こんにちは、四谷学院宅建講座の甲斐です。
この記事では、間違えやすい重要事項(説明事項)を重点的に取り上げていきます。
↓その1はこちらから。
種類・品質に不適合がある場合の担保責任について説明不要の事項
種類・品質の不適合に関する担保責任とは何か
種類・品質に不適合がある場合の担保責任は、2020年施行の民法改正によって導入された制度です。
以下の記事をあわせて確認しておくと理解が深まります。
(民法改正前における担保責任と区別するため、実務などでは「契約不適合責任」と呼ぶことがあります。)
宅建業法では、種類・品質に不適合がある場合の担保責任のことを「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任」と表現しています。
種類・品質の不適合に関する担保責任に関する重要事項
種類・品質に不適合がある場合の担保責任に関しては、以下の2つが重要事項となります。
(2) (1)の措置を講ずる場合には、その措置の概要
「保証保険契約の締結その他の措置」の例として、住宅販売瑕疵担保保証金の供託(新築住宅の場合)、既存住宅売買瑕疵保険の締結(中古住宅の場合)などがあります。
また、(1)において、保証保険契約の締結その他の措置を講じていないときは、講じていないことを説明する義務を負います。
種類・品質の不適合に関する担保責任に関して重要事項ではないもの
ここで覚えておくべき事項は、「宅地又は建物の種類・品質に不適合がある場合の担保責任についての定め」に関しては、重要事項から除外されていることです。
つまり、種類・品質に不適合がある場合の担保責任についての特約が、重要事項から除外されています。
なお、「宅地又は建物の種類・品質に不適合がある場合の担保責任についての定め」は、37条書面の任意的記載事項(特約を定めた場合に記載するもの)に含まれています。
危険負担についての特約も重要事項ではない
種類・品質に不適合がある場合の担保責任と同じように、「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め」、つまり危険負担についての特約も、重要事項から除外されています。
なお、「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め」も、37条書面の任意的記載事項となっています。
引渡しや移転登記の時期は説明不要
宅地・建物の引渡しの時期及び移転登記の申請時期に関しては、重要事項から除外されています。
これらの事項は、37条書面の必要的記載事項(必ず記載するもの)となっています。
代金・交換差金・借賃、種類・品質に不適合がある場合の担保責任の特約、危険負担の特約、引渡しの時期、移転登記の申請時期は、いずれも契約を締結する時まで、その内容を交渉する余地が十分にあるものです。
したがって、契約を締結する前は必ずしも判明していない事項と扱われて、重要事項から除外されているのです。
建物の貸借の場合だけの重要事項
建物の貸借だけの重要事項は「建物の設備の整備の状況」
建物の貸借だけの重要事項として、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」があります。
建物の売買・交換の場合には重要事項から除外されていることがポイントです。
また、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」は、すべての建物の貸借において重要事項となっています(自ら貸借はそもそも宅建業法の適用除外ですね)。
したがって、住宅(一軒家)を借りる場合だけでなく、区分所有建物(アパート、マンションなどの一室)を借りる場合や、事業用建物(オフィスビルなど)を借りる場合も、重要事項に含まれます。
ライフライン施設の整備の状況は建物の貸借に限らない
「飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況」、つまりライフライン施設の整備の状況については、建物に限らず、宅地を含めた売買・交換・貸借に共通する重要事項となっています。
ライフライン施設の整備の状況は、宅地においても、後から建物を建築する際に影響が出てきますので、重要事項に含めています。
また、ライフライン施設が整備されていない場合は、整備の見通しと、整備についての特別の負担に関する事項が重要事項となります。
「重要事項」は過去問の演習が重要です!
重要事項は非常に多岐にわたっており、すべてを記憶するのはとても大変です。
しかし、出題される重要事項はある程度決まっていますから、まず過去問に出題された事項を押さえることが重要です。
そして、間違えた選択肢を復習し、試験において間違えやすいポイントを徐々につかんでいきましょう。
過去問題も賢く活用!
四谷学院通信講座の受講生は、受講生ページから過去問題(直近5年分)のダウンロードができます。
試験時点での法令等に基づいた解答解説ですから、安心して取り組むことができます。
もちろん、質問制度も活用して、気になるところは遠慮なくご質問ください。