こんにちは。四谷学院通信講座の甲斐です。
今回は、2026年度(令和8年度)宅建試験に関係する民法改正をご紹介します。

一般先取特権に「子の監護の費用」を追加した

2026年(令和8年)4月施行の民法改正により、一般先取特権に「子の監護の費用」が追加されました。
一般先取特権の優先順位は、下記の条文の「一⇒二⇒三⇒四⇒五」の順番なので(民法329条1項)、子の監護の費用は3番目の優先順位に位置することになります。

民法306条(一般の先取特権)
次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
一 共益の費用
二 雇用関係
三 子の監護の費用
四 葬式の費用
五 日用品の供給

子の監護の費用とは、いわゆる養育費のことです。
父母間で養育費の取決めをしているか否かに関係なく、「子の監護に要する費用として相当な額」について先取特権が付与されます(民法308条の2)。

なお、2026年4月現在、先取特権が付与される「子の監護に要する費用として相当な額」については、次のように決められています。
●養育費の取決めをしている場合:子1人当たり月額8万円が上限
●養育費の取決めをしていない場合(法定養育費):子1人あたり月額2万円が上限

子の監護の費用(養育費)に先取特権を認めるメリットは、わざわざ債務名義を取得しなくても、「子の監護に要する費用として相当な額」については、養育費未払いの父母の財産の差押えができるようになった点にあります。
債務名義とは、確定判決、調停調書、審判調書など、財産の差押えをするために必要となる書類のことであり、従来は債務名義を取得しなければ養育費未払いの父母の財産の差押えができませんでした。
しかし、子の監護の費用(養育費)に先取特権を認めることで、上限額はあるものの、債務名義を取得しなくても、養育費未払いの父母の財産の差押えができるようになりました。

公正証書遺言の方式が変更された

2025年(令和7年)10月施行の民法改正により、公正証書遺言の方式(作成手続)に関する民法969条の規定が、下表のように変更されました。

このように変更されたのは、2025年10月に公正証書の作成手続のデジタル化が導入されたからです。
従来の公正証書は書面で作成・保存されていましたが、2025年10月以降は電子データで作成・保存するのが原則となりました。
これに伴い、公正証書を電子データで作成するときは押印が行われなくなるなど、公正証書遺言の方式(作成手続)もデジタル化に対応して変わることから、その詳細については公証人法の定めに委ねることにしました。

離婚後も共同親権を選択できるようになった

従来は、未成年の子に対する離婚後の親権について、父母のどちらか一方が親権者になる単独親権を採用していました。
しかし、令和8年(2026年)4月施行の民法改正により、共同親権と単独親権の選択制に移行しました。
つまり、父母の離婚後は、どちらか一方が未成年の子の親権者になってもよいし(単独親権)、双方が未成年の子の親権者になってもよい(共同親権)、ということになります。

離婚後も共同親権を選択できるようになったことに伴い、共同親権を選択した場合における親権の行使方法などに関する民法の規定も整備されました。
ただ、宅建試験は「親族」の範囲からの出題が非常に少ないため、共同親権と単独親権の選択制に関する詳細を押さえておく必要はないと思われます。

初めての方も、リベンジの方も、手厚いサポートを受けながら宅建試験の合格を目指しませんか?
四谷学院の宅建講座について詳しくはホームページをご覧ください。