こんにちは、四谷学院の土田です。
今回のテーマは、硬筆書写技能検定1級に合格するにはどうしたらいいか?です。
実際に1級に合格された方にお話を伺ってみました(合格だけでなく、受賞もされています!)。
硬筆検定1級合格を目指す方に、ぜひとも参考にしていただければと思います。
私もまずは硬筆書写技能検定の2級を取得して、最終的には1級も目指します!
【質問1】硬筆書写技能検定1級と2級の「一番の違い」は?
Q.1級と2級、最も大きな違いは何でしょうか?
A.字形の完成度と旧字体・書写体・草書を読める→書けるようにする事だと思います。
字形については、2級は完成度が高くなくても合格すると言われています(本当かどうかはわかりませんが)。
でも、1級はお手本そっくりに書こうとするのではなく、普段からどうやって字形を整えるか?どうやったら連綿がキレイに見えるか?という意識を持ち、ポイントをおさえて、更にいえば、審査員にポイントを理解している事をアピールするように自力で書く練習が必要です。
Q.1級になると旧字体や書写体、草書も出題されて難しいですよね?
A.旧字体・書写体・草書については、この中でも一番大変かつ大事なのは草書だと思います。
私は短期間で1級に合格したかったので、効率的に勉強しようと思い、草書の覚え方に特化した本を活用しました。
草書を書けるようになる事が重要な理由は、理論問題や実技問題の第2問「楷・行・草を書く」だけでなく、第1問「速書き」、第3問「縦書き」や第5問「自由作品」にも使えるからです。特に、速書きは速さが重要なので、草書を使うとスピードアップにつながります。
【質問2】硬筆書写技能検定1級の合格のための練習時間の確保は?
Q.覚える量もかなり多いと思いますが、試験対策の時間をどのようにして確保されましたか?
A.実は、試験本番までの時間はかなり限られていました。4ヶ月の勉強期間、その中でも毎日勉強した訳ではありません。
ただ、知識問題などを覚えるのは、料理の煮込み時間にも出来るし、電車の中や銀行のATMの待ち時間のようなスキマ時間でもできます。
試験直前に心配だったのは、出題されるか分からない書写体や草書をいくつか忘れることより、実技問題を書く感覚(文字数を見て文字の大きさや配置を決める等)をなくす事だったので、忙しくても1日に1回は書くようにしました。
【質問3】硬筆書写検定技能1級の合格のため対策が難しかった問題は?
Q.特に対策が難しかった問題はありますか?
A.対策が難しかったのは、速書きと2級にはない自由作品課題(第5問)です。
速書きは、手が震えるとよく言われるのですが、震えた手で書く練習は出来ないので。事前にできる事としては道具でカバーするしかないと思い、太さ・重さの違うペンを複数用意して、当日その場で少しでも字が揺れにくいペンを選ぶ事にしました。(試験では、持ち込むペンの数に制限は無し)ちなみに実際に使ったペンは、BLENというペン先がブレにくいボールペンです。
自由課題は、和歌(仮名)作品を選びましたが、審査員によってどのような点数がつくか、わかりません。
普段は、自分の持つ技術を尽くして作品を創作しますが、硬筆検定では、技術を見せつけるのではなく、誰が見ても分かってもらえるよう、「分かりやすさ」を重視してオーソドックスな作品を心がけました。
【質問4】硬筆書写検定技能1級を受験してよかったことは?
Q.1級を受験してよかったと思うことは何ですか?
A.私はずっと、1級の出題内容は覚えなくても(毛筆)字典で調べて作品を書けるので、作品制作をしたほうが有意義だと思っていました。
しかし、実際1級に合格してみて感じた事は「作品制作や教室で指導する為には、最低限必要な知識だった」という事です。今は、勉強して良かったと思っています。
Q.具体的にはどんなところで実感されましたか?
A.生徒さんに草書を教えてとても喜んでもらえたことはもちろんですが、教養という点です
つい最近、茶道を嗜むお友達にお茶席に誘われた時の話です。私はみそっかすで出席だったにも拘らず、茶道の師匠の方が草書で書かれた茶掛けを「これを読めるかしら?」と訊かれ、、、覚えていて良かったと胸を撫で下ろしました、、、。
お茶席だけでなく、歴史のある場所では草書や旧字体など日常で使わない字がお寺にも街中にもありますので、そこで読めると、ちょっとした喜びになるかなと思います。アニメ「鬼滅の刃」にも蟲柱、辨当など旧字体がいくつも登場しますね。文字に注目して見るのも、なかなか面白いです。
【質問5】硬筆書写技能検定1級はどんな人におススメ?
Q.1級の受験はどんな方におススメしたいですか?
A.硬筆書写1級の出題課題を見ると、明らかに指導者を想定していると思います。でも、指導者でなくても我流で勉強していて自信はあるけれど1級相当の実力があるのか試してみたい人や、書道団体に所属していても、その書きぶりは他で通用するのか?井の中の蛙になっていないか?と思っている方にもおススメできます。
また、文字を書くのが好きな人なら、色々な角度から文字の知識・技術を勉強して身につけるだけでも楽しいし、客観的に評価してもらい合格して賞状を貰えたら、励みになります。合格に賞がついたら、合格証書の他に表彰式で更に大きな賞状も貰えます。
【まとめ】硬筆書写検定1級の合格のためにやるべきことは?忙しくても合格できる?
硬筆書写技能検定2級からは「専門級」と言われていますが、1級ともなるとさらに専門性は高く、合格率は10%弱です。合格すれば、とても大きなステータスとなります。
まずは、硬筆書写技能検定2級を目指してみませんか?