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こんにちは、四谷学院の土田です。

書道・習字の練習は、準備や後片付けが大変ですよね。

「そうそう!それが億劫で!」
と共感してくださる方は多いのではないでしょうか?

お道具を出して、下敷きを敷いて、墨をすって、紙を敷いて・・・
終わったら作品が乾くまで待って、硯と筆をきれいにして、片付けをする。

私はうっかり者なので、すぐにどこかで墨がついて、手や指が真っ黒になってしまいます。一度、鼻の下に墨のちょびヒゲが!「いったいなぜ?」と自分でも不思議です。

大人の私でもそうなのですから、小学生の書道の時間はホントに大変です。
子どもたちの手が真っ黒になるのはもちろん、服にも墨がつくので、体操着に着がえてから書道の授業をする学校もあります。

机の間も狭いですから、「その手で壁に触らないで!」「床に墨がたれているよ!」などなど大騒ぎです。

水で書く習字

さて、子どもにとってもっとも扱いが難しいのが「墨」と「筆」。
そこで、問題の“墨”を使わない水書道、水習字という練習方法があります。

簡単にいえば、墨の代わりに水をつけて字を書く、というモノです。

水書道・水習字のメリット

小さなお子様が筆に慣れるためには、「筆を使う」ということが大切です。
しかし、毎回手は墨で真っ黒け、服も汚れるし、床や家具まで黒くなる!というのでは、かんたんに「習字しよう!」とは言えませんよね。

その点、水書道は「水」ですから、汚れません!
少しくらいぬらしてしまっても、布巾でかんたんにふき取ってしまえますね。
準備も、後片付けも非常にカンタンですから、空いた時間に気軽に練習できます。
筆をもつ回数は、格段に増えると思います。

もう一つのメリットは、「失敗を恐れなくていい」ということです。
乾いてしまえば、字がなくなってしまいます。

ですから、失敗しても気にせずに、書き続けることができますね。
「紙がもったいない・・・」
と気にする必要もありません。

普通の半紙でも書けますし、専用の速乾性のシートもあります。
何度もくり返して、乾かして練習できますよ。

「気軽に取り組む」「楽しく書く」という目的であれば、このメリットはとても大きいかと思います。

水書道・水習字のデメリット

水で書いた作品は、乾いたら消えてしまいます。
これはメリットでもあるのですが、デメリットにもなります。

と、いうのも
とてもきれいに書けたとしても、作品を残しておくことができないのです。

また、失敗してしまってもすぐに消えてしまうので、反省材料になりにくいという点があります。
墨の質感(濃淡)の再現などもあり、書道の世界でも、水で書く練習法は賛否両論あるようで、やはり、「墨とまったく同じ」というわけにはいかないようです。
「作品を作る」「上達する」という目的であれば、このデメリットが大きいかと思います。

墨で書くことの良さ

墨の匂いを思い出せますか?
ふんわり、控えめな、軽いお香のような・・・
芳香剤として「墨の香り」が出ているくらいで、日本人にはなじみのある香りかもしれませんね。

そうなんです。
心を落ち着かせるということが書道・習字ではとても重要視されるんです。

墨を使って筆で書くことは、心を落ち着かせるとともに、
「墨だから汚さないように丁寧に扱おう」
という気持ちになりますよね。

動作が丁寧になりますから、自然と丁寧に字を書くことになります。

水書道・水習字も便利ですが、水書道だけでは、どうしても足りない部分も出てきます。
もしも道具がそろっているのであれば、それらの筆・墨・半紙などを使って練習することをオススメします。

墨を磨(す)るのは面倒・・・と思われるかもしれませんが、
せっかくですから、心を落ち着かせてゆっくりと磨るのもよいでしょう。墨が濃くなるにつれて、フワっとよい香りがしてきますよ。

たとえば小筆の練習であれば、墨はそれほどたくさん必要ありません。片付けも簡単です。
忙しいときには墨汁を使うなど、上手に使い分けてみてくださいね。

時間のないときには硬筆の練習を

お子様の場合でも、大人の場合でも
「どうしても書道・習字の用具を一式準備する時間がない!」ということがあるでしょう。
そんなときには、硬筆の練習、つまりエンピツやペン字の練習をしてみてはいかがでしょうか?

練習は、お手本を見て書くのが基本です。
お手本の字をよく見て、形をとっていくわけですね。
きれいな形、正しい形を覚えるという点では、硬筆も毛筆も同じです。

硬筆、毛筆と両方の字を上達させていきましょうね。

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