こんにちは、四谷学院の後藤です。
突然ですがみなさん、漢字の筆順を正しく書けますか?
自分では正しいと思って覚えていたけれど、実は、違っていた・・・
という話はよく聞きます。
恥ずかしながら、私はカタカナの「ヲ」の筆順を間違って覚えていたことに、割と最近気がつきました。
※「フ」と先に書いてはいけない…
今ドキッとした人、いませんか?
お仲間です。笑
そこで今回は、筆順についてお話します。
筆順が違っても別にいい!?
筆順がまちがっていても、困ることはありません。
しかし、恥ずかしいことはあります。
イメージしてみてください。
下から上に書いてるし、一番最後の線を最初に書いちゃっている、バランスも悪い・・・
なのに、「これが正しい日本語だ!」と大威張り!!
モゾモゾ、むずむずっとしませんか?
確かに、筆順が違っても「読めればいい」と思う方もいるでしょう。
でも、筆順が違うと「それは日本語じゃない」と感じる方もいるんです。
正しい筆順は1つじゃない!
とはいえ、筆順は1つに決まっているわけではありません。
びっくりしました?
1つだけ唯一、正しい筆順がある・・・と思い混んでいがちですが、何パターンか正しい筆順を持っている漢字もあります。
たとえば・・・
「硬筆書写検定のてびきと問題集」より抜粋
「角」という字は、3パターンも筆順があるんです。
もちろん、どれでも正解です。(私は一番右の筆順で書いています)
筆順とは、このくらい融通の利くものなんですよね。
(ちなみに、硬筆書写検定2級ではこれを知らないと解けない問題が出ます!)
なぜ正しい筆順があるのか?
では、なぜ「正しい筆順」があるのでしょうか?
融通が利くなら、アルファベットのように、そもそも「筆順を決めない」というのもアリでしょ?
という意見もありますよね。
それは、おそらく「筆の文化」が影響しているんじゃないかなぁと思います。
昔から日本、中国には「書」という文化があって、きれいに書くことはとても大切にされてきました。
「どうしたらきれいに書けるだろう」
「きれいな字ってどんな字だろう」
昔の人はそう考えていたはずです。
筆や漢字(たて書き)の特性も考慮しながら、自然と「きれいな字を書ける筆順」というのが定着してきた、という説です。
「今はパソコンだからいいわ」「ボールペンには関係ない」といわずに、先人が考えてきた「きれいに書ける筆順を学ぶ」というのも意義があると思うんです。
すべての漢字の筆順を覚える方法
「じゃあ、せっかくだから、正しい筆順を覚えたい!」
そう思ったとき、あなたはどうしますか?
テキストで片っ端から覚える?
漢和辞典で「あ」から順番に覚える?
う~~~~~、ツライですね。ギブアップしてしまいそうです。
ここだけの話(?)ですが・・・
四谷学院の「ボールペン字講座」「筆ペン字講座」のテキストには、一部の漢字を除いて筆順が収録されていません。
こんな感じで、字の形や注意するポイントが書いてあります。筆順は記載していません。
意外ですよね?
でもこれには、ふかーい意味があるのです。
筆順の原則を知る
筆順を、一文字ごとにいちいち解説しない理由は、筆順には原則を知ってほしいからなんです。
原則を覚えれば、ほとんどの字を正しい筆順で書くことができます。
たとえば、小学校3年生で新たに習う漢字は、200文字です。
毎年、ドンドン増えていきます。
小学校6年間で、なんと1000文字です。
就職活動でアピールできる資格といわれる「漢検2級」は、常用漢字2000字以上を扱います。
2000字以上もある漢字について、いちいち筆順を覚えるのは大変ですよね・・・
そこで、四谷学院のテキストは、「筆順の説明がない漢字は原則どおり」です。
つまり、最初に原則さえ覚えてしまえば、あとは例外だけチェックすればOKなんです。
いかがですか?
2000字も覚えるより、少ない例外を覚えるほうが、ずっと楽だと思いませんか?
筆順の2大原則
原則を覚えるだけ・・・とはいえ、「原則がたくさんあるのでは?」と不安になったかもしれません。
いくつか原則はあるのですが、絶対に覚えて欲しいのは2大原則+8です。
ほとんどの漢字に当てはまります。おとなはもちろんですが、子どもたちには絶対身につけて欲しいものです。
※お子様向けの「子ども漢字書き方通信講座」のテキストには文字ごとに筆順が記載されています
大原則1「上から下へ」
最近、ヨコ書きで読み書きする機会が多いですよね。
この文章もヨコ書きです。
英語も、もちろんヨコ書き。
でも日本語は本体タテ書きなんです。
「筆」の特性を考えても、上から下のほうがスラスラ~と書けます。
漢字を書く場合には、下から上に書く線はありません。(はね等は除く)
上から下に書き進めていくのが原則です。
大原則2「左から右へ」
当たり前だよ~わーいと言われてしまいそうですね。
<大>原則ですもんね。
たとえば「川」という字。
左の線から順番に書く、というのがルールです。
もう少し複雑な「例」という字も、一番左の「にんべん」から順番に書きます。
8つの原則
・ヨコ画があと(条件あり)
・中が先
・外が先(「かまえ」の場合)
・左払いが先
・つらぬくタテ画は最後
・つらぬくヨコ画は最後
・ヨコ画と左払い
原則は分け方によっていくつかあります。実際の練習しながら原則を確認しておきましょう。
知っていれば、これから役立つこと間違いなしです。
ルールを一度覚えてしまえば、どんな漢字でも迷わず正しい筆順で書けますよ。
四谷学院では、美しい文字のルールを学びます。
だから、再現性もバッチリ!感覚でなく、体系的に美文字を修得しましょう。