こんにちは、四谷学院の林田です。
子どもたちは「小さな生きもの」に大きな関心をもつことが多くあります。
「園庭にも、大好きな虫がきてくれないかな~」
なんていう声も聴こえてくることでしょう。
今回は、過去問題にも登場していて、子どもたちに人気の高い「カマキリに出会える園庭づくり」について解説します。
環境を整えることの意義
保育園や幼稚園、あるいは学校や家庭においても、植物などの環境を整備することはとても大切なことです。
特に、校庭や園庭で、生き物に触れる機会を多くの子どもたちが体験することは素晴らしいことですね。
たとえば、子どもたちがカマキリに興味をもち、身近な園庭に「カマキリがいたらいいのに」と関心をしめしたら、保育者であればそれを実現させたいと考えるのは最もことです。
園庭の見直し
園庭には様々な木や草花が植えられていることが多いのではないでしょうか?
それは、道路と園庭を隔てる生垣であったり、見た目をキレイにするための観賞用の植物であったり・・・様々です。
最近では、子どもたちへの食育のための畑が設けられ、野菜づくりを行われるケースもあります。
とはいえ、広い園庭をもっている施設は一部に限られてしまうでしょう。
園庭のスペースを考えると、本当の自然体験をさせるためには、園庭の使い方を見直すことも大切なことです。
※屋上ビオトープや壁面ビオトープも省スペースに役立つ
カマキリに出会える環境は?
具体的に、過去問題を見てみましょう
(略)園児からから、「園庭でもカマキリと出会えたらいいのに」と発言がありました。
そこで、早速、園庭にカマキリが生息できる環境づくりを計画しました。(略)3)環境づくりの場所は、園庭内にツゲなどの植え込みのあるところを予定地とし、そこに植栽されているツゲなどの植え込みを移動させて、場所の確保を検討することにした。
四谷学院「問題集」; STEP 39 チェックテスト8 問題2の3より
園庭のスペースには限りがある
上でも述べたように、園庭のスペースには限りがあります。
新たに、環境を整えるためには、今ある植栽を移動するという可能性も検討しなければなりません。
この問題では、ツゲなどの植え込みを移動させて、場所を確保することが検討されました。
昆虫を呼び寄せる木かどうか?
「わざわざ植え込みを移動させるの?」
というご質問をいただくこともありますが、ツゲの木を移動させることも手段の一つではないかと考えます。
ツゲの木はご存知のように、生垣など普通に植えられている植物ですが、昆虫類を呼び寄せる木ではありません。
観賞用のツゲであるならば、観賞用の植物を集めたゾーンに移動した方がよいのではないでしょうか。
また、地域に本来生える木を考えてみても、ツゲの木は全国区であり、移動も大切かと思えます。
このあたりを検討していくことになります。
バッタのいる環境
次に、バッタはどんな環境を好むのか?という点を考えましょう。
カマキリは、バッタをはじめとした昆虫類がたくさんいないと見つけることは難しい生き物です。
バッタはイネ科を中心する野草を餌とし、すみかとしています。
すなわち、バッタ等の昆虫を呼び寄せるには、草むらが必要ということです。
そのためには、ツゲの木の移動もやむ得ないことでしょう。
それぞれの園で考え方は違うこともあろうかと思います。
園児の興味・関心を大切にするなら、ツゲの木の移動も納得できることかもしれませんね。
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