こんにちは。四谷学院通信講座の甲斐です。
不動産会社に勤めている方は「登録講習」という制度を耳にしたことがあるかもしれません。
宅建試験では、登録講習を修了した受験生に対して、試験の一部(5問)を免除する制度を設けています。
今日は登録講習についてお話しします。
登録講習の詳細については、下記の試験実施団体のページもあわせてご確認ください。
● 一般財団法人不動産適正取引推進機構「宅建試験/登録講習について」
https://www.retio.or.jp/exam/tourokukosyu.html
登録講習の実施機関
登録講習は国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が実施します。
どの会社などが登録講習を実施しているかについては、下記の国土交通省のページで確認することができます。
登録講習の受講料は10,000円~15,000円程度です(登録講習機関によって受講料は異なります)。
● 国土交通省「登録講習の登録講習機関一覧」
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000074.html
登録講習の実施時期
登録講習は、年中実施されているわけではなく、宅建試験後の11月~翌年4月頃まで受講申込みを受け付けている登録講習機関がほとんどです。
登録講習の開始から修了まで2か月程度を要することから、出願期間(毎年7月)の直前の受講申込みは原則として受け付けていません。
登録講習の受講資格を有する者
登録講習は誰でも受講できるわけではありません。
従業者証明書を持っている方に限り、登録講習を受講する資格があります。
この点から、不動産会社に勤めている受験生が宅建試験に合格しやすくするため、一定の便宜を図っているのが登録講習であるといえるでしょう。
従業者証明書とは、宅地建物取引業に従事している従業者であることを証明する書類です。主として不動産取引に関する業務に携わっている従業員が持っている書類です。
免除される問題
登録講習を修了した受験生は、宅建試験の全50問のうち、問46~問50の5問が免除されるので、これを「5問免除」と呼んでいます。
(2) 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること(問1~問14)
(3) 土地及び建物についての法令上の制限に関すること(問15~問22)
(4) 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること(問23~問24)
(5) 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること(問46~48)【免除】
(6) 宅地及び建物の価格の評定に関すること(問25)
(7) 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること(問26~問45)
5問免除を受けるための手続
5問免除を受けるための手続は、下記の試験実施団体のページをご確認いただくとともに、受講した登録講習機関にお問い合わせください。
● 一般財団法人不動産適正取引推進機構「宅建試験/登録講習について」
https://www.retio.or.jp/exam/tourokukosyu.html
なお、出願期間に近い時期に登録講習を修了した場合、5問免除を受けるためにインターネット出願を選択できない(郵送出願のみ)ようです。
余裕を持って登録講習の受講を開始されることをお勧めします。
また、出願後の5問免除の申請はできませんので、必ず出願時に5問免除の申請をあわせて行ってください。
5問免除を受けることができる期間
登録講習修了試験の合格した者(登録講習修了者)は、登録講習修了試験の合格後3年以内に行われる宅建試験において5問免除を受けることができます。
よって、5問免除を受けることができるのは最大3回であると考えてよいでしょう。
登録講習修了者の合格率
登録講習修了者は5問免除を受けることで、一般受験者より有利となりそうです。
登録講習修了者の合格基準点は「一般受験者の合格基準点マイナス5」であり、実質的に5問免除を受けた問46~問50を全問正解したと扱われるからです。
一般受験者とは、ここでは5問免除を受けていない受験生のことを指します。一般受験者は、宅建試験の問1~問50までの全ての問題を解答しなければなりません。
もっとも、登録講習修了者と一般受験者との合格率の差は、例年5~10%程度であり、同じ合格基準点であっても差が変わります。
例えば、令和4年度と令和5年度は、ともに合格基準点が36点でした。
しかし、令和4年度の合格率の差が約0.4%であったのに対し、令和5年度の合格率の差は約8.8%でした。
常に登録講習修了者が有利な立場に立つわけではないということができます。
初めての方も、リベンジの方も、手厚いサポートを受けながら宅建試験の合格を目指しませんか?
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