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こんにちは、四谷学院の子ども環境管理士、林田です。

小泉進次郎元環境相は、過去に気候変動対策に「セクシーで楽しく取り組む」と発言しました。
この発言ばかりがニュースで注目されていたような気がしますが・・・
具体策が見えていないという指摘もあったようです。

(参考) 毎日新聞
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190924/k00/00m/010/225000c

話題の取り上げられ方、そして内容・・・いずれにしても
日本の脱炭素化は、とても遅れている
ということが、皆さんによく伝わったのではないかと思っています。

今回は、ニュースでも取り上げられた火力発電について解説します。

火力発電の仕組み

日本において、電気の8割以上は火力発電に頼っています。
発電の中でも、火力発電は日本の主要な発電方法となっていると言えます。

「何となく、燃やすんでしょ?」
くらいなイメージを持っていても、実際どんな仕組みで発電されているか、知っていますか?

 火力発電の基本的なしくみは、燃料を燃やしてお湯を沸かし、その蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電力を発生させます。家庭のコンロでお湯を沸かす場合、やかんの口が小さければ小さいほど、湯気が勢いよく飛び出します。この「湯気の力(=圧力)」を使って風車を回すイメージです。電気事業連合会ホームページ

火力発電は、「クリーンエネルギー」ではありません。

クリーンエネルギーの筆頭「太陽光発電・ソーラー発電」についてはこちらの記事もあせてチェックしてくださいね。

クリーンエネルギー!太陽光発電とメリットとデメリット

火力発電の問題点

二酸化炭素の排出量が多い

2015年12月気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で採択された地球温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」で、脱炭素化が加速しました。
再生可能エネルギーを活用しよう、化石燃料に頼らない社会にしよう、という動きです。

温室効果ガス、つまり二酸化炭素の削減は、地球温暖化対策のためには世界的な課題です。

火力発電、中でも石炭火力発電は最も二酸化炭素の排出量が多い発電方法です。

日本では、この石炭火力発電が主流です。
二酸化炭素の排出量が少ないクリーンエネルギー、たとえば風力発電や太陽光発電、風力発電による発電量はまだまだ少ないというのが現状です。

化石燃料を使う

火力発電の燃料は、化石燃料です。
石油や石炭、天然ガスを燃やして発電しています。
しかし、化石燃料等のエネルギー資源に乏しい日本では、そのほとんどを海外から輸入しています。

日本は、エネルギー源の分散を進めてきましたが、原子力発電の停止もあり、2016年度には化石燃料への依存度が89%となっています。


出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2018.html

資源を世界の他の国に依存するということは、国際情勢の影響を受けやすいということになります。
「日本には、もう売らない!」
と言われたら、日本では電気が使えなくなってしまう…ということです。

2019年9月の台風15号の被害で、千葉県内では停電や通信障害が発生しました。
私たちがどれだけ電気の必要な生活をしているのか、ひしひしと感じられた方も多かったと思います。「電気依存社会」という言葉も見られました。

火力発電は減らせるのか?

新・環境大臣は「石炭火力発電は減らすべき」と発言しています。
また、G7環境相会合では、「石炭火力発電を2035年までに段階的に廃止すること」などで合意し、共同声明を発表しています。
今後、日本がどのような選択をするのか、世界にも注目されているところです。

ニュースで取り上げられている言葉で、わからないことや疑問に思ったことがあれば、ぜひ調べてみましょう。
環境とは、私たちを取り巻く周りの状況であり、私たちと深く関係していて、互いに影響を与え合うものです。
便利な生活は、「当たり前にあるものではない」ということを痛感しました。

子ども達のために豊かな自然を残したい。そのために何ができるだろう?
「環境」について学んでみませんか?