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こんにちは、四谷学院の後藤です。

書道、あるいはペン字や筆ペンの練習をしていると、だんだんと道具にもこだわりたくなりませんか?
学生時代は、ステキなノートやペンケース、ファイルなどを喜んで集めたものです。
自慢の文具を使えるので、勉強の時間もちょっと楽しくなったりして!

大人になってもそんな気持ちは同じですね。

そこで今日は、四谷学院の筆ペン講座のテキストについてご紹介しようと思います。
なぜなら・・・
「自慢したくなる」「見せたくなる」テキストなんです。

日本の伝統色をテキストに採用

四谷学院の筆ペン講座、テキストの表紙は、日本の伝統色を採用しています。
さらに、テキストの裏には、その色の紹介、ちょっとしたウンチクを記載しました。

ちなみに表紙の肌ざわりも、ちょっと和紙っぽい、穏やかな紙質を選んでいます。
筆ペンの練習を、特別な時間にするためのちょっとしたこだわりです。

さっそく、テキスト表紙に採用された3つの色についてご紹介いたします。

筆ペンのいろは1 一斤染


一斤染「いっこんぞめ」と読みます。
淡い紅色です。もとは、紅花で染めて作られる色です。平安時代から見られる非常に歴史のある色なのです。

色の名前、ちょっと分かりにくいですよね?「染め」は分かるけど「一斤」って何でしょう。

この色は、当時、一部の貴族のみが着ることを許された特別な色なんです。

紅花がとっても高価だったので、この染め色もものすごく貴重品。そこで、一般の人には、
「二反の絹布を染めるのに一斤(約600g)しか使っちゃいけません!」
と定められていました。

一反で着物が1枚つくれますから、2着分でたった600gしか使えない・・・すっごく薄くしか染まらないですよね。特別の人だけの色です。

筆ペンのいろは2 萌黄


萌え出る新芽の色!若さの象徴!春らしいおだやかな、それでいてわくわくするような色です。

こちらも平安時代から現代まで、長く使われているグリーン系の代表格。
萌黄色よりも、ちょっと濃く深い「苔色 こけいろ」は、江戸時代の若者の間で大流行したんですって。今で言うインターカラーとかトレンドカラーですね。

萌黄色よりも、ちょっと薄い「苗色 なえいろ」は、夏の象徴です。青々とした健やかなイメージでしょうか。

筆ペンのいろは3 楝色


楝色「おうちいろ」と読みます。

楝は植物の名前です。今で言う栴檀(せんだん)の古い名前です。30メートル近くにもなる大きな木で、5月から6月にかけて、薄紫色の花を咲かせます。


この花の色が楝色ですね。

日本では紫色の花は少なかったので、特別な色と考えられてました。「楝」は「樗」とも書き、この木は昔からたくさんの歌に詠まれています。

「どむみりと 樗や 雨の花曇り」 芭蕉

「どんみり」は「どんより」という意味。煙るような花の様子は雨が良く似合います。

和の楽しみを

日本の色は、名前やその歴史にも、ストーリーがあります。
ぜひこれをきっかけに、興味をもって楽しんでいただければと思います。

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