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こんにちは、四谷学院の子ども環境管理士、林田です。

レジ袋が有料化されてからしばらくたちます。
今回は、レジ袋の有料化によって
地球温暖化に歯止めをかけることができるのか?
日本は脱炭素化社会をめざせるのか?
という点について一緒に考えていきましょう。

レジ袋有料化の目的は?

2020年7月1日より、レジ袋は、お店で2-5円くらいで購入することになりましたが、あなたの買い物は変わりましたか?
どんな変化の可能性があるのか(ないのか)見ていきましょう。

海洋プラスティック問題

レジの有料化に踏み切った理由となる環境課題として海洋プラスチックごみ問題が挙げられていました。
しかし、環境省による調査「海洋ごみをめぐる最近の動向 平成30年9月」(http://www.env.go.jp/water/marirne_litter/conf/02_02doukou.pdf)によると、我が国での漂着ごみのうちポリ袋(レジ袋)は1%未満でした。そのために、レジ袋が削減されたとしても海洋プラスティック問題の直接的な改善には期待できないという見方もあります。

廃棄物・資源制約

これまでお店で品物を購入した時にもらったレジ袋、実は多くの方がゴミ袋として再利用していました。レジ袋に家庭ごみを入れて捨てていた人たちが、エコバックなどを使ってレジ袋を辞退した場合でも、市販のごみ袋の購入が増えることが予想されています。
もしくは、レジ袋を購入したほうがゴミ袋を購入するよりも「安い」ということで、これまでとレジ袋の消費は変わらなくなるのでは?という声も聞かれます。

資源を大切にして廃棄物を減らそうという、レジ袋有料化の目論見通りにはいかないのかもしれません。

地球温暖化への対策

レジ袋を買わないためにはその代わりとなるものが必要です。その筆頭がエコバックです。
しかし、エコバックにも問題が…

①ウイルスや菌、汚れなどが付着している可能性がある
②店頭でのオペレーションの煩雑化
③エコバックの浪費

コロナ禍にある今、一番気にする方が多いのは「①ウイルスや菌、汚れなどが付着している可能性がある」ということかと思います。エコバックは食品も入るものです。衛生面に気を付けて洗濯やスプレーなどで常に清潔に保つ必要があります。さらにソーシャルディスタンスが叫ばれている昨今、「②店頭でのオペレーションの煩雑化」もかなり大きな課題となります。レジ前で密になってしまうことで、感染の可能性が高まってしまうかもしれません。
最後に「③エコバックの浪費」ですが、エコバックは話題性も高く、色々なブランドがこぞって販売しています。レジ袋有料化とともに話題となったもの、それは「雑誌の付録のエコバック」です。デザイン性が高く使い勝手の良いエコバックが付録についてくるということもあり、すぐに売り切れになってしまう雑誌もありました。エコバックがファッションの1つとして扱われる中で、新しいデザインのエコバックを次々の購入しては廃棄というのを繰り返してしまうと、結局、廃棄物が増えて二酸化炭素の排出量も少なくなりません。

レジ袋有料化の目的を理解しよう

レジ袋の有料化の本来の目的を常に念頭に置くことで、直接的な環境への貢献だけでなく、間接的な環境保全活動につながることが期待されます。
プラスティックストローの廃止も話題となりましたが、レジ袋について考えてエコバックを持つことで、環境への「気づき」のきっかけとし、さらに積極的に地球温暖化対策へと進んでいくことができれば、レジ袋有料化には大きな意義があると言えるのではないでしょうか。

▼「レジ袋チャレンジ」環境省
http://plastics-smart.env.go.jp/rejibukuro-challenge/

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