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営業保証金と弁済業務保証金の「供託」手続の違いを押さえよう

  公開日:2018/03/02
最終更新日:2019/07/01

※この記事は約4分で読めます。

こんにちは、四谷学院宅建講座の甲斐です。
今回は、宅建業法から、「営業保証金と弁済業務保証金の『供託』手続きの違い」についてお話したいと思います。

営業保証金や弁済業務保証金とは何か?

宅地建物取引業法(宅建業法)が定める制度の中で、営業保証金または弁済業務保証金を供託する場面があります。
営業保証金も弁済業務保証金も、取引の相手方を保護するため、供託所に金銭や国債などを供託するものです。

営業保証金は宅建業者が自ら供託します。
それに対し、弁済業務保証金は保証協会が供託します。

このような違いがあります。しっかり理解しておきましょう。

保証協会への加入は任意

保証協会とは?
保証協会とは、宅建業者だけを会員(社員)とする、国土交通大臣が指定した団体です。

保証協会に加入するかどうかは宅建業者の任意、つまり自由です。
そこで、営業保証金を供託するのは、宅建業者が保証協会に加入しない場合となります。
宅建業者が保証協会に加入する場合には、保証協会が弁済業務保証金を供託することになります。

以下では、営業保証金や弁済業務保証金が供託されるまでの過程を、簡単に見ていきましょう。

営業保証金が供託されるまでの過程

営業保証金の供託は、下図のとおりです。
宅建業者が供託所に直接供託する」というシンプルなものです。
なお、供託先は主たる事務所(本店)の最寄りの供託所です。

営業保証金の供託額は、主たる事務所(本店)が1,000万円、従たる事務所(支店)が1カ所につき500万円となっています。

たとえば、本店と支店4カ所で宅建業を営む場合は、1,000万円+(500万円×4)=3,000万円を本店の最寄りの供託所に供託します。
つまり、支店分もすべて本店の最寄りの供託所に供託します。

  供託額
本店 1,000万円
支店1 500万円
支店2 500万円
支店3 500万円
支店4 500万円
合計 3,000万円

 

供託の方法は、金銭で供託、有価証券で供託、金銭と有価証券を併用して供託、のいずれかを選択することができます。
ただし、有価証券の評価額については、国債証券は100%、地方債証券と政府保証債証券は90%です。

たとえば、上記のように3,000万円を供託する場合、国債証券であれば、額面3,000万円分の国債証券を供託すれば足ります。
しかし、地方債証券のときは、額面3,000万円分の地方債証券を準備しても、評価額は2,700万円分(3,000万円×90%)であって、あと300万円分が足りません。この場合、300万円分を追加準備して供託をする必要が生じます。

弁済業務保証金が供託されるまでの過程

弁済業務保証金の供託は、下図のように「宅建業者保証協会供託所」という流れを押さえることがポイントです。
弁済業務保証金の制度を利用できるのは、保証協会の社員である(保証協会に加入しようとする)宅建業者です。

宅建業者⇒保証協会

まず「宅建業者⇒保証協会」の流れでは、宅建業者が弁済業務保証金分担金を納めます。
宅建業者は、弁済業務保証金分担金を納めることで、保証協会への加入が認められて、保証協会の社員となります。

弁済業務保証金分担金の納付額は、主たる事務所(本店)が60万円、従たる事務所(支店)が1カ所につき30万円です。
営業保証金の供託額に比べると、非常に少ない金額で足ります。

たとえば、本店と支店4カ所で宅建業を営む場合は、60万円+(30万円×4)=180万円を加入しようとする保証協会に納めます。
なお、弁済業務保証金分担金は、すべての金額を金銭で納めることが必要で、有価証券で納めることはできないという点に注意しましょう。

保証協会⇒供託所

次に「保証協会⇒供託所」の流れでは、保証協会が弁済業務保証金を供託します。
弁済業務保証金の供託額は、宅建業者が保証協会に納めた弁済業務保証金分担金の額です。

たとえば、上記のケースの場合は、宅建業者が180万円を納めていますので、保証協会は180万円を供託所に供託します。
弁済業務保証金分担金の納付と異なるのは、金銭のほかに有価証券を利用できる点です。
有価証券の評価額は、営業保証金の供託と同じく、国債証券は100%、地方債証券と政府保証債証券は90%です。

まとめ:「供託」手続の違い

ここまで供託の手続きの違いを見てきましたが、いかがでしたか?

最初は混乱するかもしれませんが、整理してみると比較的シンプルな仕組みです。
分かりにくいところは具体的な例をイメージすると、理解が深まるかと思います。とくに似たような名前、手続きの場合には、「違い」しっかり押さえておきましょう。

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四谷学院 宅建講座

 

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