こんにちは、四谷学院の夏目です。
この記事では、「質的研究」について、代表的な研究法を交えながら見ていきましょう。
質的研究と量的研究の違い
質的研究は、近年になって注目されてきた研究法です。
量的研究との対比で取り上げられることもあります。
量的研究とは、一般的にはアンケートや統計学などをイメージするとよいでしょう。
サンプルを大量に採って、統計的処理を施して一般的な法則を導き出すといった研究方法です。
質的研究は、量的研究とは異なり、必ずしも多量のサンプルを対象としません。
一つ一つのサンプルを詳細に見ていくことで、その現象を生成・維持・変容させているプロセスを理解しようとします。
質的研究が用いられる研究分野
質的研究は、広い分野で用いられる研究法です。
たとえば、文化人類学・社会学・看護学・社会心理学・臨床心理学などの研究において用いられています。
特に臨床心理学においては、事例研究法(ケーススタディ)が代表的です。
また、先行研究が乏しい分野に関して仮説を生成しようとする場合などに活用されています。
質的研究のうち代表的な研究法をみていきましょう。
事例研究法(ケーススタディ)
事例研究法とは、その名の通り、一つの事例(ケース)を詳細にたどることにより知見を得る研究法です。
質的研究の代表的な1つで、事例理解やクライエントを理解する上での手助けになると考えられています。
グラウンデッド・セオリー・アプローチ
グラウンデッド・セオリー・アプローチは、1967年にアメリカの社会学者であるグレーザーとストラウスが出版した著作に由来する質的データ分析の方法です。
インタビューなどから得られるデータに対し、外側から出来あいの理論や概念枠組みをトップダウンで押しつけるのではなく、データとの対話のなかからボトムアップ的に、現象理解のための枠組みを生成しようという方法です。
フィールドワーク
フィールドワークとは、狭義には「観察者」が同時にその場の「参加者」ともなる、参与観察を中心とした方法を指します。
広義には参与観察の他に資料収集を行ったり、必要に応じてアンケート調査も行ったりと、複数の方法の併用を包括する概念です。
現象学的手法
現象学的手法は、人間の生きた経験の本質を記述し研究することを目的とします。
インタビューや日記、記録などを対象とし、研究者の観念や考えを無くし、出来る限り客観化した状態でその現象を把握することで、個別的体験の意味を明らかにしようとします。
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