知っておきたい!宅建試験の登録講習(5問免除)とは?
公開日:2017/08/08
最終更新日:2022/06/21
こんにちは、四谷学院通信講座の甲斐です。
不動産会社に勤めている方は 登録講習 という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。宅建試験では、登録講習を修了した受験生に対して試験の一部を免除する制度があります。
今日は登録講習についてお話しします。
登録講習の詳細については、下記の試験実施団体のページもあわせてご確認ください。
●一般財団法人不動産適正取引推進機構「宅建試験/登録講習について」
https://www.retio.or.jp/exam/tourokukosyu.html
目次
登録講習とは
登録講習は国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が実施します。
どの会社などが登録講習を実施しているかは、国土交通省のウェブサイト「登録講習を実施している登録講習機関の一覧」で確認することができます。
登録講習の受講料は15,000円程度です(登録講習機関によって受講料は異なります)。
いつ実施されるの?
登録講習は、年中実施されているわけではなく、宅建試験後の11月~翌年4月頃まで申込みを受け付けている実施機関がほとんどです。
出願直前期の申込みの受付は原則行われていません。
登録講習の開始から修了まで2カ月程度かかります。
登録講習の受講資格
残念ながら、登録講習は誰でも受講できるわけではなく、従業者証明書 を持っている方に限り、登録講習を受講する資格があります。
「従業者証明書」とは、宅建業者の業務に従事している従業者であることを証明する書類です。
したがって、不動産会社に勤めている方が宅建試験に合格しやすくするため、一定の便宜を図っているのが登録講習の制度といえるでしょう。
免除される問題
問46~50の5問が免除されるので「5問免除」とも呼ばれています。
(1) 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること(問49~50)≪免除≫
(2) 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること(問1~14)
(3) 土地及び建物についての法令上の制限に関すること(問15~22)
(4) 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること(問23~24)
(5) 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること(問46~48)≪免除≫
(6) 宅地及び建物の価格の評定に関すること(問25)
(7) 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること(問26~45)
免除手続きの方法
実施機関から登録講習修了者証明書を発行してもらい、出願書類に添付することで免除になります。
5問免除で出願する際は、原則として郵送出願をすることが必要ですが、インターネット出願に対応している登録講習もあります。
インターネット出願を予定している場合には、事前に登録講習の受講時に実施機関に確認しましょう。
出願後の免除申請の手続は一切できません。必ず出願時に免除申請の手続を行ってください。
免除期間
登録講習機関が実施する登録講習を修了した場合、登録講習修了証明書に記載されている修了試験合格年月日が試験実施日前3年以内のものが有効です。
つまり、修了試験の合格日から3年以内に行われる宅建試験の受験で、上記の宅建試験の試験範囲のうち(1)および(5)が免除されます。
令和元年度宅建試験の場合は、試験日が「令和元年(2019年)10月20日」ですので、修了試験合格年月日の記載が「平成28年(2016年)10月21日以降」である登録講習修了証明書が有効です。
登録講習修了者の合格率
5問免除されることで、登録講習修了者はとても有利になりそうですが、実際の登録講習修了者と一般受験者では合格率にどの程度の差があるかを見ておきましょう。
平成28年度宅建試験の結果
たとえば、平成28年度の宅建試験では、以下のような結果が発表されています。
受験者総数:198,463人
一般受験者:154,340人
登録講習修了者:44,123人
合格者数:30,589人(合格率:15.4%)
一般受験者:21,768人(合格率:14.1%)
登録講習修了者:8,821人(合格率:20.0%)※不動産適正取引推進機構「平成28年度宅地建物取引士資格試験実施結果の概要」より
登録講習修了者の方は、ほぼすべてが宅建業の実務に就いていますから、初心者と比べると元々宅建業法などに詳しいわけです。そのため、一般受験者より合格率が高くなるのは必然であるとも考えられます。
それでも合格率の差は例年5~10%にとどまっています。
必ずしも登録講習修了者が圧倒的に有利な立場にたつわけではないということができますね。
登録講習を受講しない方も、それほど気にする必要はありません。しっかり対策をして、合格を目指しましょう。
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