こんにちは、「子ども漢字書き方通信講座」担当の土田です。
漢字の書き取り練習と聞くと、あまり良い印象がない方もいいかもしれませんね。
「これがきっかけで漢字が嫌いになった」
「手が痛くなって好きじゃない」
「ドリルの方が好き」 など。
きっと子どもの頃に何度も取り組んだのではないでしょうか?
先日、京都大学から興味深い研究結果が発表されました。
ニュースの記事を目にした方も多いのではないでしょうか?
発表:京都大学「最新の研究成果を知る」
この研究結果は、国際学術誌「Scientific Reports」(2021年1月26日)に掲載されました。
漢字の手書き練習は、文章作成の力を伸ばすだけでなく、なんと認知症予防にも効果が期待されるという研究です。
詳しく見ていきましょう!
漢字能力には、
漢字を「読むこと」「書くこと」、そして「意味を理解すること」の3つがあります。
(これも以前の研究で分かったこととか!)
これらの習得には、複数の認知能力がかかわっています。
読むこと(読字)であれば、「耳で聞いた音の字や意味を理解する(音韻処理)」や「目で見た文字を音声情報に変換する速さ(呼称速度)」、そして「文法の理解(統語処理)」といった能力がかかわっています。
読字障害(ディスレクシア)の子どもの場合、音韻処理や呼称速度がうまくいかないために文字が読みにくいということもあるようです。
書くこと(書字)であれば、音韻処理のほか、「目で見た情報から空間を把握する(視空間処理)」の能力がかかわりますし、
意味を理解することであれば、音韻処理のほか、「文法の理解(統語処理)」の能力がかかわります。
一言で「漢字能力」と言っても、色々な能力が組み合わさっているということですね。
お子さんが「漢字が苦手!」ということがあれば、
「じゃあ、ゆっくり音読するところから始めましょう」
「漢字の成り立ちから、意味を説明しますね」
こんな風に漢字の何が苦手なのか?どんな能力を伸ばしてあげればいいのか?ということを分析することで、
より効果的に漢字学習を進めることができるということですね。
さらに、「それに加えて、3側面の中で書字の習得だけが、言語的知識の習得を介して文章作成能力と関連していることが発見」されたんです。
書字つまりパソコンやスマホで文字を打つのではなくて、鉛筆やペンを使って文字を書くことは、文章作成能力によい影響を与えるということです。
学童期の読み書き習得(特に手書きの習得)は、老年期の認知能力の維持にも大きな影響を与えています。
子どもの頃、漢字を手書きで習得してきた場合はボケにくい傾向にある、というわけです。
以前からパソコンばかりよりも、文字の手書き習慣がある方は脳が活性化すると言われてきました。
今回は、学童期の読み書きの習得の重要性が指摘されたと言えます。
四谷学院では、小学生向けのペン字通信講座を開講しています。
手書きの重要性が見直されている今、自宅でペン字を始めてみませんか? ご家族での受講も増えています。ぜひ親子でペン字をスタートしましょう。