こんにちは、四谷学院の土田です。
あなたは、「きれいな字」と聞いたときに「何が」きれいなのだと思いますか?
文字の形?線?バランス?
この記事では、「きれいに見えるサイズ」をお伝えします。
字の形を整える
まずは、おさらいです。
文字には「美しいとされている形」が決まっています。
それは、活字つまり印刷された文字ではありません。手書き文字が美の基準となります。
たとえば、「楷書」です。
一画ずつはっきり書くのが特徴で、一番よく目にするかもしれませんね。
この楷書、実は3世紀頃から書かれるようになりました。
欧陽詢(おうようじゅん)という人の書いた「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅう れいせんのめい)」は「楷法の極則」として有名です。楷書のスタンダードと言えるでしょう。
また同じ楷書でも虞世南(ぐせいなん)という人の書いた「孔子廟堂碑(こうしびょう どうひ)」はまた違った印象です。
こちらは「ボールペン字講座」のテキストでもご紹介しました。
白黒反転しているのは、拓本であるためです。簡単に言えば魚拓と同じで、実際の「碑」をプリントしたものなんですよ。
1文字ずつ練習する
こういった美しい字をお手本とし、受け継がれてきているわけです。
1文字ずつよく見てお手本に近づけていくというのも「きれいな字」を書くための1つの練習です。
文になったときは、配慮すべきことは?
漢字を練習するとき、同じ字を10回書き取りしたという経験をお持ちの方は多いと思います。大変でしたよね。これは「ただしい字を覚える」ためには有効です。
しかし、普段の生活の中で字を書くとき「1文字だけ書く」ということはほとんどありません。
「お疲れ様です」
「ありがとうございました」
「お世話になっております」
これらのような文章で書くことがほとんどです。
1文字ずつはきれいに書けるけど、文章になるといまいち・・・というケースも少なくありません。
文章全体の印象を整えることが大切です。
1文字ずつ大きさをそろえる
まずは、字の大きさ、サイズを意識してみましょう。
左がよい例です。
あなたは、ひらがなと漢字を「同じ大きさ」で書いていませんか?
「漢字は大きく、ひらがなは小さく」。
これを意識するだけで、流れが感じられ、読みやすくなります。
また、筆順の少ない字は小さめに、多い字は大きめに書くというのも意識してみましょう。
すると、字の粒がそろった印象になります。
必ずしもすべての字をマス目にきっちりはまるように書くのがきれいに見えるというわけではないのです。
特にひらがなは、1つひとつの字の特徴を捉えて書きます。
「晴」と「り」は同じサイズではないのです。
中心線を意識してまっすぐに並べる
まっすぐを意識するだけでも、スッと目に入るきれいなリズムができます。
でも、「まっすぐに書く」のは意外と難しいもの。
簡単な練習法をお伝えします。
普段、罫線のあるノートを使うときに、おそらく「罫線と罫線の間」に字を書いていると思います。
しかし、字の練習をするときには、罫線を中心線として字を書いてみましょう。
その字の「中心線」はどこにあるか?ということを意識すると、字がまっすぐに立ちます。
そして、文章を書くときにも、背筋がピンと伸びたすらりとした文章を書くことができます。
空欄もそろえよう
お手紙のように何行にも渡って文を書くときには、文章と文章の間が広くなったり狭くなったりしないように配慮するとよいでしょう。
罫線があれば、文章と文章の間の空間も等間隔で書くことができますよ。
紙に罫線がなかったり、線を引くことができない場合には、ノートを下に重ねると線が透けて見えるのでガイドラインとして使えます。
きれいに見えるコツ:まとめ
字そのものをきれいに書くという以外にも、「字の大きさ」「字間」「行がまっすぐ」なども美しい字の条件ですね。
そう、1文字ずつ練習するだけでは、「きれいに書く」ためには不十分です。
ある程度「きれいな字」の基本が身についたら文章で練習するとよいでしょう。
すべてきっちり同じ大きさに書いても、絶対きれいに見えない!
これが手書きの字の不思議さであり、おもしろさです。
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