こんにちは、四谷学院通信講座の甲斐です。

宅建試験の勉強をはじめると、法律用語の意味がなかなかイメージできないことがありますね。
そこで、「法律用語に慣れよう」と題して、宅建試験でよく登場する法律用語をピックアップしていこうと思います。
今回は「届出・登録・許可の違い」についてです。

届出・登録・許可は役所の審査の程度が違う

宅建試験の学習では、役所(都道府県知事や国土交通大臣など)に対して「届出」「登録」「許可」を必要とする、という定めが登場します。
権利関係ではあまり登場しませんが、宅建業法や法令上の制限ではよく登場しますね。

では、届出・登録・許可には、どのような違いがあるのでしょうか?

簡単に言えば、役所の審査が緩いか厳しいかという点に違いがあります。「役所の審査の程度が異なる」ということですね。
審査が最も緩いのが届出、その次が登録です。最も厳しいのが許可ですね。
役所の審査が緩い順に「届出⇒登録⇒許可」とイメージしておくとよいでしょう。

なお、宅建試験の対策では、免許は「許可」と同類であると考えて構いません。それぞれについて詳しく説明していきます。

役所の審査が緩い順に「届出⇒登録⇒許可」になるという点は、必ずしも、あらゆる法令の「届出・登録・許可」に当てはまるわけではありません。法令の一般的な傾向として押さえておくとよいでしょう。
また、宅建試験では、これから説明する「届出・登録・許可」の意味を問うような出題は行われないと考えて構いません。ただ、各々がどのような意味をもっているのかを知ることで、宅建試験の学習がスムーズに進んでいくでしょう。
四谷学院の受講生の方へ
四谷学院のテキスト(3分野)のうち、どのSTEPで学習するかをかっこ書きで示していますので、テキストと合わせて確認しておきましょう。

届出とは?

必要事項を記載した書類を提出するだけで役所の審査が通るというものです。
役所に必要事項を記載した書類を提出しさえすれば、その書類に記載された内容の効力が生じますので、役所の審査は緩いと言うことができます。

例えば、宅地建物取引士の死亡等の届出(1.宅建業法 STEP8)、案内所等の届出(1.宅建業法 STEP13)、国土利用計画法の届出制(3.法令上の制限・税・その他 STEP14~15)が当てはまります。
私たちの生活では、出生届・婚姻届・離婚届などが当てはまります。役所に必要事項を記載した書類を提出しさえすれば、出生・婚姻・離婚などの効力が生じます。

登録とは?

必要事項を記載した書類を提出して記載された内容を通知するだけではダメで、その通知内容を役所が帳簿に記載することで、役所の審査が通ったことになるというものです。

役所に提出するだけでは審査が通ったことにならない点で、届出よりも審査は厳しいと考えることができます。
しかし、通知内容に不備がない限り、役所は帳簿への記載を基本的には拒否できないとされていますので、許可よりも審査は緩いと言うことができます。

このように、登録というのは少々難しい制度ですから、届出と許可の中間であると簡単に考えておくとよいでしょう。

例えば、宅地建物取引士の登録(1.宅建業法 STEP6)が当てはまります。宅地建物取引士資格登録簿という帳簿に通知内容が記載され、宅地建物取引士の登録が行われると、その記載に基づいて宅地建物取引士証が交付されます。
私たちの生活では、自動車の登録が当てはまります。自動車登録ファイルに自動車の所有者や車種などの通知内容が記載され、自動車の登録が行われると、その記載に基づいてナンバープレートが交付されます。

許可(免許)とは?

必要事項を記載した書類を提出して申請するだけではダメで、その申請内容が役所に認められたときに、はじめて役所の審査が通ったことになるというものです。
多くの法令では、役所がしっかりと審査すべき事項について許可を要求していますので、役所の審査は厳しくなります

申請をした宅建業者などの側から見ると、許可というのは「役所にOKと言ってもらわなければならない」ものですから、役所の審査を通すのに苦労することも多いのです。

例えば、宅地建物取引業の免許(1.宅建業法 STEP3)、都市計画法の開発許可(3.法令上の制限・税・その他 STEP6)、農地法3条~5条の許可(3.法令上の制限・税・その他 STEP17)が当てはまります。
私たちの生活では、自動車の運転免許、酒類販売業の免許、飲食業の営業許可が当てはまります。

いかがでしたか??
届出・登録・許可のそれぞれの意味を知ることで、宅建試験の学習がスムーズに進んでいきますので、これを機会に理解しておきましょう。

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