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こんにちは、四谷学院のこども環境管理士、林田です。

毎年、梅雨の時期になるとたくさんの雨が降りますが、近年は、その雨の降り方が異常ともいえる状況です。そのために大きな災害が起きています。
この記事では、ここ何年かで耳にするようになった「線状降水帯」についての解説と、異常気象について考えていきます。

線状降水帯とは

「線状降水帯」という用語には、はっきりとした定義はないようです。おおよそ、線状に見える雨雲(積乱雲群)が複数連なり、そして停滞し、集中豪雨を発生させるものを線状降水帯と呼んでいるようです。
ここで気になるのは、なぜ、線状降水帯が生じるのか?ということです。

線状降水帯の発生要因の1つとして「バックビルディング現象」があると言われています。

バックビルディング現象

積乱雲が同じ場所ででき続ける現象のことを「バックビルディング(後方形成)」と呼びます。線状降水帯が生じるのは、このバックビルディングが条件の1つと考えられています。

暖かく湿った南風が東シナ海を通って流れ込み、雨が降ります。東シナ海の海面水温が高くなると、この南風含まれる水蒸気の量が多くなります。そのために、より積乱雲ができやすくなります。南風が大量の水蒸気を次から次に運びこむために、積乱雲が流された後方からまた新しい積乱雲ができてきます(後方形成)。そのために次々に降水帯が同じ場所に停滞してしまいます。東シナ海の海面水温が高ければ高いほど、この傾向が強くなります。


出典:海洋研究開発機構(JAMSTEC)

なお、「この線状降水帯が発生する時刻と場所を事前に予測することは難しいのが現状」とのことです(気象庁より)。

大雨の災害

平成30年の夏、世界気象機関(WMO)は
「6~7月の異常気象が温暖化に起因するかは特定できないが、長期的な温暖化ガスの上昇傾向と整合性がある」
と指摘しています。

つまり、地球温暖化と豪雨災害は関係があるということ。

(詳しくはこちらの記事でご紹介しています)

気象庁発表 平成30年7月は「異常気象」

異常気象の定義

気象庁によると、異常気象の定義は以下の通りです。

 一般には、過去に経験した現象から大きく外れた現象のことを言います。大雨や暴風等の激しい数時間の気象から、数か月も続く干ばつ、極端な冷夏・暖冬まで含みます。また、気象災害も異常気象に含む場合があります。気象庁では、気温や降水量などの異常を判断する場合、原則として「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象」を異常気象としています。気象庁 ホームページ

大雨特別警報

令和2(2020)年7月3日から続く大雨は、気象庁によって「令和2年7月豪雨」と命名されました。

また、大雨特別警報が九州で2020年7月4日と6日に発表されました。この大雨特別警報が出される基準は「数十年に一度の重大な災害が予想される」という場合となっています。

ですが、実はこの「大雨特別傾向」・・・
運用が開始の2013年以降、毎年出されているんです。運用開始から7年間で計16回出ており、つまり、2013年以降日本は異常気象であるともとらえられます。

すでにこれまでの常識が通用しない、異常な気候となっています。

いま私たちができること

まずは「知ること」からはじめましょう。
気象庁のホームページでは、たくさんの資料が公開されています。しかし、専門的な言葉も多いので、ちょっと難しいと感じることもあるかもしれません。それに、具体的にどのようなことに気を付ければいいのか、結び付けて考えにくいこともあるでしょう。

そんな方には「こども環境管理士対策講座」をオススメします。
テキストは、やさしい言葉で書かれていますので、初めて環境について学ぶ方にも安心して取り組んでいただけます。

これからも、子どもたちに豊かな自然を残していきたいと考える方には、ぜひ手にしていただきたい知識であり、資格なのです。
講座について詳しくはホームページをご覧ください。この夏、「環境」について学んでみませんか?