臨床心理士は「心の専門家」
臨床心理士とは、財団法人 日本臨床心理士資格認定協会(文部科学省認可)が認定する資格です。心の専門家として、近年では教育・医療などの分野にとどまらず、広く社会全体で求められている人材です。
心の問題を抱える人が増えている
現在、うつ病を経験したことのある人は、なんと15人に1人といわれています。
心の病で苦しんでいる人の数は決して少なくないのです。
うつ病を含む精神疾患により医療機関にかかっている患者の数は、近年大幅に増加しています。
社会が複雑化していく中で、心の問題を抱える人はますます増えており、専門的に心のケアを行える人材が求められているのです。
厚生労働省「患者調査」より作成
臨床心理士の役目
臨床心理士は、ひと言で言えば「心の専門家」ですが、より明確に言うと、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、心の問題にアプローチします。
そして、心の問題に対して、答えは1つではありません。クライエント(患者)の数だけ、答えがあると考えています。
多種多様な価値観を尊重しつつ、その人の自己実現をお手伝いしようとする専門家なのです。公財 日本臨床心理士資格認定協会ホームページ
臨床心理士になるには
臨床心理士になるためには、臨床心理士資格試験に合格しなければなりません。
さらに、この資格試験を受験するためには、臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院の修了といった受験資格の取得が必要です。
●指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
●臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
●諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
●医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者 など
資格試験までの流れ
臨床心理士資格の取得までのスタンダードな流れは以下のとおりです。
まずは、指定大学院に合格し、修了(卒業)後に、資格試験に合格することで、資格を取得できます。
資格取得後の就職先
医療機関
病院やクリニック、カウンセリングルーム、精神保健福祉センターといった医療機関があります。
こころの障害で、一般的な社会生活を送ることが難しい方や、精神的に不安定になっているクライアント(患者)への心理的援助を行います。
司法機関
家庭裁判所、児童自立支援施設、少年院などの司法機関があります。
犯罪をおこした者の処遇を決める際、心理的側面の検査をおこなったり、専門的な視点からの助言を行ったりします。
福祉機関
児童相談所(児相)や女性相談センターなどの福祉機関があります。
子どもの心身の発達相談を受けたり、心理テストを行ったり、あるいはDVやモラハラなどの女性問題などについて心理的援助を行います。
教育機関
小中学校、高校、大学といった各種学校内の相談室などの教育機関があります。
「スクールカウンセラー」として、生徒・学生の発達や学校生活全般に対する問題(悩み)に対して心理的援助を行います。
職場関連機関
企業内相談室、ハローワークなど、職場関連機関があります。
安定した職業生活をおくるために、働いている人やこれから働きたい人のために、心理的援助を行います。
臨床心理士資格の取得後
臨床心理士は、「臨床心理士名簿一覧」に登録されますが、5年毎に資格の再認定を受けなければいけません。常に専門資質の維持向上に努める「生涯学習」が求められているのです。
臨床心理士資格更新制度
臨床心理士の資格更新システムはポイント制です。
(公財)日本臨床心理士資格認定協会が主催する研修会への参加したり、研究論文の公刊などを行うことでポイントを取得します。5年間で合計15ポイント以上を取得することで「臨床心理士」の資格を更新できるという仕組みになっています。
<更新の要件とポイントの例>
(公財)日本臨床心理士資格認定協会HP「臨床心理士資格認定事業」より作成
通信講座で心理学を学ぶ!
四谷学院では、トータルな入試対策に向けてバックアップする通信講座をご準備しております。
はじめて心理学を学ぶ方は、「心理学入門講座」をどうぞ!
詳しくは、ホームページをご覧ください。