買・賃貸借などの契約による権利の変動が出題されます。
出題される法令は、民法(10問)、借地借家法(2問)、区分所有法(1問)、不動産登記法(1問)の4つです。

出題数の割に学習範囲が広いため、多くの受験生を悩ませる分野ですが、権利関係で大きく失点しないことが宅建試験合格への一つの鍵となります。

土地及び建物についての法令上の制限に関すること

<3.法令上の制限・税・その他 STEP2~19>

いわゆる「法令上の制限」といわれる分野で、出題数は例年8問です。

無造作な土地開発や建物建築などを制約するための様々な規制(土地の利用制限、建物の建築制限など)が出題されます。
土地の利用制限「土地開発をするときは○○の許可が必要である」
建物の建築制限「△△地区では工場を建築できない」

出題される主な法令は、都市計画法(2問)、建築基準法(2問)、国土利用計画法(1問)、宅地造成等規制法(1問)、土地区画整理法(1問)、農地法(1問)です。

直近10年間の宅建試験では、国土利用計画法の代わりに、または国土利用計画法とともに、諸法令(土地及び建物に関する様々な法令)が出題されることもありました。
もっとも、2023年度の宅建試験では、宅地造成等規制法が出題範囲に含まれるものの、出題時には盛土規制法(正式名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法」です)への改称後である(2023年5月26日施行)という状況が生じることから、宅地造成等規制法の代わりに諸法令が出題される可能性があります。

宅地及び建物についての税に関する法令に関すること

<3.法令上の制限・税・その他 STEP20~23>

不動産にまつわる税金について出題されます。
過去に出題例のある税金は、不動産取得税、登録免許税、固定資産税、印紙税、贈与税、相続税などです。出題範囲が広い割には出題数が2問だけですから、深入り禁物の分野ともいえますね。

宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること

<3.法令上の制限・税・その他 STEP25~27>

不動産の公正な取引を促進する制度や、不動産に関する統計などが出題されます。
出題される主な法令・実務は、住宅金融支援機構(1問)、景表法(1問)、不動産に関する最新の統計(1問)です。
不動産に関する統計は最新のものが出題されるので、間違えて過去の統計を学習しないように注意しましょう。

宅地及び建物の価格の評定に関すること

<3.法令上の制限・税・その他 STEP24>

不動産の価格を決めるための基準を定めた法令などが出題されます。
地価公示法または不動産鑑定評価基準からの出題が多くみられます。
これら2つを学習しておけば十分でしょう。

宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること

<1.宅建業法>

出題数20問のうちほぼすべてが宅地建物取引業法からの出題です。
宅地建物取引業法は「宅建業法」と省略されて呼ばれることも多いですね。
ほかには「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」から1問程度出題されることがあります。
宅建業法は試験問題数(50問)の40%を占めるので、必ずマスターしておかなければならない分野です。

四谷学院受講生の方へ
各テキストの冒頭(STEP1)で、上記よりさらに詳しい出題内容を載せています。あわせて確認しておきましょう。

登録講習修了者の「5問免除」

登録講習修了者にあたる方(登録講習の修了から3年以内に限ります)は、「土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること」および「宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること」が免除されます。
問46~50の5問分が免除されるので「5問免除」ともいわれます。

登録講習は、基本的には不動産会社に勤めていて、不動産取引の仕事に携わっている方だけが受講できます。
不動産会社に勤めている方は、自分が登録講習を受講できる資格を持っているのか、ぜひ一度会社に問い合わせてみてくださいね。

知っておきたい!宅建試験の登録講習(5問免除)とは?

四谷学院の宅建講座なら、初心者でも一発合格が狙えます!
ほかにはない55段階学習システム(R)であなたも宅建資格を手に入れましょう。