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こんにちは、四谷学院のこども環境管理士、林田です。

新型コロナウイルスの感染予防のため、色々な活動に影響が出ていますね。くらいニュースが多い一方で、「コロナ対策で大気汚染の改善」という少し明るいニュースを目にした方も多いのではないでしょうか?

<この記事の出典>
「新型コロナで地球環境は改善か」ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/202004/210055/

「インド北部から数十年ぶりにヒマラヤ眺望、新型コロナ対策で大気汚染改善」CNN
https://www.cnn.co.jp/world/35152184.html?fbclid=IwAR3b3x91tBBAAWeHlJk4DXBXFeYcC30uNTZgRC960pXhqT1dNQ1a2ElV1KU

「コロナで大気汚染が急減、科学者も驚く効果」WSJ
https://jp.wsj.com/articles/SB12496300001534684224104586370543133376626

「中国の大気汚染 「コロナ前」に逆戻り」日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59331500Q0A520C2000000/

「北極にできた過去最大オゾンホールが消滅 「人間活動とは無関係」」CNN
https://www.cnn.co.jp/fringe/35153057.html

どんな改善があったのか?

中国

中国の武漢から始まったコロナウイルスですが、中国全国で移動制限、生産活動の制限がありました。
その結果、周辺の二酸化窒素(NO2)の濃度が下がったことがわかりました。二酸化炭素(CO2)や微小粒子状物質(PM2.5)が減少したと考えられています。

イタリア

移動制限と工場操業停止が行われ、イタリア北部を中心に二酸化窒素排出量が激減しました。

アメリカ

車の通行量の減少などにより、アメリカ北東部で窒素酸化物が30%減少しました。
ロサンゼルスでは、飛行機の運航減少と自動車の交通量の減少のため、数十年の間で最もきれいな空気になったそうです。

インド

大気汚染のために、約30年も見えることのなかったヒマラヤ山脈が、インドから見えるようになったそうです。
インドでは、工場が閉鎖、車でも外出できず、さらに飛行機も運航を停止。大気汚染が劇的に改善しました。都市封鎖(ロックダウン)初日のデリーでは、微小粒子状物質「PM10」が最大で44%減とのこと。

注)PM10について

微小粒子状物質(PM2.5)とは
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。 環境省ホームページ

日本

では、我が国ではどうでしょうか。
中国の大気汚染物質が減少したことに伴い、越境汚染が低下した結果、日本の大気汚染物質の少なさを表す指数(CII)は昨年より上がり、空気がきれいになったそうです。

北極

オゾンホールが消滅!というニュースになりましたが、専門家の話によると、人間活動とは無関係、つまりコロナ感染拡大によるロックダウンなどの活動の制限とは無関係とのことでした。

改善は一時的なもの

都市封鎖(ロックダウン)解除後は、中国で大気汚染レベルが急上昇しました。
つまり、交通や工場の活動が再開したことで、大気汚染も再開してしまったのです。コロナの恩恵は長続きせず、やはり根本的な問題解決には至らなかったというわけですね。
とはいえ、「やはり原因はそこ」と明確になったこと、そして「空気がきれいだと嬉しい」という気持ちを感じることが出来たのは、恩恵だったと思います。