こんにちは、四谷学院宅建講座の甲斐です。
今回は国土交通省から公表されている令和3年建築着工統計の概要を確認していきます。
建築着工統計は宅建試験の統計問題において頻出です!

その他の統計情報については、下記のページをあわせてご参照ください。

統計問題で頻出の「令和4年版土地白書」が公表されています

統計問題で頻出の「令和4年地価公示」が公表されています

統計問題で頻出の「年次別法人企業統計調査(令和2年度)」が公表されています

令和3年建築着工統計とは

建築着工統計は、さまざまな建築物の着工状況についての統計です。
令和4年度の宅建試験で出題されるのは、令和3年建築着工統計のうち令和3年の新設住宅着工戸数であり、令和3年1月から令和3年12月までの間に、新たに着工された住宅の戸数のことを指します。

新設住宅着工戸数に関する統計は、総戸数新設住宅着工戸数)、利用関係別戸数地域別戸数に分けて公表しています。
その上で、利用関係別戸数の統計は、持家貸家分譲住宅に分けて公表しています。
また、地域別の統計は、首都圏中部圏近畿圏その他に分けて公表しています。

令和3年度の宅建試験では、総戸数新設住宅着工戸数)およびマンション着工戸数が出題されています。宅建試験で「新設住宅着工戸数」とあるときは「総戸数」が問われているとみなしてください。

【令和3年度10月 問48 肢1】
建築着工統計(令和3年1月公表)によれば、令和2年1月から令和2年12月までの新設住宅着工戸数は約81.5万戸となり、4年ぶりに増加に転じた。
【令和3年度12月 問48 肢4】
建築着工統計(令和3年1月公表)によれば、令和2年1月から令和2年12月までのマンション着工戸数は、「三大都市圏計」及び「その他の地域」のいずれにおいても前年を下回っている。

令和3年建築着工統計の総評

国土交通省は、令和3年の新設住宅着工戸数の総評を、次のようにまとめています。

令和3年の新設住宅着工は、持家、貸家及び分譲住宅が増加したため、全体で増加となった。

令和3年の新設住宅着工戸数は、新型コロナウイルスの影響が緩和傾向にあり、ほとんどが増加となっていますので、「〇年ぶりの増加」「昨年の減少から再びの増加」という点も押さえておくとよいでしょう。

以下では、令和3年建築着工統計の概要を見ておきましょう。

令和3年の総戸数(新設住宅着工戸数)

戸数:856,484戸
前年比:5.0%増
増減の傾向:5年ぶりの増加

令和3年の利用関係戸数

マンションだけ減少しているのがポイントです。ただ、後述の「令和3年の地域別戸数の前年比」において、「その他地域の新設着工戸数の前年比」ではマンションが増加しており、地方ではマンションの建設が活発な傾向がうかがえます。

持家の新設着工戸数

戸数:285,575戸
前年比:9.4%増
増減の傾向:昨年の減少から再びの増加

貸家の新設着工戸数

戸数:321,376戸
前年比:4.8%増
増減の傾向:4年ぶりの増加

分譲住宅の新設着工戸数

戸数:243,944戸
前年比:1.5%増
増減の傾向:昨年の減少から再びの増加

分譲住宅は「マンション」「一戸建住宅」に区分して公表しています。
〇マンションの新設着工戸数
戸数:101,292戸
前年比:6.1%
増減の傾向:2年連続の減少
〇一戸建住宅の新設着工戸数
戸数:141,094戸
前年比:7.9%増
増減の傾向:昨年の減少から再びの増加

令和3年の地域別戸数の前年比

地域別戸数は、総戸数(新設住宅着工戸数)や利用関係別戸数に比べると細かい事項になりますので、前年比を押さえておきましょう(以下で記載している増減は全て前年比です)。
数値を覚える必要はなく、前年比で増加しているか減少しているかがポイントです。

首都圏の新設着工戸数の前年比

総戸数(新設住宅着工戸数):3.4%増
持家:13.2%増
貸家:3.2%増
分譲住宅:1.1%(マンション:7.3% / 一戸建住宅:5.0%増)

中部圏の新設着工戸数の前年比

総戸数(新設住宅着工戸数):6.6%増
持家:7.2%増
貸家:10.3%増
分譲住宅:4.6%(マンション:9.2% / 一戸建住宅:12.5%増)

近畿圏の新設着工戸数の前年比

総戸数(新設住宅着工戸数):4.5%増
持家:10.1%増
貸家:13.8%増
分譲住宅:8.6%(マンション:18.8% / 一戸建住宅:4.4%増)

その他地域の新設着工戸数の前年比

総戸数(新設住宅着工戸数):6.3%増
持家:8.3%増
貸家:1.1%増
分譲住宅:13.3%(マンション:16.6% / 一戸建住宅:11.9%増)

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